Volume 02, No.6 Pages 25 - 31
4. 専用ビームライン/CONTRACT BEAMLINE
無機材研ビームライン(BL15IN)について
The Contract Beamline (BL15IN) of NIRIM
科学技術庁無機材質研究所 超微細構造解析ステーション Advanced Beam-analysis Station National Institute for Research in Inorganic Materials, Science and Technology Agency
平成9年10月よりSPring-8が本格的な稼働に入った現在、一部の共用ラインはすでに調整から利用実験の段階に入っている。これと並行して何本かの専用ビームライン計画も進められており、無機材質研究所も独自の構想に基づいたビームライン計画を推進している。本稿では、この無機材質研究所専用ビームライン計画の全容についてその利用研究計画の一部を含めて紹介する。
1.無機材研専用ビームライン計画の位置づけ
平成8年3月末の航空・電子等技術審議会に対する大臣諮問「放射光施設の利用による先端的な物質・材料系研究開発に関する総合的な推進方策について」(諮問第23号)の答申の中で、国立試験研究機関が高度物質・材料研究の拠点としての役割を果たすために放射光施設に専用ビームラインを持つことの必要性が強調された。これを一つの指針として、科学技術庁は放射光利用による効果的な高度物質材料研究開発を推進している。その施策の一つとして、SPring-8における無機材質研究所専用ビームライン建設は位置づけられる。
これにより整備されたビームラインを物質材料研究分野全体の発展の先導拠点の一つとし、産官学を問わない専門家集団を組織するための中核の一つを形成しようとする事が施策のねらいの重要な点である。また、先端物質材料研究に十分時間をかけて放射光を利用できるだけでなく、必ずしも先端的ではないかもしれないが大変長時間の占有時間を必要とする学術的あるいは産業的に重要な課題(例えば高精密物性値測定とそのデータベース作成など)の実行も可能となる。したがって、共用ラインでは実行の難しい部分を担当し、互い相補的な役割を果たすことができる。
しかし、ただ国立試験研究機関の専用施設であれば良いというのではなく、他の共用ラインや他機関の設置する専用ラインでは出来ない事のできるビームラインでなければならないことがもっとも重要である。したがって無機材質研究所では、専用ビームラインのコンセプトの出発点を、当所の3つの重点分野である「超高圧力」「超高温」および「超微細構造解析」に対応した「極端条件下での総合的な物質解析を1本のビームラインで可能にする」点に置いている。さらに、軟X線領域のもっともエネルギーの高い部分(数keV以下、サブkeV以上)で他のビームラインの追随を許さないもっとも強力な光が利用できることも、そのユニークな点である。
建設計画は、平成8年末に利用研究計画も含めたプロジェクトとしての項目設置と平成9年度の関連予算若干が大蔵省の認める処となった。また、専用設備設置計画書も平成9年2月末にはSPring-8より承認され、建設場所もBL-15INと決定された。
平成9年度には、ビームライン本体部(ビームライン全体から挿入光源、実験系の半分と補助分光系を除いたもの)に関する平成10年度からの建設予算獲得に向けた作業を進めている。またこれに伴い、7月には建設計画と利用研究計画を含めたプロジェクト全体に関する外部からの事前評価を受け、その実施の重要性のみならず可能な限り前倒しで計画を進めるべきであるとの評価を得ている。
2.ビームラインのコンセプト
図1に、全体の概要を示す。無機材質研究所専用ビームラインは、正式には「広エネルギー帯域先端材料解析ビームライン」という名称が付けられており、通称WEBRAM(Wide Energy range Beamline for Research in Advanced Materials)と呼んでいる。その特徴は、軟X線領域から硬X線領域まで幅広いエネルギーを利用できる「広エネルギー帯域」仕様にあるが、これは次のような発想による。
