Volume 04, No.3 Pages 23 - 37
2. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8共用ビームライン利用研究課題の募集について
Call for the Beam Time Application for the Public Beamlines at SPring-8
(財)高輝度光科学研究センターでは、SPring-8の共用ビームラインを利用して行う研究課題を募集しています。以下の要領でご応募下さい。
<はじめに>
1.採択課題名の非公表について
今回から研究者の課題の優先性の保護のため採択課題の課題名は実験が終了するまで公表しないことになりました。採択時には課題番号、実験責任者名、所属、国名、利用されるビームライン名、配分シフト数のみ公表いたします。
2.成果専有(成果非公開)課題について
成果専有課題についてビーム使用料金が決まりました。(下記項目8の「ビーム使用料金」および本誌38ページを参照してください。)
3.申請書について
今回から申請書様式が変更になりました。蛋白質結晶構造解析の課題および成果専有課題は別様式となっております。最新の申請書でご応募下さい。
4.審査について
成果非専有(成果を公開)課題
「共用施設の利用研究課題選定に関する基本的考え方」(SPring-8利用者情報Vol.1,No.1,p.22参照)に基づき利用研究課題選定委員会において利用研究分野ごとに「科学技術的妥当性」および「研究手段としてのSPring-8の必要性」を審査し優先順位をつけ「実験内容の技術的な実施可能性」および「実験内容の安全性」を満たしている課題についてビームタイムの枠内で優先順に採択します。
成果専有(成果を非公開)課題
受理順に、「実験内容の技術的な実施可能性」および「実験内容の安全性」を満たしているか評価し、満たしている課題を成果専有課題のビームタイム枠まで採択します。
1.利用期間等
平成11年9月30日〜平成11年12月22日(予定)
・共用ビームタイム 140シフトの予定
(1シフトは8時間)
・蓄積電流値:70mAで運転予定
2.募集の締め切り
平成11年6月19日(土)[当日消印有効]
申請書に電子メールアドレスが記入されている申請者には6月30日迄に申請書の受理通知を電子メールで送ります。6月30日を過ぎても通知がこない場合は利用業務部へお問い合わせ願います。なお、電子メールを使用されない申請者の方は、お手数ですが電話で利用業務部へお問い合わせ下さい。
3.募集の対象となる共用ビームライン
(1)BL01B1 XAFS
(2)BL02B1 結晶構造解析
New (3)BL02B2 粉末・結晶解析
(4)BL04B1 高温構造物性
New (5)BL04B2 高エネルギー構造解析
(6)BL08W 高エネルギー非弾性散乱
(7)BL09XU 核共鳴散乱
(8)BL10XU 高圧構造物性
New (9)BL20B2 医学利用(イメージング)
(10)BL25SU 軟X線固体分光
(11)BL27SU 軟X線光化学
New(12)BL28B2 白色光(トポグラフ)
(13)BL39XU 生体分析
New(14)BL40B2 構造生物
(15)BL41XU 生体高分子結晶構造解析
ご応募の前にビームライン・ステーションの整備状況をSPring-8のWWWホームページ(以下の4参照)で確認して下さい。Newと示したビームラインは今回から募集を行うもので、平成11年12月末まではステーション・ビームラインの性能評価・確認の期間となります。
なお、成果非専有課題については、上記の共用ビームライン以外で、以下のビームライン
・BL14B1(原研) 表面構造物性、高温高圧物性
・BL23SU(原研) 原子分子
・BL44B2(理研) 時分割結晶構造解析
・BL45XU(理研) 小角散乱
New ・BL46XU(研究開発) 光学機器開発
・BL47XU(研究開発) 光学機器開発およびイメージング技術開発
のビームタイムの一部を使用することも可能です。
4 .応募方法
SPring-8利用研究課題申請書(’99年版)を記入要領に従い作成し、以下の項目5に示す提出方法に従い項目6の提出先までお送り下さい。
最新のSPring-8利用研究課題申請書(’99年版)(成果非専有課題(蛋白質結晶構造解析専用)用、成果非専有課題(散乱・回折、XAFS、分光、実験技術、その他)用は、本誌29ページをコピーして利用できます。また、以下の、SPring-8のWWWホームページには書き込みのできるPDF形式ファイルで供給しています。予めPDF形式ファイルの書き込みに対応しているバージョンの「Acrobat Reader」をインストールしてから、申請書をダウンロードしてください。
