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Volume 08, No.2 Pages 90 - 92

1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8

SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News

(財) 高輝度光科学研究センター 所長室 計画調整グループ JASRI Planning and Coordination Section, Directorユs Office

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◎平成14年11~12月の運転・利用実績

 SPring-8は11月20日から第9サイクル運転を5週間連続運転モードで実施した。第9サイクルではRFのトランス冷却水流量低下による停止等があり、総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約1.1%であった。

 放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計242件、利用研究者は1158名で、専用施設利用研究の課題は合計72件、利用研究者は353名にのぼった。


1.装置運転関係

(1)運転期間

 第9サイクル(11/20(水)~12/20(金))

(2)運転時間の内訳

 運転時間総計         約721時間

 ①装置の調整及びスタディ等  約145時間

 ②放射光利用運転時間     約569.5時間

 ③故障等によるdown time     約6.5時間

 総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約1.1%

(3)運転スペック等

 ①第9サイクル(セベラルバンチ運転)

 ・11 bunch train×29

 ・203 bunch-(4 bunch×7)

 ・定時入射1日2回(10時、22時)

 ・蓄積電流 1~99mA

(4)主なdown timeの原因

 ①RFのトランス冷却水流量低下によるアボート

 ②挿入光源の漏水確認のためのビーム廃棄

 ③COD手動補正が正常に行えなかった事によるユーザー利用開始時刻の遅延。

(5)トピックス

 ①第9サイクルよりオプティクスを変更し、低エミッタンスでのオプティクスでの運転を開始した。

 ②11月21日に蓄積リングに設置している超伝導ウィグラーの試験運転を行い、陽電子の生成実験を行った。

 ③12月21日から冬期長期運転停止期間に入るため、12月18日から20日まで長期運転停止前のパラメータ取得を行った。


2.利用関係

(1)放射光利用実験期間

 第9サイクル(11/23(土)~12/4(水))(12/5(木)~12/18(水))

(2)ビームライン利用状況

  稼働ビームライン

     共用ビームライン(R&D含む) 25本

     理研ビームライン       4本

     原研ビームライン       3本

     専用ビームライン       8本

     加速器診断ビームライン    1本

  共同利用研究課題    242件

  共同利用研究者数    1158名

  専用施設利用研究課題  72件

  専用施設利用研究者数  353名

(3)トピックス

 ①低エミッタンスオプティクスでのセベラルバンチ(11 bunch train×29)のユーザー利用運転について、1日1回の定時入射から1日2回の定時入射に変更を行った。

 ②12月2日の22時及び3日の10時の定時入射の際にソフトウェアの不具合で全ての挿入光源のギャップを開ける自動操作が出来ず、手動でギャップを開ける操作を行った。直ちにソフトウェアの改修を行い正常に復帰した。


◎平成14年12月~平成15年1月の実績
1.SPring-8関係

 SPring-8は12月21日から平成15年1月19日まで冬期の長期運転停止期間として以下の作業・点検等を実施し予定通り終了した。

(1)線型加速器関係

 ①電子銃点検作業

 ②その他作業及び点検

(2)シンクロトロン関係

 ①OTRモニタ設置作業

 ②イオンポンプ交換作業

 ③クライストロン ヒータ・アノード電源サイリスタ化作業

 ④その他作業及び点検

(3)蓄積リング関係

 ①ビームラインの増設

 ②挿入光源の新規据付・既設挿入光源メンテナンス作業

 ③FEの新規据付・既設改造作業及び定期保守作業

 ④電磁石冷却水ホース交換作業

 ⑤バンプ電磁石据付及びバンプ電源改造作業

 ⑥真空計ケーブル交換・遮蔽作業

 ⑦RFオイルポンプ交換作業

 ⑧VME及びファイルサーバー等点検作業

 ⑨BL制御機器メンテナンス

 ⑩超伝導ウィグラー撤去作業

 ⑪その他作業及び点検

(4)ユーティリティ関係

 ①電話交換機更新移設作業

 ②入射系漏電警報信号電送装置設置工事

 ③SRマシン冷却設備二次冷却系薬剤濃度測定自動制御システム設置工事

 ④SR冷却設備冷凍機ドレン弁取付工事

 ⑤空調用自動制御機器保守点検作業

 ⑥消防設備点検作業

 ⑦その他作業及び点検

(5)安全管理関係

 ①入退出管理システム定期点検

 ②放射線監視システム定期点検

 ③放射線モニタ点検

 ④インターロック点検・総合動作試験

 ⑤その他作業及び点検


◎平成15年1~2月の運転・利用実績

 SPring-8は1月20日から2月21日まで第1サイクルを5週間連続運転モードで実施している。運転・利用の実績については次号にて掲載する。


◎今後の予定

(1)2月26日から3月28日まで第2サイクルの運転を5週間連続運転モード(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)で行う。詳細な運転条件については決定しだい、ユーザーに報告する。


◎平成15年度のSPring-8運転計画

 SPring-8では平成15年度(平成15年4月~平成16年3月)の運転を以下のように計画している。但し、本計画は現在のところ確定されたものではなく、特に夏期の長期運転停止期間以降の運転計画については、今後の検討により修正される。

 正式に運転計画が決定され次第、SPring-8ホームページや利用者情報誌等でお知らせする。

(1)運転予定表

 別図1に平成15年度(2003年度)の運転計画を示す。

(2)運転計画の内訳

 ①サイクル数

  平成15年度は合計8サイクル(平成15年;第3~第8、平成16年;第1~第2)の運転を予定している。

 ②1サイクル当たりの期間

  1サイクル当たりの期間は、原則4週間もしくは5週間連続運転モードで行う。

 ③運転停止期間

  サイクル間の運転停止以外の主な長期運転停止期間は、以下の通りである。

 ・中間点検 4月25日~5月13日

 ・中間点検 11月8日~11月18日

 ・夏期停止 7月12日~9月12日(マシン及びビームライン調整期間も含む)

 ・冬期停止 12月20日~平成16年1月18日

(3)運転スペック等

 各サイクルの詳細な運転スペック(蓄積電流値やバンチ運転、フィリング等)については、利用者の要望等を踏まえ、各サイクル開始前に開催される「スケジュール調整会議」で、検討・調整をする。

 会議で決定された運転スペックについては、すみやかにSPring-8ホームページ等でお知らせする。

(4)注意事項

 中間点検期間・長期運転停止期間及び夏期の運転停止期間以降の運転計画については、今後の検討により変更される可能性がある。また、停止期間中に設置、増設されるビームラインや挿入装置についても変更される可能性がある。



Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794