Volume 07, No.6 Pages 343 - 353
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
第9回共同利用期間(2002A)において実施された利用研究課題
The Experiments in the 9th Research Period (2002A) at the Public Beamlines of SPring-8
第9回共同利用期間(2002A)は、平成14年2月から平成14年7月にかけて実施されました。この期間に実施された共同利用研究課題は543件で、その内訳は次の通りです。
通常利用課題 464件
成果専有利用課題 17件(うち時期指定利用:12件)
留保シフト課題 56件(内訳は、生命科学分科18件、及び産業利用分科38件)
特定利用継続課題 5件
(2000Bから開始3件、2001Aから開始1件、2001Bから開始1件)
特定利用新規課題 1件
今期の共同利用では、R&Dビームライン3本を含む共用ビームライン25本、及び原研・理研ビームラインのうち5本を利用しました。この内、赤外物性ビームライン(BL43IR)が平成14年1月末に光学素子損傷により使用不能となり、2002A期の公募で採択された22件の課題がすべてキャンセルされました。その後、夏期運転休止時に修理が完了し、2002B期は使用可能となっています。高温構造物性ビームライン(BL04B1)は、SPEED-1500の修理のため後半の2サイクルの共同利用実験6件がキャンセルされました。また、平成14年6月にID22真空リークによるダウンがあり、134時間を越えるユーザータイムの使用ができなくなり、36件の共同利用実験がキャンセルされました。これらのキャンセルで予定通り課題を実施できなかったユーザーの皆様には、多大なご迷惑をおかけいたしましたことを改めてお詫びいたします。
特定利用制度は、一昨年度2000B期から開始した制度で、3年以内の長期にわたってSPring-8を計画的に利用する制度です。今期においては、前期からの継続5件に加えて、新たに1件が開始されました。特定利用のうち1課題が、3本のビームラインを利用しました。
今期において専用施設で実施された課題は114件でした。稼働しているビームラインは8本です。課題の内訳は、通常利用が112件で、成果専有利用が2件となっています。
今期の利用者数は、共同利用では3,246人、専用施設利用では1,043人でした。この数はいずれも延べの人数です。この結果、これまでの9回の共同利用で実施された総課題数は3,093件、総利用者数は19,400人となりました。専用施設利用を合わせた利用状況を表1及び図1に示します。
表1 共同利用及び専用施設利用の推移
図1 利用課題数(上)及び利用者数(下)の推移