Volume 04, No.5 Pages 23 - 24
2. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成11年6月の運転・利用実績
SPring-8は6月2日から第7サイクル(3週間連続運転モード)、6月23日から第8サイクル(2週間連続運転モード)の運転を実施した。
第7サイクルではRFの反射異常や挿入光源のrf-BPMによる停止等が数回あったが、第8サイクルでは故障等による停止は一度もなく順調な運転であった。第7、第8サイクルの放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(downtime)は約4%であった。
放射光利用実績については、実験された共同研究課題は合計68件、利用研究者数は263名にのぼった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第7サイクル(6/2(水)~ 6/18(金))
第8サイクル(6/23(水)~ 7/2(金))
(2)運転時間の内訳運転時間総計 約605時間
①装置の調整、およびマシンスタディ 約102時間
②放射光利用運転(ユーザータイム)時間 約483時間
③ユーザータイム内の故障等によるdown time 約20時間
総利用運転時間(②+③)に対するdown timeの割合 約4%
(3)運転スペック等①第7サイクル
・2/3フィリング運転
・1/3フィリング運転
・47/48フィリング運転
・3 bunch×116
・4 bunch×116
・蓄積電流 1~98mA
②第8サイクル
・2/3フィリング運転
・11/12フィリング運転
・蓄積電流 1~99mA
(4)主なdown timeの原因①蓄積リングRFの反射異常によるInter lock
②挿入光源のrf-BPM によるInter lock
③火災報知器の誤報によるビーム廃棄
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第7サイクル(6/ 3(木)~ 6/18(金))
第8サイクル(6/24(木)~ 6/30(水))
(2)ビームライン利用状況稼働ビームライン 共用ビームライン 10本
R&Dビームライン 1本
理研ビームライン 2本
原研ビームライン 3本
専用ビームライン 1本
利用研究課題 68件
利用研究者数 263名
(3)トピックス①第7サイクルからユーザータイムの運転を最大蓄積電流100mAで行った。
②7月3日からの長期運転停止前に各加速器のパラメーターの測定を行うために第7サイクルのマシンスタディの時間と第8サイクルのユーザータイムの変更(入れ替え)を行った。それにより第7サイクルのユーザータイムは通常より2日間長く、第8サイクルのユーザータイムは通常より2日間短くなった。
③第6サイクルからの蓄積リングの電子ビームの揺らぎの原因について調査を行い、第8サイクルのビーム調整時に対策を行った。
④第8サイクルにて1999Aの共同利用が終了した。
3.ニュースバル関係
第7サイクルは昼間はビーム及びビームライン調整、夜間は焼き出し運転を継続して行い、EUVLのビームラインにて放射光を確認した。また、最大蓄積電流は20mAを確認した。
第8サイクルでは第7サイクルと同様に、ビーム及びビームライン調整、夜間は焼き出し運転を継続して行い、長尺アンジュレータのギャップを閉めた状態で6mAまで蓄積をした。
◎平成11年7月の実績
SPring-8は7月3日から9月5日まで夏期の長期停止期間として以下の作業・点検等を実施している。また、ニュースバルについても各作業・点検を実施している。
1.夏期の長期停止期間中の主な作業
(1)線型加速器関係
①アライメント確認作業
②電子銃メンテナンス作業
③モジュレーターメンテナンス作業
④各種点検作業
(2)シンクロトロン関係①導波管の分解・組立作業
②アライメント確認作業
③RFキャビティ真空ダクト交換作業
④各種点検作業
(3)蓄積リング関係①ビームラインの増設
②新規挿入光源の据付作業
③新規FEの据付作業
④RF-Aステーション設置作業
⑤長直線部ベースプレート設置作業
⑥ネットワーク工事
⑦各種点検作業
(4)ユーティリティ関係①FE専用冷却水循環装置作業
②各種点検・改造作業
(5)安全管理関係①入退出管理システム定期点検
②放射線監視システム定期点検
③インターロックロジック変更作業
④各種点検作業
◎今後の予定
(1)引き続き9月5日までマシンの夏期長期運転停止期間とし、ビームラインの増設や各設備及び機器の点検作業等を実施する。
(2)夏期長期運転停止期間後の運転再開は9月6日からの予定。但し9月24日まではマシン及びビームラインの調整期間とし、ユーザーへの放射光の提供は行わない。
(3)9月29日から12月24日まで3週間連続運転モードで3サイクル(第9~11サイクル)と4週間連続運転モードで1サイクル(第12サイクル)の運転を行う予定である。
運転モードについては決定しだいユーザーに報告する。