図1 WEBRAMの概要
材料の機能の基となる物性は、大変大づかみな表現をすると、基本的に原子の並び方(骨格構造)とそれぞれの原子が持つ電子状態が一緒になって決まる電子構造が支配していると考えられる。したがって、構造解析と電子構造解析それぞれに必要なエネルギー領域の光が利用できなければならない。
骨格構造の解析としては、例えば様々な回折X線の測定を高精度に行う事が重要であり、その為には比較的短波長の高輝度単色X線(例えば10〜20 keVの領域)が必要である。散乱X線を用いる電子密度分布やその他の精緻な解析には、さらに高いエネルギー領域での高輝度単色X線が必要となる。一方価電子帯の解析には、多くの場合、効率よく直接励起の可能な軟X線領域の光が必要となる。特に種々の光電子分光法を応用するときなどは、軟X線領域で高輝度の単色光が必要となる。さらに、内殻励起に関連する諸現象の応用が電子構造の精密解析に大変有用なことは言うまでもなく、幅広い物質に対して応用するためには比較的低エネルギーから硬X線領域にわたって出来るだけ輝度の高い単色X線が必要となる。
この事をふまえ、アンジュレータ2台に相当する挿入光源を用いる事を想定した検討から、下限は酸素のK吸収端前後を直接励起出来るように500 eV、高エネルギー側は高機能無機材質の研究上重要な希土類のK吸収端まで直接励起できる事を考慮して60 keVまでは十分な強度が確保できる事とした。また、必要なエネルギーを持つ高輝度光が得られる事を第一とし、偏光条件その他を光源仕様に盛り込むことはしないこととした。
利用するアンジュレータの水平方向の発散が十分小さい事から、輸送系におけるミラー系はなるべく用いないこととした。すなわち、ある単色光一つを取り出すときに用いられている機器を最小限の構成に抑えるようにし、なるべく単純な全体構成とすることを基本方針とした。
「広く」「明るく」「単純に」というのが、このビームラインの基本方針である。
3.ビームラインの計画概要
3.1 アンジュレータ
次のいずれかのリボルバー型アンジュレータを設置する。
a.in-vacuumタイプリボルバー型アンジュレータ(4.5 m長)
リニアアンジュレータ(λu=8 cm)とヘリカルアンジュレータ(λu=3.2 cm)の組み合わせとなり、カバーできるエネルギー範囲は500 eV〜60 keVとなる。このうち、ヘリカルアンジュレータで500 eV〜5 keVをカバーし、リニアアンジュレータの5次光までを用いることで5 keV〜60 keVをカバーすることになる。光源スペクトル(SPring-8北村英男光源系総主幹作製のソフトによる)を図2に示す。
図2 in-vacuumリボルバー型アンジュレータのエネルギーに対する輝度分布(計算は理研・北村氏作製ソフトによる)
b.out-of-vacuumタイプリボルバー型アンジュレータ(4.5 m長)
リニアアンジュレータ(λu=5.2 cm)とヘリカルアンジュレータ(λu=9.2 cm)の組み合わせとなる。この場合は、現在の処ギャップ下限が30 mmと見込まれるため、カバーできるエネルギー範囲は850 eV〜60 keVとなる。このうち、ヘリカルアンジュレータで850 eV〜5 keVをカバーし、リニアアンジュレータで5次光までを用い5 keV〜60 keVをカバーする。
ただしこのままでは、10〜14 keVの領域のX線も発生出来なくなる。しかし、25 mmまで近づけることの出来る可能性は十分であり、その場合はエネルギー領域を連続と出来るとともに、ヘリカルアンジュレータの発生エネルギー下限を500 eV付近まで下げることが出来る。
計画では可能な限りin-vacuumタイプを導入するが、R&Dが建設に間に合わない等の場合はout-of-vacuumタイプのリボルバー型アンジュレータを用いる。この場合、将来ギャップ下限を小さくするための改造を行う事となる。
