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Volume 01, No.4 Pages 1 - 18

1. ハイライト/HIGHLIGHT

SPring-8共用ビームライン利用研究課題の募集について
Call for the beam time application at the public beamline of SPring-8

(財)高輝度光科学研究センター Japan Synchrotron Radiation Reseach Institute (JASRI)

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 財団法人高輝度光科学研究センター(以下「JASRI」)では、平成9年10月から共用を開始するSPring-8の共用ビームラインについて、利用研究課題の募集を行います。

 今回の募集は、平成9年10月からの試行期間における利用研究です。この期間はビームラインの性能評価試験が並行して実施されますので、それに関連した利用研究課題を優先的に受け入れることになります。なお、性能評価試験の状況によっては、利用時間や利用可能な装置に制限を受けることもあります。

 

 

1. 募集の締め切り

  平成9年1月10日(当日消印有効)

 

2. 募集の対象となる共用ビームライン

 以下の共用ビームラインについて、利用研究課題の募集を行います。

(1) BL41XU 生体高分子結晶構造解析
(2) BL25SU 軟X線固体分光
(3) BL08W 高エネルギー非弾性散乱
(4) BL09XU 核共鳴散乱
(5) BL10XU 高圧構造物性
(6) BL39XU 生体分析
(7) BL27SU 軟X線光化学
(8) BL02B1 結晶構造解析
(9) BL04B1 高温構造物性
(10) BL01B1 XAFS

 ビームラインの技術資料を添付しましたので参照して下さい。この資料を小冊子にした「SPring-8ビームラインハンドブック」(日本語)は下記7の利用業務部に用意してあります。入手希望のかたはご請求下さい。また、SPring-8利用者情報Vol.1のNo.1、No.2、No.3及びNo.4の各「共用ビームライン(No.1では共同利用ビームライン)」の項目や、WWWホームページ(http://www.spring8.or.jp/)にも、これらのビームラインの概要を掲載していますので、参考にして下さい。

 

3. 利用研究課題の選定

 提出された「SPring-8利用研究課題申請書」は、「共用施設の利用研究課題選定に関する基本的考え方」(SPring-8利用者情報、No.1、p.22参照)に示す選定の基準に基づき、「利用研究課題選定委員会」において利用研究分野ごとに審査します。審査結果は、平成9年4月にお知らせする予定です。

 

4. 利用成果の取扱い及び利用料金

 試行期間における利用研究で得られた実験結果は、ビームラインの調整・改良に活用するため、必ずJASRIに提出していただくこととしており、ビーム使用料は免除となる予定です。

 

5. SPring-8利用研究課題申請書及び記入要領

 SPring-8利用研究課題申請書及び記入要領を添付しました。申請書はコピーして使用できます。記入要領に従い申請書を作成して下さい。

 なお、これらの申請書及び記入要領とSPring-8利用に関わる諸手続き等についての情報をまとめた小冊子「SPring-8ユーザーズガイド」(日本語)が用意されています。入手希望のかたは下記7の利用業務部にご請求下さい。

 

6. 申請書の提出

 上記5で作成された申請書A4版4頁の元本1部、元本の1、2頁を表面に、また3、4ページを裏面としてA4版1枚に縮小両面コピーした副本10部を下記7の提出先に郵送して下さい。

 

7. 申請書提出・問い合わせ・資料請求先

〒678-12 兵庫県赤穂郡上郡町金出地1503-1

(財)高輝度光科学研究センター 利用業務部

「共用ビームライン利用研究課題募集」係

牧田知子または福塚淑郎

Tel.07915-8-0961/Fax.07915-8-0965

e-mail: sp8jasri@spring8.or.jp

 

8. その他

 次回の募集は、決まり次第、別途お知らせいたします。

 

 

SPring-8 利用研究課題申請書

     

 

 

 

SPring-8利用研究課題申請書記入要領(試行期間用)

(本要領の見出し番号は「申請書」の記載事項の番号と一致しています。)

 

0. 「成果非専有」又は「成果専有」

(1) 成果非専有研究とは利用結果を公開することにより、ビーム使用料が免除となる予定の研究です。利用結果は、JASRIが毎年発行するAnnual Reportに所定の様式に従う利用報告書として掲載し公表します。また、利用結果を含む科学技術論文が出版される場合は、JASRIにその別刷を提出していただきます。
(2) 成果専有研究とは利用者が実験結果を専有する研究であり、その対価としてビーム使用料を支払うものです。ただし、この場合であっても、JASRIが毎年発行するAnnual Reportに、実験課題名、実験責任者名等、実験内容を除くビームラインの利用に関する記録を掲載し、公表することになります。
(3) 成果非専有、成果専有いずれの場合も、ビームタイム利用報告書をJASRIに提出して頂きます。
(4) 今回の利用研究課題の申請は、ビームラインの調整試験と共存する試行期間中の利用実験であることから、募集の対象は全て成果非専有研究(成果公表研究)とします。

1. 「新規」、「緊急」、「継続」の別については12.を参照して下さい。今回の募集の対象は全て「新規」です。

 

2. 実験責任者:

 実験の全体を把握し、かつ実験の実施全体に対してSPring-8の現場で責任をもつ人の氏名を記入して下さい。

 

3. 実験課題名:

 実験方法や測定対象を明らかにする具体的な実験課題名を記入して下さい。

 

4. 審査希望分野:

 「Life Science」、・・・・・・等の頭文字を記入して下さい。

 