[利用研究課題募集案内のホームページアドレス]
http://www.spring8.or.jp/JAPANESE/user_info/(日本語)
http://www.spring8.or.jp/ENGLISH/user_info/(英語)
成果専有課題(有料)用の申請書および記入要領は下記6の利用業務部にご請求下さい。
5 .申請書の提出方法
作成された申請書A4版の元本1部、元本の1、2頁を表面に、また3、4頁を裏面としてA4版1枚に左綴じで読めるように縮小両面コピーした副本15部を下記の提出先に郵送して下さい。
(蛋白質結晶構造解析の課題で原本が5枚になった場合は5頁目を同様に縮小コピーし副本の2枚目として下さい。)
6.申請書提出・問い合わせ先
〒679-5198 兵庫県佐用郡三日月町三原323-3
(財)高輝度光科学研究センター 利用業務部
「共用ビームライン利用研究課題募集係」
牧田知子または平野有紀
TEL:0791-58-0961/FAX:0791-58-0965
e-mail:sp8jasri@spring8.or.jp
7.審査結果の通知
平成11年8月上旬の予定
なお、採択の通知を受けた課題の実験責任者は2週間以内に利用研究課題実行者名簿をインターネットで登録していただくことになります。また、そのときに新規のユーザーはユーザー登録が必要になります。
8.ビーム使用料金
成果非専有(成果を公開)課題で申請される課題は、ビーム使用料は無料です。成果専有(成果を非公開)課題で申請される課題はビーム使用料を徴収します。料金は1シフト(8時間)あたり472,000円です。成果専有課題で時期指定利用の場合はビーム使用料金は5割増になります。時期指定利用の申請は平成11年9月30日以降の利用分から受け付けます(随時)。なお、成果専有課題を申請される場合は、別途料金支払い等に関する契約を結んでいただく必要がありますので、利用業務部にお問い合わせ下さい。
9.備考
次回利用期間(平成12年1月~6月)分の募集は平成11年8月中旬に募集を開始し、平成11年10月中旬に締め切る予定です。次回の募集も勘案して今回ご応募下さい。
(参考)インターネットによる申請書の取り出しおよび書き込み方法について
1.利用研究課題募集案内のホームページURL
http://www.spring8.or.jp/JAPANESE/user_info/(日本語)
http://www.spring8.or.jp/ENGLISH/user_info/(英語)
ブラウザはNetscapeの場合バージョン3.0以上をお使い下さい。
2.供給している申請書
書き込みのできるPDF形式ファイル
なお、申請書2ページ目以降はフォントの大きさを2種類用意しています。記入量に応じて選択してください。PDF形式ファイルを読むためには予め、以下の3の項目に示したソフトのいずれかをインストールしておく必要があります。
3.ソフトウエアに応じた利用方法
(1)PDF形式ファイルを表示と印刷するだけの古いバージョンの「Acrobat Reader」がインストールされている場合 申請書をプリントアウトして、従来の方法で作成してください。
(2)書き込みもできる最新の「Acrobat Reader」がインストールされている場合(インストールされていない方は、アドビ社のホームページから無料でインストールできます。上記SPring-8のホームページ中にリンクしています。)書き込み後プリントアウトできますが、書き込んだファイルを保存する事ができません。書き込み内容を他のソフトウエア(たとえば、Word)で作成し、コピー&ペーストしてください。
(3)「Acrobat Exchange 3.0aJ」をインストールされている場合(「Acrobat Exchange 3.0aJ」は「Acrobat Reader 3.0aJパッケージ」を購入されますとその中にはいっています。)PDF形式ファイルを読み出して、直接書き込み、保存できます。
4.図の張り付けについて
PDFファイル上ソフトでは図を張り付けられませんので、以下のどちらかの方法を選択してください。(1)図は別の用紙に作成し物理的に張り付ける。
(2)記入内容を適当なソフト(たとえば、文章はWordで作り、図をペーストする)で申請書のフォーマットに合わせて作り、予めプリントアウトしたブランクの申請書に印刷する。
申請書様式には以下の種類がありますので、適切な申請書で申請して下さい。