in-vacuumタイプかout-of-vacuumタイプかの選択は、平成9年度中(遅くとも平成10年度の中頃)には決定したいと考えている。
3.2 フロントエンド
フロントエンドは、ヘリカルアンジュレータ用の標準仕様を基本とする。Be窓は用いない。輸送系に作動排気系の利用を考えているため、ADLの増設など、蓄積リングへの影響を極力さける検討を進めている。また、ヘリカルアンジュレータ光とリニアアンジュレータ光両用のビームポジションモニタに関しては、R&Dを必要としている。
3.3 初段分光系
図3に、輸送系の計画概要を示す。
図3 WEBRAMのビームライン輸送系概要
光源光の水平方向の発散が十分小さいことから、初段分光系の熱負荷対策が必要でない限り前置ミラーは設置しない。
初段分光系は、三連分光系である。1〜2 keVはYB66(400)を用いる水冷タイプ、2〜60 keVはSi(111)/Si(553)切り替え回転傾斜型1台でのカバーとなる。Si(111)は38 keV以下で、Si(553)はそれ以上の領域と9 keV以上でより単色度を高くしたい場合に用いられる。また、1 keV以下は実験ステーション間に設置する退避可能な不等間隔平面回折格子によるが、このためのオフセット調整用多層膜ミラー系が三番目の分光系として設置される。
YB66(400)の熱解析は現在進行中である。現時点での結果では、現実に即したビーム条件と間接冷却ではかなりの温度上昇は避けられず、常温の7、8割近く分解能が悪化する。が、実用上十分な分解能は確保できる見通しである。
後置ミラーは退避可能なものとし、設置するスペースを確保するが、今回の建設では設置は行わない可能性もある。
3.4 実験ステーション
図4に、実験ステーションの計画概要を示す。
ステーションは、タンデムに並べた2つのハッチにより構成される。上流のハッチでは、1 keV以上のエネルギー領域の実験を行う。移動式定盤を設置し、実験系の恒久的な据え付けは行わない。主に、精密X線回折測定等を予定している。下流のハッチは、総ての領域での実験を行う。このハッチでは3系統の実験系をタンデムに配置する。もっとも上流に光電子顕微鏡実験系を、もっとも下流に原子・分子ビームに対する実験系を恒久的に設置する。その中間に、移動式定盤により色々な実験系を設置出来るようにする。
図4 WEBRAMの実験ハッチ概要
エネルギー範囲の他の試料位置での光の主な仕様としては、利用エネルギー範囲全体でエネルギー分解能はΔE/E=10-4程度、光のビームサイズは10 µmφ(スリット使用)以上である。したがって、発散角自体は特に問題にしていない。また光子数は、ヘリカルアンジュレータ使用時で1012〜1013 photons/sec、リニアアンジュレータ使用時で〜1014 photons/secを見込んでいる。
4.予定されている利用研究
平成9年度の大蔵原案に記載されている2件の計画について、以下にその概要を説明する。この他に、超高圧力下ディフラクトスペクトロメトリー、あるいは標準光電子分光など長期的ないくつかのテーマが計画されている。さらに、無機材質研究所でなされる先端材料研究との連携研究(超高圧力下材料解析、高精度X線回折など)や、所外との共同研究(原子・分子サブグループとの連携など)も随時進められる予定である。
a.高空間分解能光電子顕微鏡
今までの放射光を用いた光電子分光法による二次元的な化学状態解析や元素種の同定は、そのほとんどがマイクロビームを応用した走査型であることからせいぜいサブµm程度の空間分解能でなされている。したがって、最先端LSIデバイスの超薄膜や結晶粒界や超微粒子など原子集団サイズの対象に対する実用的な解析法には依然として力不足である。これに対し、収差係数の小さい対物レンズと視野範囲の広いエネルギー分析器(分解能0.3 eV程度)を併せ持つ投影型光電子分光用電子光学系と高輝度な放射光光源と結合することにより、10 nmオーダーを越える空間分解能を有する光電子顕微鏡の実現が、本研究の目的である。概念図を、図5に示す。
図5 高空間分解能光電子顕微鏡の概念図
