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Volume 11, No.5 Pages 308 - 309

1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8

SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status

(財)高輝度光科学研究センター 研究調整部 Research Coordination Division, JASRI

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◎平成18年6~8月の運転・利用実績
 SPring-8は6月24日から7月25日まで5週間連続運転モード(セベラルバンチ運転)で第4サイクルの運転を実施した。第4サイクルでは落雷による停止等があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約1%であった。
 放射光利用実績については、実施された共同利用研究の実験数は合計274件、利用研究者は1369名で、専用施設利用研究の実験数は合計169件、利用研究者は614名であった。

1.装置運転関係
(1)運転期間   第4サイクル(6/24(土)~7/25(火))

(2)運転時間の内訳
運転時間総計            約740時間
 ①装置の調整及びマシンスタディ等 約164.5時間
 ②放射光利用運転時間       約570時間
 ③故障等によるdown time      約5.5時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約1%

(3)運転スペック等
 ①第4サイクル(セベラルバンチ運転)
・203 bunches
・10/84-filling+73 bunches
・入射は1分毎にTop-Upモードで実施
・蓄積電流 8GeV、~100mA

(4)主なdown timeの原因
 ①自動補正用電磁石電源調査のための中断
 ②落雷によるアボート

(5)トピックス
①7月14日~16日にかけて落雷による瞬時電圧降下が頻発した。この影響で蓄積リングの電磁石電源がダウンしビームがアボートした。アボート中にも落雷による瞬時電圧降下が数回あり、いずれも天候の回復を待ち機器の健全性を確認し運転を再開した。
②7月7日の19時頃に、今サイクルより開始しているCOD自動補正で、電磁石電源の設定値と出力値がずれる現象が発生した。直ちにトップアップ運転を中断し調査を行い復旧している。

2.利用関係
(1)放射光利用実験期間  第4サイクル(6/25(日)~7/21(金))

(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
 共用ビームライン(R&D含む) 25本
 理研ビームライン       7本
 専用ビームライン       14本
 加速器診断ビームライン    2本
共同利用研究実験数 274件
共同利用研究者数  1369名
専用施設利用研究実験数 169件
専用施設利用研究者数  614名

(3)トピックス
 ①7月20日に蓄積リングのシングルバンチ純度が悪化している事が判明した。直ちにユーザー側に連絡を行い、利用実験への支障が無い事を確認した。ユーザータイムが終了する21日10時までの間はビーム廃棄及び再入射を行わずにトップアップ運転を継続した。

◎平成17年8月の実績
 SPring-8は7月26日から9月11日まで夏期長期運転停止期間として以下の作業・点検等を実施している。

1.SPring-8の長期停止期間中の主な作業
(1)線型加速器関係
 ①モジュレーター点検作業
 ②その他点検・整備作業

(2)シンクロトロン関係
 ①RF系点検作業
 ②電磁石電源点検作業
 ③その他点検・整備作業

(3)蓄積リング関係
 ①新規ビームライン建設工事
 ②新規FE設置作業
 ③既設FE/ID保守点検作業
 ④BPM回路新設作業
 ⑤電磁石電源点検作業
 ⑥RF定期点検
 ⑦その他点検・整備作業

(4)ユーティリティ関係
 ①電気設備保守点検作業
 ②冷却水設備保守点検作業
 ③空調設備保守点検作業
 ④消防設備保守点検作業
 ⑤その他定期点検・整備作業

(5)安全管理関係
 ①入退出管理システム定期点検
 ②放射線監視システム定期点検
 ③放射線監視盤移設
 ④安全系インターロックシステム点検・検査
 ⑤その他点検・整備作業

◎今後の予定
(1)夏期長期運転停止期間後の運転再開は9月12日からの予定で10月26日まで7週間連続運転モード(マルチ及びセベラルバンチ運転)で第5サイクルの運転を行う。但し、9月12日から9月19日まではマシン及びBL立ち上げ調整期間としユーザーへの放射光の提供は行わない予定である。詳細な運転条件については決定しだいユーザーにSPring-8のWWW等で報告する。



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[ - Vol.15 No.4(2010)]
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