□成果非専有(成果公開;ビーム使用料無料)課題用申請書
生命科学分野で蛋白質結晶構造解析の課題を申請されれるかたは、[3]、[4]ページは別フォーマットの蛋白質[3]、蛋白質[4]で申請して下さい。
□成果専有(成果非公開;ビーム使用料有料)課題用申請書
この申請書は「成果非専有」用です。「成果非専有」研究とは利用結果を公開することにより、ビーム使用料が無料となる研究です。利用結果は実験終了後60日以内に所定の様式に従う利用報告書で公開していただきます。これをJASRIは利用報告書集として公表します。また、利用結果を含む科学技術論文が出版される場合は、JASRIにその別刷を提出していただきます。
SPring-8利用研究課題申請書(成果非専有用)記入要領(1999B)
(本要領の見出し番号は「申請書」の記載事項の番号と一致しています。)
はじめに
包括的な内容の申請は審査の対象となりません。半年ごとの共同利用実験のビームタイムの範囲内で実行できる具体的な内容の申請を行って下さい。
【1,2ページ目】蛋白質結晶構造解析申請課題とそれ以外の申請課題と共通項目
1.提案課題の種類:
「新規N」通常の申請
「継続C」以前採択された課題が何らかの理由により終了せず、継続して実験したい場合の申請(以前採択された課題番号を記入してください。)
「緊急U」緊急に実験が必要になった場合に申請する場合の申請
2.実験責任者:
実験の全体を把握し、かつ実験の実施全体に対してSPring-8の現場で責任をもつ人を記入して下さい。すでにSPring-8のユーザー登録をされているかたはユーザーカード番号も記入して下さい。なお、電子メールアドレスが記入されている申請者には、締め切り日から2週間以内に申請書の受理通知を電子メールで送ります。
3.実験課題名:
申請書には、実験方法や測定対象を明らかにした6カ月の共同利用期間で遂行できる具体的な実験課題名を、日本語および英語で記入して下さい。
包括的な課題名による申請は審査の対象となりません。なお、申請者の優先性の保護のため実験が終了するまで課題名を公表しません。(即ち、課題の採択時には、実験責任者の名前と所属、国名、ビームライン名、配分シフト数のみ公表し、課題が終了後に課題名を公表します。)
4.審査希望分野:
「Life Science」、……等の頭文字「L」、……等を選んで記入して下さい。選択肢に適当な分野がない場合は「O」(Others)を記入して下さい。
5.共同実験者:
実際にビームラインを使って実験を行う人に限定して、実験責任者を含まない1名以上を記入して下さい。ただし、10名以上になる場合は主要メンバー10名までを記入して下さい。
すでにSPring-8のユーザー登録をされているかたはユーザーカード番号も記入して下さい。
6.希望ビームライン:
希望するビームラインの名称を順位をつけて記入して下さい。また、その理由については12.で明らかにして下さい。
7.所要シフト数:
実験目的を達成するために必要なビームタイムをシフト数(1シフト=8時間)で記入して下さい。このときに、この課題は6カ月の間に共同利用として実施することを考慮してください。実験を分けて行いたいものは1回に必要なシフト数と何回行いたいか記入し、その合計も記入して下さい。また算出根拠を後の項目12.に記載してください。原則として、審査後申請者に利用時期についての問い合わせを致しませんので、ビームタイムの配分を受けても実験ができない時期がわかっている場合は、特記事項にはっきりご記入下さい。バンチ数の希望、その他ビームタイム配分に関して特別考慮が必要な事項がある場合も特記事項にご記入下さい。
8.安全性に関する記述、対策
(1)施設に持ち込む測定試料全ての名称、形態(形状)、量、性質(放射性、毒性、可燃性、伝染性、無害など)について記入し、取り扱いに注意を要する物質については利用法、保存法、利用後の処理法を記入して下さい。なお、SPring-8では持ち込み物品は全て持ち帰っていただくことになっています。
・「試料名」について:一般名、構造式等を記入し、略称や頭文字の表記はさけて下さい。CAS番号があるものでも自分で調整した試料には「自作」、自分で創製した試料で物性値が未知のものについては、「創製」と付記してください。
・「形態(形状)」の例:結晶、粉体、加圧成形体、小片、液体、薄膜
・「量」について:
体積、重さ、または、プレート、ドロップ、ボタン、キャピラリの大きさ、及び個数で表示
・「性質」の例:
発火性、引火性、可燃性、爆発性、酸化性、禁水性、強酸性、腐食性、有毒性、放射性、感染性、発ガン性(催奇性)、その他の有害性、無害等。
