Volume 12, No.1 Page 1
新年ご挨拶
New Year’s Greeting
明けましておめでとうございます。
皆様方には、ご家族お揃いで、すがすがしい新春を迎えられましたことをお慶び申し上げるとともに、実り多き1年になりますことを心からお祈り申し上げます。
21世紀に入って行政、社会の制度が変わりつつあるなかで、一昨年にSPring-8の運営体制が3者体制から2者体制に移行し、さらに昨年7月より新たに「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律(新SR法)」が施行されました。当財団を取り巻く環境も大きく変わり、旧SR法に指定された機構としての役割は終え、「登録施設利用促進機関」として、施設利用研究を行う者の選定、さらに施設利用研究の実施に関し、情報の提供、相談その他の援助を行う法人として国に登録の申請を行ったところでございます。
一方、SPring-8の維持管理、運営につきましては、設置者である(独)理化学研究所からの委託のもと協力体制を敷き、一体的にして安全な管理体制が最も望ましいことと認識しており、引き続き現体制を維持すべく関係各所と調整を進める所存でございます。
さて、世界最高性能の研究施設であるSPring-8は、運転開始以来早くも9年を経過し、現在48本のビーム・ラインが稼働、平成9年10月の供用開始から平成18年7月までに、のべ66,000人もの研究者に利用され、およそ10,000件の課題が実施され、多数の成果を生み出してまいりました。
また、SPring-8の産業利用促進をめざした「先端大型研究施設戦略活用プログラム」により、共用BLにおいて予想を上回る多数の課題を実施し、着実に成果をあげました。
昨年7月に開催されたSPring-8の国際評価委員会、またその後の国の評価WGによる中間評価委員会の報告を受け、今年3月までの間に、法律に基づいて大臣が定める「共用の促進に関する基本的な方針」の改定が行われ、その改定はこれからのSPring-8の運営と方向付けを決めることになりましょう。
こうした動向を踏まえながら私どもは、SPring-8供用開始後10周年となる記念すべき年を利用者の皆様と協力して、与えられた使命を遂行してまいる所存でございますので、倍旧のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。