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Volume 04, No.5 Pages 48 - 49

7. 談話室・ユーザー便り/OPEN HOUSE・A LETTER FROM SPring-8 USERS

拡大世話人会に出席して
Report from an Attendee on Enlarged Sub-Group Meeting

高橋 敏男 TAKAHASHI Toshio

東京大学 物性研究所 Institute for Solid State Physics, University of Tokyo

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 7月28日午前に先端科学技術支援センターにおいてSPring-8利用者懇談会主催の拡大世話人会が開催された。議題は「SG世話人の役割について」、および「SG報告書について」ということで、ほとんどのSG(サブグループ)の世話人が集まった。私自身は表面界面SGの世話人であるとともに、懇談会の利用幹事ということで会合の進行役も一部務めながらの参加であった。現在何が問題になっているのかとともに会合の雰囲気を伝えて欲しいとのことで執筆依頼を受けた。
 会合は、最初に上坪所長からSPring-8の運営や利用に関して全般的なことでの要望や問題提起がなされた。次いで松井懇談会会長からSG世話人の役割について議論して欲しい問題点の説明があった。その後会合は自由討論の形で進められた。
 今回の会合の主旨は、少なくとも現状のままではSGには問題点のあることを理解して頂き、今後の活動の在り方を討論して頂くことであった。SGは、これまで共用ビームラインの提案、建設、立ち上げグループとしての存在意義があったが、供用開始とともにSGによって事情が変わってきた。ビームラインがすでに立ち上がりユーザーモードになっているSG、立ち上げ中のSG、これから建設予定のSGなど、SGによって事情は様々である。さらに21本目以降の10本の共用ビームラインの建設も順次進められようとしている。
 施設側からユーザーを見ると1つの接点としてSGがあるわけであるが、SGに何かを求めようとすると以上のようにSGによって状況が異なり、当然SGの対応もまちまちになってくる。最近の具体的な事例としては、施設側の年次報告書の作成やSPring-8シンポジウムにおいて、各ビームラインの現状報告や成果報告を行う際に、SGの世話人に対してどのような形で何を協力してもらえるのか、という問題が生じてくる。たとえば、ユーザーモードに入り、多くのユーザーが利用しはじめているビームラインでは、世話人に成果のまとめ役を求めることは負担が大きくなりすぎている。一方では施設側にしても現状のスタッフでは対応できる範囲にも限りあるということになる。
 ビームラインの運用についてもSGの関わりはさまざまであろう。ユーザーモードになったビームラインについては、装置の維持管理については基本的には施設側が責任をもつにしても、ユーザーグループが何らかの関わりをもっていくことは必要であろう。とくに、ビームラインを高度化するにあたっては、中心になるユーザーグループは不可欠であり、今の形態とは変わるかもしれないがSGが必要であろうという意見がでるのも当然である。
 課題採択の方法やビームタイムの配分方法についても議論がなされた。SGが中心になって立ち上げたビームラインにおいても、これまではいわゆる立ち上げ期間と称するものが公式には認められておらず、申請して採択された課題の枠の中で立ち上げも行うのが実状であった。ほとんどのビームラインはいくつかのSGが相乗りしており、ビームタイムが絶対的に少ない上に細切れになる傾向にあった。ある程度はビームタイムを配慮してもらえていたかもしれないが、装置の性能を出すのに必要以上に時間がかかり、研究成果に直結するような実験にさくことのできるビームタイムは実質的に少なくなり、特筆すべき成果を出しにくい状況になっていた。ユーザー側のみならず施設側にもフラストレーションのたまる状況になっていたようである。この点は、この秋のビームタイム配分では考慮されているとのことである。
 上坪所長からも共同利用方式を多様化して、分野による特徴を生かしたり、ある程度メリハリをつけた利用形態をとりたい旨の説明があった。たとえば、特定課題制度を設け、ある基準を満たした課題については重点的にビームタイムを配分する予定であるとのことである。また、R&Dビームラインの位置づけおよび利用方法、産業界利用の促進などについても基本的な考え方を示された。
 施設側からすると成果の集約を誰がどのような形でするのかという問題もあるが、この点については十分議論する時間がなかった。少なくとも、ユーザーには論文発表したものについては積極的に登録手続きをして欲しい旨の要望が所長からもなされた。
 一方、利用者懇談会自身としてSPring-8の将来計画に積極的に提言すべきであるとの意見も出された。SGの役割り同様に利用者懇談会そのものの役割も問われているものと思われる。 
 
高橋 敏男 TAKAHASHI  Toshio
東京大学 物性研究所 先端分光部門
〒106-8666 港区六本木7-22-1
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[ - Vol.15 No.4(2010)]
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