Volume 05, No.1 Pages 21 - 22
2. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成11年10~11月の運転・利用実績
SPring-8は9月29日から第9サイクル、10月20日から第10サイクル、11月10日から第11サイクル運転を、それぞれ3週間連続運転モードで実施した。
第9~10サイクルでは挿入光源のrf-BPMによる停止やRFの冷却水流量低下による停止があった。
第11サイクルではRFによる停止等が数回あった。
第9~11サイクルの放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約1.4%であった。
放射光利用実績については、実験された共同研究課題は合計213件、利用研究者数は1014名にのぼった。
1、装置運転関係
(1)運転期間
第9サイクル (9/29(水) ~ 10/15(金))
第10サイクル (10/20(水)~11/5(金))
第11サイクル (11/10(水) ~ 11 /26(金))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約1156時間
①装置の調整、およびマシンスタディ 約221時間
②放射光利用運転(ユーザータイム)時間 約935時間
③ユーザータイム内の故障等によるdown time 約13時間
総利用運転時間(②+③)に対するdown time の割合 約1.4%
(3)運転スペック等
①第9~10サイクル
・24/29-filling運転
・蓄積電流 1~99mA
②第11サイクル
・3/4-filling+33 single bunches
・24/29-filling運転
・蓄積電流 1~99mA
(4)主なdown timeの原因
①SR-RF反射異常によるInter lock
②SR-RF冷却水流量低によるInter lock
③挿入光源のrf-BPM によるInter lock
2、利用関係
(1)放射光利用実験期間
第9サイクル (9/30(木) ~10/13(水))
第10サイクル (10/21(木)~11/3(水))
第11サイクル (11/11(木) ~11/24(水))
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン 15本
R&Dビームライン 1本
理研ビームライン 2本
原研ビームライン 3本
専用ビームライン 3本
利用研究課題 213件
利用研究者数 1014名
(3)トピックス
①第9サイクルより第4回共同利用期間が開始され、246課題が採択された。そのうち成果専有利用課題は5課題であった。
②第9サイクルにてBL41XUの分光器の結晶が割れたため5件の課題が中止となった。
3、ニュースバル関係
第9サイクルでは新設及び既設の各機器調整を行い、9月21日よりコミッショニング(加速器及びビームライン調整と焼き出し運転)を継続して行い、最大蓄積電流40mAを達成した。
第10~11サイクルでは第9サイクルから継続してコミッショニング(加速器及びビームライン調整と焼き出し運転)を行った。また、加速試験や施設検査に向けての調整を行い、11月3日に蓄積電流100mA(リミット値を95mAに設定いるため正確には95mA)を達成した。
今後の予定としては、第12サイクルに試験運転時施設検査を受ける予定である。
◎今後の予定
(1)12月2日から12月24日までの第12サイクルの運転は4週間連続運転モードのセベラルバンチ運転で実施する。
(2)第12サイクル以降は、12月25日より冬期の長期運転停止期間(平成12年1月16日まで)に入り、各設備及び機器の点検作業等を実施する。
(3)冬期長期運転停止期間後の運転再開(第1サイクル)はマシン調整期間をはさんで、1月19日から1月28日までの2週間連続運転モード予定。第1サイクルはマシン及びビームラインの調整期間とし、ユーザーへの放射光の提供は行わない予定であったが、スケジュールの見直しにより、ボーナスシフトとしてユーザーに提供することとなった。
但し、このボーナスシフトはスケジュールの進捗状況によっては減少または取り消される可能性がある。
(4)平成12年2月2日から3月31日まで3週間連続運転モードで3サイクル(第2~4サイクル)の運転を行う予定である。
運転モードについては決定しだいユーザーに報告する。