本装置を完成する事で、試料表面の極微小領域に対し、そこに存在する各元素ごとに密度(存在量)と化学状態の情報を高エネルギー分解能で得ることができるようになる。ただし、高分解能のエネルギー分析を行いつつ特に高いエネルギー領域で実用的な画像計測を行うには、第三世代光源の高輝度光が必要不可欠である。例えば、第三世代光源を用いて試料面上で1013 phtons/sec/mm2の光束密度を実現した場合でさえ、炭素の1 sピークを抽出して10 nmの空間分解能でイメージングを行った場合、測定に50分程度かかってしまう。従って、空間分解能のさらなる向上と時間分解測定を目指すとき、第三世代光源にキャピラリーなどのX線集光系を組み合わせ、最終的には試料面上で1015 phtons/sec/mm2を越える光束密度を実現する必要がある。
10 nmを越える空間分解能を実現するにあたり、対物レンズを含めた電子光学系の収差を決定する要因の一つが回折収差である。この回折収差を低減するには、着目する準位の光電子に高い運動エネルギーを与えることが望ましい。この目的のために、対象としている準位の光電子に最大10 keV程度の運動エネルギーを与えてやる事が必要であり、励起光として高輝度の10 keV以上の単色光の得られる本ビームラインの光源は必要不可欠である。
光電子の運動エネルギーを高くも低くもチューニングできることで、表面近傍の三次元解析を行うことにも途を拓く。もちろん、試料表面の結晶構造を利用した光電子回折や光電子ホログラフィーへの応用も計画している。そのためには500 eVから10 keV の領域で、任意のエネルギーに単色化された強力なX線が必要となる。エネルギー領域が10 keVよりも低いのは、空間分解能の点では前述したようにX線のエネルギーが高い方が有利であるが、この場合光電子の取り込み角が減少し光電子回折ピークを検出する点で不利になるからである。
従って空間分解能を主に追求する場合には10 keV以上のX線が必要であり、エネルギー分解能および結晶構造解析を主に追究する場合には10 keV以下のX線が必要であり、このように適宜使い分ける必要がある。そのためには、500 eVから20 keV程度の広い範囲での単色化された高輝度の単色化X線が必要であり、そのためにヘリカルアンジュレータとリニアアンジュレータを組み合わせた広いエネルギー範囲をカバーできる挿入光源が必要不可欠である。しかも、高空間分解能で実用的な画像を得るためには、励起光の輝度が鍵を握っている。したがって、より高輝度であることはどうしても必要であり、invacuumタイプリボルバーは理想的な光源である。
これにより、当面は強誘電体などの薄膜成長過程の観察、および課題b.への応用を主に行う。
b.X線照射による材料改質の解析
種々の材料に対して、粒子線や電磁波を照射して改質を生ぜしめ、必要な特性を発現させるという研究はよく行われる。しかし、X線を利用した固体材料特性の改質例はほとんど見あたらない。この課題では、放射光を物質解析用プローブとしてばかりでなく改質用照射ビームとしても用い、X線が生ぜしめる改質の解析を行う事が研究の目的である。
この場合、改質に用いるX線は低エネルギーから高エネルギーまで様々な領域で可能性があり、可能な限り広いエネルギー範囲で任意の波長を十分な輝度で取り出せることが、現象の解析及び条件の最適化に必須である。第二世代光源では低エネルギー領域でしか照射実験ができず、しかも単色化すると輝度が落ちてしまい、場合によっては封入管からの特性X線よりも強度が弱くなることすらある。したがって、より広い領域で高輝度単色光が得られる第三世代光源の利用が必須である。
さらに、現象の解析においても軽元素から希土類などの重元素までを対象に高感度高精密な測定を行わねばならない。この場合、通常の光電子や特性X線の測定だけではなく、角度分解測定、二次元あるいは三次元画像計測など多面的な総合解析を行う必要がある。したがって、基本的にプローブとして用いる光は必要な広いエネルギー領域すべてできる限り高輝度でなければならず、この面でも第三世代光源の利用が必須である。
