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Volume 04, No.3 Pages 38 - 39

2. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8

成果専有利用について
Proprietary Research at SPring-8

(財)高輝度光科学研究センター 利用業務部 JASRI Users Office

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 SPring-8における成果専有利用(ビーム使用料を支払う代わりに、課題審査を受けず、利用結果公開の義務がない)の具体的方法が決まりました。以下に共用ビームラインを利用する場合の手順の概要についてお知らせします。

 専用ビームラインについては、ビームライン毎に異なりますので、各々のビームラインの設置者にお尋ねください。


1.成果専有利用の目的

 SPring-8を利用する放射光利用実験を計画する場合に、次のような理由により、利用結果を公表したくない、課題審査を受けたくない等の事情がある場合に利用していただくのがこの制度です。

 ・実験の内容、試料等に財産的価値が含まれており、課題選定委員会に明らかにしたり、結果を公表したりすることは避けたい。
 ・申込者にとっては非常に重要な課題であるが、科学技術的重要性が少なく、必ずしも審査に通るとは限らない。
 ・特定の時期を指定して、あるいは通常より早く利用実験を行いたい。

2.利用の種類

 成果専有利用は、通常の課題募集時に受け付ける通常利用(締切日は通常の成果公開利用と同じで、利用日は共同利用の対象となる6ヵ月間の何れかに割り当てられる)と、緊急課題と同様に随時受け付ける時期指定利用(申込時に利用希望時期を指定する)の2種類があります。


3.利用可能ビームタイム数

 成果専有利用はビーム使用料の支払いと引換に「技術的実施可能性」及び「安全性」の審査だけで利用していただく制度ですので、利用可能ビームタイム数に制約があります(諮問委員会が上限値を定める。当面は総ビームタイム数の10%)。また、時期指定利用の場合のビームタイムは、緊急課題と同様にJASRI保留のビームタイムを利用するため、さらに利用可能ビームタイム数が少なくなります(諮問委員会が上限値を定める。当面は総ビームタイム数の5%)。


4.利用申込及び審査手順

 成果専有利用を計画している利用者は、事前にJASRIと利用者が所属する機関との間で「成果専有利用基本契約(仮称)」を締結していただきます。この契約は、料金の支払い方法や秘密保持、成果の取扱等に関する基本的な事項について取り決めるもので、一度締結していただくと一定期間(当面1年間を想定)は有効となります。

 申込には通常利用、時期指定利用ともに、記入内容を限定した成果専有課題専用の申請用紙を用います。

 審査の際、「科学技術的妥当性」及び「SPring-8の必要性」に関する分科会審査は行わず、課題選定委員会主査及び施設側委員による「技術的な実施可能性」及び「安全性の評価」の審査だけを行い、合格した課題には利用可能ビームタイム数の範囲内で受付順にビームタイムが配分されます。

 提出された申請書及び申請内容については、情報管理を厳格に行うとともに、審査に関わる人数を限定し、秘密保持に万全を尽くすこととしています。


5.成果公開利用との違い

 成果専有利用ではビーム使用料の支払い義務が生じる代わりに、実験内容についての評価及び「利用報告書」の提出の義務は無く、発明等の出願に際てもJASRIと事前に協議する必要はありません。

 利用に係る手続き、帳票等は通常利用と同じですが、利用の性質上、申請書の内容等は簡略化を図ることとしています。

 旅費の支援を除き、食堂や交流施設の利用等のJASRIからのユーザー支援は通常のユーザーと同様に受けられます。

 ビーム使用料は運営費(光熱水費、保守費、人件費等)を回収する方式で計算した金額で、時間当り59,000円(時期指定利用は5割増)で、請求はシフト(8時間)単位で行う予定です。具体的な時間算定方法、支払い方法等については利用業務部までお問い合わせ下さい。

 なお、専用ビームラインを利用する場合のビーム使用料は、共用ビームラインの運営費等が不要となりますので、JASRIが受け取る料金は時間当り33,000円となりますが、利用者が支払う料金はこの額に設置者側運営費を加算した額となりますので、金額等は各ビームラインの設置者にお問い合わせ下さい。


成果専有利用の種別



Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794