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Volume 03, No.1 Page 1

1. ハイライト/HIGHLIGHT

新年ご挨拶
New Year’s Greeting

小林 庄一郎 KOBAYASHI Shoichiro

(財)高輝度光科学研究センター 会長 JASRI, President

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 あけましておめでとうございます。

 昨年を振り返りますと、鋭意建設が進められていたSPring-8は、3月にファーストビームを発生し、その後の試験調整運転を経て利用者の皆様にご利用いただけるようになり、10月には700名に近いご来賓をお迎えして供用開始式典を挙行することができました。そして、すでに10本のビームラインでは、300人以上のユーザーの皆様に様々な利用研究課題に取り組んでいただいております。

 ご高承のとおり当財団は、SPring-8の管理・運営を行い利用者の皆様への共用の促進と研究の支援を行うこと、および、施設の高度化と利用に関する研究を行うことを主たる目的として平成2年に設立され、今日までの間、施設の供用開始に備え200名近い研究者および職員を配するなど、体制の整備や業務運営方法の確立につとめて参りましたが、昨年10月から日本原子力研究所、理化学研究所よりSPring-8の運営業務を全面受託し、本格的に事業運営を進めております。この世界に誇れるSPring-8プロジェクトを計画・推進してこられました科学技術庁、広大な土地を提供されるとともに、深いご理解とご支援をいただきました兵庫県・地元関係者、直接建設に当たられました日本原子力研究所、理化学研究所、多くの企業、さらに、計画段階から常に叱咤激励をいただきましたSPring-8利用者懇談会を中心とするユーザーの皆様に、心から感謝いたします。

 さて本年は、放射光利用研究がいよいよ本格化する年であります。当財団といたしましては、着実に利用研究課題の募集選定等の供用業務を行いながら、SPring-8を利用しやすくかつ世界に開かれた施設とするため、産業用ビームラインや兵庫県のニュースバルなどの新しい施設の建設を進め、原研や理研とは勿論のこと、産・官・学の連携を深めるとともに、組織・体制の充実や業務の拡充、革新的な研究開発の推進などを一層積極的に進めて参りたいと存じております。そして、SPring-8が世界における放射光科学の中核的研究拠点の一つとして、先端科学技術研究を先導し社会の発展に貢献できますよう心から願っているところでございます。本年はその基礎固めの年、何事も最初が肝要と心得まして、あらゆる面で立派な伝統を築くべく役職員一同奮励努力したいと念じておりますので、皆様におかれましても、従来に増してご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。



Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794