Volume 15, No.4 Page 337
6. 告知板/ANNOUNCEMENTS
最近のSPring-8関係功績の受賞
SPring-8 Related Achievements
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功績が認められ最近受賞されたSPring-8利用者等を掲載しています。
2010 IMC Dubose-Crouse Award 主催:International Metallographic Society
受賞者 | 小嗣 真人 |
(財)高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門 研究員 | |
受賞テーマ | Unique Magnetic Domain Structure in Iron Meteorite Induce by the Presence of L10-FeNi |
ビームライン | BL25SU、BL39XU |
研究内容 | 鉄隕石は人工の鉄ニッケル合金とは異なる磁気特性を示す事が知られていたが、その起源は明らかでなかった。そこで研究チームは、材料科学の観点から鉄隕石の磁気特性の解明を試みた。特に界面近傍の構造が、一種の「磁性多層膜」として材料科学の概念で標準化できることに目を付けた。SPring-8の軟X線固体分光ビームラインBL25SUと磁性材料ビームラインBL39XUにPEEMを接続し、ナノスケールの磁区構造解析を直接的に行った結果、テトラテーナイト(L10型鉄ニッケル規則合金)と呼ばれる鉄隕石特有の鉄ニッケル相に起源することを結論づけた。本研究により見出されたテトラテーナイト相の磁気特性は、省資源・低消費電力の次世代磁気メモリの材料として注目が高まりつつあり、我が国の低炭素社会の実現に繋がるものと期待されている。 [参考文献:Appl. Phys. Express 3 (2010) 013001] |
受賞理由 | Dubose-Crouse賞は顕微鏡技術における独創的かつ優れた研究に対して授与される賞である。小嗣真人研究員と東北大学の三俣千春客員教授は、International Metallograhic ContestにおいてDubose-Crouse賞の2nd Place(第二位)を受賞。今回受賞対象となった研究成果は「光電子顕微鏡による鉄隕石の金属組織と磁区構造の観察」に関するもので、鉄隕石における金属組織と磁気特性の関連性について、放射光と光電子顕微鏡(PEEM)を用いて直接解析し、長らく未解決であった鉄隕石の磁性を、物質科学の立場からメカニズムの解明を行った事が高く評価された。 |
※Dubose-Crouse賞受賞の小嗣真人研究員の記事はSPring-8利用者情報 Vol.15 No.1(2010年2月号)に掲載されています。