当面は、高温超伝導薄膜を対象とする。希土類を含む高温超伝導薄膜の一部は、減圧下における長時間のX線照射(封入管による)とそれに引き続く酸素アニールにより、単なる酸素アニールに比べて輸送電流密度を数倍以上改善出来るという観測事実がある。しかし条件の最適化もなされてはおらず、またその時に生じるはずである試料の構造変化あるいは電子状態の変化に関する解析はまったくなされていない。
図6 高エネルギーX線照射による薄膜改質の超精密解析に関する研究の概要
この研究を進めるために、改質用として数keVから60 keV程度までの領域の高輝度単色化X線が、生ずるであろう構造変化の解析に10〜20 keVの高精度単色化X線が、価電子帯の解析と光電子顕微鏡による解析の為に0.5〜10 keVの単色化X線が必要である。様々な試料の異方性の検討のために、高分解能角度分解光電子分光も行う。さらに、内殻準位励起による特性X線も電子状態の変化に対応した変化を示すため、試料に含まれている希土類を含むすべての内殻準位励起が可能なエネルギーを持つ励起ビームが必要である。この場合には、特に重元素となると多電子系の励起を取り扱う事から特性X線へ多体効果の影響が強くあらわれ、本来必要とするスペクトル変化を隠してしまう可能性が存在する。そのため、threshold excitationが可能であることが重要となる。したがって、高輝度高エネルギーの単色化X線も必要である。これらの測定を、改質ビームの照射(あるいはアニール)を行ったその場で行う。
この様に、第三世代光源の広エネルギー帯域性能をフルに生かさねば遂行困難な課題である。特に、励起光の輝度が必要なエネルギー領域すべてにわたって可能な限り高い事が重要であり、in-vacuumタイプリボルバー型アンジュレータは理想的な光源である。
5.終わりに
計画の概要で示したとおり、本ビームラインは 0.5〜5 keVを連続的にカバーできるSPring-8で唯一と言って良いビームラインである。特に1 keV以上では、分光系も回折格子ではなく結晶分光系であるために、従来よりも格段に明るい光が利用できる。
本ビームラインは無機材質研究所が建設する専用ビームラインであるが、完成した暁には本ビームラインの光のスペックに適した課題を持つ研究者(産・官・学を問わない)にも可能な限り門戸を開く方針である。その為に、無機材質研究所内での対応する体制の検討(研究推進委員会の設置)を進めている。
吉川 英樹 YOSHIKAWA Hideki
昭和39年2月8日生
科学技術庁無機材質研究所超微細構造解析ステーション
TEL/FAX:0298-51-6280
e-mail:yoshi@nirim.go.jp
略歴:昭和62年大阪大学工学部卒業、平成4年同大学院工学研究科博士課程修了、日本学術振興会特別研究員を経て平成5年日本電気㈱基礎研究所研究員、平成7年12月より無機材質研究所勤務。工学博士。応用物理学会、日本放射光学会、表面分析研究会、会員。最近の研究:内殻励起光電子分光の定量解析。今後の抱負:放射光励起光電子を用いた顕微技術の開発及び表面物性研究。趣味:節操のない読書、旅行、四方山話の討論。
福島 整 FUKUSHIMA Sei
昭和32年3月24日生
科学技術庁無機材質研究所超微細構造解析ステーション
TEL/FAX:0298-51-6280
e-mail:himajn@nirim.go.jp
http://www.nirim.go.jp/spring8/
略歴:昭和56年東大工学部卒業、昭和61年同大学院工学系研究科博士課程修了、同年4月東大助手、平成2年6月富士ゼロックス㈱総合研究所を経て平成6年12月より現職。工学博士。応用物理学会、日本放射光学会、日本分光学会、表面分析研究会等会員。最近の研究:書類戦争の効率化、放射光の材料研究への応用、分光データの数値処理。今後の抱負:無機材研ビームラインを若手研究者の拠点としたい。趣味:鉄道(昭和62年国鉄全線乗破)、旅行、お菓子作り、ミジンコの鑑賞