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Volume 18, No.4 Pages 422 - 423

6. 談話室・ユーザー便り/USER LOUNGE・LETTERS FROM SPring-8 USERS

SPring-8シンポジウム2013 パネルディスカッション「SPring-8研究会活動の活性化に向けた研究領域の将来ビジョン」
Digest of Panel Discussion in SPring-8 Symposium 2013 – Future Vision of Research Area for Activation of the SPRUC Research Groups –

中川 敦史 NAKAGAWA Atsushi

SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)利用委員会委員長/大阪大学 蛋白質研究所 Institute for Protein Research, Osaka University

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 9月7、8日に京都大学宇治おうばくプラザで開催されたSPring-8シンポジウム2013の2日目に、パネルディスカッション「SPring-8研究会活動の活性化に向けた研究領域の将来ビジョン」が開催されました。
 SPring-8の設置計画段階から、SPring-8利用者懇談会の中でユーザーの声を吸い上げSPring-8とユーザーの連携を図る組織としての役割を果たしてきた研究会ですが、建設期からの有志を中心とした会員数約1,200名のSPring-8利用者懇談会から、SPring-8を利用する全ユーザーが会員となる会員数約12,000名のSPRUCに組織が変わり、これに伴って、会員数の増加という量的な変化だけでなく、SPRUCの果たすべき役割が質的に変化してきました。こうした状況の下、SPring-8の研究成果やビームラインに関する情報交換を円滑に行い、多様化するユーザーからの意見集約が可能で、その成果を内外に積極的にアピールできるような体制作りが必要となってきました。
 そこで、SPRUCでは、企画委員会の下に「SPRUC研究会組織検討作業部会」を設置して、問題解決に向けた議論を進めたものを中間報告書として公開し、8月下旬に会員の皆様からパブリックコメントをいただきました。
 現在の研究会が抱えている問題点を明らかにし、SPring-8のさらなる有効利用を目指して、来年度から新しい研究会を組織するにあたって、会員の皆様との議論を進めることを目的として、パネルディスカッションを企画しました。当日の議事概要はSPRUCのホームページにて公開されていますので、御参照下さい。

http://www.spring8.or.jp/ext/ja/spruc/panel_discussion_1309.html

 

 

 当日参加されなかった会員は是非御一読いただき、今後の議論へ参加していただくことをお願い申し上げます。
 作業部会では、現在のSPRUC研究会が抱えている課題には次のようなものがあると考えています。

1)多様化する分野の全体をカバーできない
2)各研究会活動の活性化→研究会活動に対して助言・提言を行える仕組みが必要
3)施設の高度化・将来計画に対しての意見を吸い上げる機能が不十分
4)研究会は予算のない任意団体である

 そして、これらの問題を解決するために、利用研究分野の全体をカバーし、研究会活動を活性化させ、施設の高度化・将来計画に対しての意見を吸い上げるシステムをどのようにして構築していくかということに対して、本パネルディスカッションで議論されました。
 パネルディスカッションでの議論の詳細は、議事概要にまとめられていますが、主な点をいくつか列挙します。

 

  • SPring-8の活性化のために、ビームラインのスクラップ&ビルドが必要であり、それとともに研究会のスクラップ&ビルドも必要であろう。
  • スクラップ&ビルドを行うためには、きちんとした基準に基づいた評価が重要である。
  • 研究会を大きく4つの研究分野(例えば、「生命科学」、「物質基礎」、「物質応用」、「計測」)にわけ、各研究会はそれらのいずれか1つ以上に属する。複数の領域にまたがる研究会も当然できる。
  • 従来からのボトムアップ的な研究会だけでなく、ミッションと期限を明確に設定した分野融合型の研究グループを組織していくことが重要である。また、それをまとめるコーディネーターが必要であろう。
  • 研究会の活動は、領域毎に有識者顧問により審査・評価が行われる。
  • 研究テーマを縦糸とし、ビームラインを横糸として、ビームライン毎(同じ性格のビームラインはまとめる)に研究会を束ねた組織を検討する。
  • 現在の研究会でカバーしきれないユーザーに対応するために、新たな研究会の新設を促す。
  • 企業ユーザーにとってメリットのある研究会組織作りが重要であり、またSPRUCとしても産業界からの意見を汲み上げる仕組みを作ることが重要である。
  • 基礎研究を行っている人と産業界の現場の人が互いに情報交換を行う場としてSPRUCは重要である。ただし、時流にあった研究テーマを的確に反映させた研究会ができるように研究会組織は常に流動性を持つことが重要である。
  • 産業応用を考えた時には、最終的な目標という出口側から見たグルーピングが必要である。

 

 近い将来に向けて、SPring-8 II計画が進んでおり、新しい研究会の下でSPring-8 IIの利用に向けた議論を始める時期にきています。
 SPring-8の活性化のためには研究会の活性化が鍵となることは間違いないと考えています。今回のパネルディスカッションでの議論を基に、来年4月からの新しい研究会の組織作りに向けての作業が進んでいきます。是非、会員の皆様からの忌憚のない御意見と積極的な活動をお願い致します。

 

 

 

中川 敦史 NAKAGAWA Atsushi
大阪大学 蛋白質研究所
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘3-2
TEL : 06-6879-4313
e-mail : atsushi@protein.osaka-u.ac.jp

 

 

Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794