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Volume 04, No.1 Pages 5 - 6

2. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8

SPring-8サイトの建屋の整備について
Construction Plan at SPring-8 Site

青木  正 AOKI Tadashi

日本原子力研究所 関西研究所 放射光利用研究部 Dept. of Synchrotron Radiation Facilities, JAERI Kansai Research Establishment

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 去年の11月18日の深夜から未明にかけて、SPring-8サイトは、獅子座流星群を観ようと、大勢の人が訪れた。空気が澄んでいるこの地域でも、この敷地はとりわけ夜空が見やすい。供用が開始されて1年以上経った現在、141ヘクタールという広大な敷地には、光量を落とした建物が点在するだけで、新たに建屋を設置する余地は十分にある。

 この敷地を有効に使用するために建屋の整備が進められている。その中にはSPring-8利用者のための厚生施設、原研、理研が独自研究を行うための施設も含まれる。完成後はそれぞれの建屋が有機的に結びつき、SPring-8の利用の推進に役立つであろう。現在建設が行われている建屋と設計が開始された建屋の内容と建設場所は次のとおりである。

新規に整備する主な建屋について

名 称 構造・床面積 用       途 竣工予定
研究交流付属施設
(体育館)
平屋建
約1,400㎡
バスケットボール、バレーボール等ができる体育館。 11年3月
生物系特殊実験施設 2階建
約950㎡
理研で行う構造生物学研究を推進するため、蛋白質材料の供給のための大量培養と電子顕微鏡解析を行う。 11年3月
危険物倉庫 平屋建
約120㎡
ビームライン利用の際に必要な薬品等を置く 11年3月
研究利用推進施設
(普及棟)
平屋建
約1,400㎡
見学者のSPring-8についての理解を深めるため、SPring-8の建設写真、模型、原理図等を陳列するとともに、放射光に関するセミナーを行う場を提供する。 12年3月
研究利用推進施設
(基盤機器保管棟)
平屋建
約800㎡
SPring-8の運転及び放射光利用実験に必要な機器、工具、衣類等を良好な状態で保管、整理する。 12年3月
利用実験施設 3階建
約2,400㎡
SPring-8利用者の共用ビームラインを使用した研究を推進するため、試料の作成、実験機器の調整、データの解析等を行う。 12年3月
実験動物維持施設 2階建
約630㎡
医療分野での放射光利用研究を推進するため、実験動物を一時的に飼育する。 12年3月
長尺ビームライン
実験施設
2階建
約970㎡
理研で行う物理科学研究を推進するため、1㎞化された理研ビームラインの先端に実験ハッチを取り付ける。 12年3月
放射光物性研究棟 4階建
約4,500㎡
原研独自の研究を推進するため、試料の作成、実験機器の調整、データの解析等を行う。 12年5月
物理科学研究棟 4階建
約4,400㎡
理研独自研究のうち、主に物理科学の研究を推進するため、試料の作成 、実験機器の調整、データの解析等を行う。 12年5月


青木 正 AOKI Tadashi
昭和31年5月5日生
日本原子力研究所 関西研究所 放射光利用研究部
〒679-5143
兵庫県佐用郡三日月町三原323-3
TEL:07915-8-0308
FAX:07915-8-0360
略歴:昭和54年3月早稲田大学理工学部電気工学科卒業。同年日本原子力研究所入所。昭和57年4月より同研究所研究員。日本原子力学会会員、日本放射光学会会員。
最近の研究:大型放射光施設における予算獲得の研究
趣味:執筆(但し、業務用の文書の作成を除く)


Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794