非密封RI試料、ウイルス試料は今回の募集対象外です。密封放射線源については定義量(3.7MBq)未満のものに限り実験ホールでの使用が認められています。動物の持ち込みがある場合は「動物持込み有」チェック欄にチェックしてください(課題が採択されましたら、「動物実験計画書」を提出していただきます)。
(2)測定試料以外で安全上取扱いに注意を要する物質の名称、形態、量、性質、使用目的と具体的な使用方法を記入し、安全対策を示して下さい。上記(1)参照。
(3)施設に持ち込む装置、器具の名称と、安全に配慮しなければならないものについては、その仕様と安全対策を記入して下さい。
(4)安全に配慮しなければならない実験を行う場合は、該当する内容にチェックを入れ、安全対策を記入して下さい。
9.必要とする施設の装置、器具
ビームラインハンドブックで確認した後、記入して下さい。最新情報はSPring-8のWWWホームページ(http://www.spring8.or.jp/JAPANESE/facility/bl/)にありますので、参照してください。
署名欄
自筆署名してください。(署名がない場合は受理されませんので、ご注意ください。)
【3,4ページ目】一般(蛋白質結晶構造解析以外)
10.提案の種類と提案理由
提案の種類にチェックを入れ、その種類によって以下の観点で提案理由を記入して下さい。
「新規提案」:
研究分野が多少異なる審査員が読んでもその提案の重要性が理解できるように、研究の意義、目的等それぞれの項目について具体的に記載して下さい。包括的な内容の申請は審査の対象となりません。期待される成果の中ではSPring-8の寄与する点を具体的に示して下さい。
「継続提案」:
継続を必要とする理由(例:ビームダンプがあり実施できなかった等)を記入して下さい。前回の申請で行われた実験の結果(成果)について具体的に記載し、問題点があった場合はその解決策を示したうえ、今回の提案で実施を計画している内容を具体的に示して下さい。試料の変更、実験方法に大きな変更を伴うものについては「新規提案」で申請して下さい。
「緊急提案」:
緊急に実験が必要になったときに提案して下さい。SPring-8のビームラインによる実験が不可欠であり、かつ、緊急性が必要な理由を具体的に示すとともに、その波及効果についても示して下さい。
11.本申請に関わるこれまでの研究成果、準備状況、これまでに採択された課題との関係、同種実験の経験
期待される成果を得るために、これまでに得た研究成果並びに装置、試料の準備状況等を具体的に示して下さい。これまでに採択された課題との関係や同種実験の経験についても記述して下さい。
12.実験の方法、レイアウト、ビームライン選定の理由、シフト数の算出根拠
(1)新しい測定法の場合には、図を用いて実験の特徴が明かになるようにして下さい。
(2)最適のビームラインを選ぶため、申請書作成にあたってはSPring-8のビームラインの整備状況をWWWホームページ(http://www.spring8.or.jp/JAPANESE/facility/bl/)で確認して下さい。
(3)ビームラインのどのような特性(例えば、エネルギー範囲、集光特性、測定器等)に着目して利用を希望するビームラインを選定したのかについて説明して下さい。
(4)要求するシフト数の算出根拠を記述して下さい。
[蛋白質3、蛋白質4ページ目]蛋白質結晶構造解析用
■10.提案の種類と提案理由 一般と同じ
■11.これまでに採択された課題との関係、同種実験の経験
これまでに採択された課題との関係や同種実験の経験について記述して下さい。
■12.ビームライン選定の理由、シフト数の算出根拠
ビームラインの選定の理由と要求するシフト数の算出根拠を記述してください。
■13.構造解析の対象についての情報
SPring-8での実験について、審査に必要な項目があげてありますので、できるだけ漏れなく記入してください。なお、書ききれない場合は用紙を追加してください。
申請書の提出:
申請書の提出はA4版4頁の元本1部、並びに、元本の1、2頁を表面に、また3、4頁を裏面としてA4版1枚に左綴じで読めるように縮小両面コピーした副本15部を下記に郵送して下さい。
蛋白質結晶構造解析用の様式で5頁になる場合は5頁目を同様に縮小コピーし副本の2枚目として添付して下さい。
[提出先]
〒679-5198 兵庫県佐用郡三日月町三原323-3
(財)高輝度光科学研究センター
利用業務部
「共用ビームライン利用研究課題募集係」
[提出期限]
平成11年6月19日(土) 当日消印有効
利用研究課題申請書(成果非専有用)