5. 共同実験者:

 実際にビームラインを使って実験を行う人に限定して下さい。

 

6. 希望ビームライン:

 希望するビームラインの名称を順位をつけて記入して下さい。また、その理由については13.で明らかにして下さい。

 

7. 所要シフト数:

 実験目的を達成するために必要なビームタイムをシフト数(1シフト=8時間)で記入して下さい。

 

8. 実験希望時期:

 ビームタイムの割当てのために必要です。このため、希望時期には範囲を持たせて下さい。ただし、希望にそえない可能性もあります。なお、利用時期については、課題審査後調整させていただきます。

 

9. 安全性に関する記述、対策

(1) 施設に持ち込む全ての物質の名称、形状、量、安全性について記入し、取り扱いに注意を要する物質については利用法、保存法、利用後の処理法を記入して下さい。SPring-8では持ち込み物品は全て持ち帰っていただくことになっています。なお、RI試料は今回の募集対象外です。
(2) 安全に配慮しなければならない実験を行う場合は、その内容、安全対策等を記入して下さい。

 

10. 本申請に関わるこれまでの研究成果等

 期待される成果を得るために、これまでに得た研究成果並びに装置、試料の準備状況等を具体的に示して下さい。

 

12.「新規提案」:

 研究分野が多少異なる評定者が読んでもその提案の重要性が理解できるように、研究の意義、目的等それぞれの項目について具体的に記載して下さい。期待される成果の中ではSPring-8の寄与する点を具体的に示して下さい。

 「継続提案」:今回は募集の対象外です。

 前回の申請で行われた実験の結果(成果)について具体的に記載して下さい。また、問題点があった場合はその解決策を示したうえ、今回の提案で実施を計画している内容を具体的に示して下さい。

 「緊急提案」:今回は募集の対象外です。

 SPring-8のビームラインによる実験が不可欠であり、かつ、緊急に実施することが必要な理由を具体的に示すとともに、その波及効果についても示して下さい。

 

13. 実験の方法、レイアウト、ビームライン選定の理由

(1) 新しい測定法の場合には、図を用いて実験の特徴が明かになるようにして下さい。
(2) 最適のビームラインを選ぶため、申請書作成にあたってはSPring-8ビームラインハンドブックを参照して下さい。
(3) ビームラインのどのような特性(例えば、エネルギー範囲、集光特性、測定器等)に着目して利用を希望するビームラインを選定したのかについて説明して下さい。

 

注1)ワープロで記入される場合の目安を以下に示します。

Macintoshの場合はフォント細明朝、サイズ12ポイント、行間隔17ポイント、上マージン24 mm、左マージン35 mmに設定して下さい。また、Windows一太郎の場合は、字送り2.2 mm、行送り6.0 mm、行数41行、上マージン25 mmに設定していただきますと、以下の通りに記入できます。
1ページ 1. 提案課題の種類 5行目
2. 実験責任者 8行目
3. 実験課題名 12行目
4. 審査希望分野 16行目
5 共同実験者 20行目
6. 希望ビームライン 35行目
7. 所要シフト数 38行目
8. 実験希望時期 41行目
2ページ 9. 安全性に関する・・・ 4行目
10. 本申請に関する・・・ 13行目
11-1. 施設にある装置 24行目
11-2. 持ち込む装置 27行目

 

注2)申請書の提出:

申請書の提出はA4版4頁の元本1部、並びに、元本の1、2頁を表面に、また3、4頁を裏面としてA4版1枚に縮小両面コピーしたもの10部を下記に郵送して下さい。

 

〒678-12 兵庫県赤穂郡上郡町金出地1503-1

(財)高輝度光科学研究センター 利用業務部

「共用ビームライン利用研究課題募集」係

 

注3)提出期限:平成9年1月10日(金)

 

 

 

 

ビームライン技術資料

 

BL01B1 XAFSビームライン

A.ビームラインの概要

 本ビームラインでは、3.5~90 keVのエネルギー領域で、XAFS測定を行うことができる。

 ビームライン光学系は、前置コリメーター鏡、可変傾斜配置二結晶分光器及び後置集光鏡からなるSPring-8標準偏向電磁石ビームライン光学系である。両ミラーにはロジウムがコートされている。試料位置での光量は、1010~1012 phs/secと見込まれている。エネルギー領域3.5~20 keVでは、エネルギー分解能を高める(~10-4)ため、前置鏡により放射光を平行光化した後、二結晶分光器で分光する。分光された光は、二結晶分光器の湾曲第二結晶と後置鏡により、試料位置でサブmm(H)×サブmm(V)に集光される。両ミラーの反射により、高調波成分は混入比率が10-5以下にカットされる。20 keV以上のエネルギー領域では、両ミラーを光軸から外す。その際、高調波成分のカットは、二結晶分光器のデチューニングにより行い、湾曲第二結晶を用いて水平方向の集光のみ行う。可変傾斜配置により二結晶分光器の結晶交換をせずに高エネルギー領域までの測定が可能である。

 実験ステーションでは、イオンチェンバーを用いた透過法によるXAFS測定が可能である。試料温度は、クライオスタット及び電気炉により、6~1700 Kの範囲で設定できる。簡易励起スペクトル測定用にLytleタイプ検出器が用意されている。

 

B.光源

偏向電磁石 BL01B1

臨界エネルギー:28.9 keV

光源サイズ(@2%カップリング):σx=0.182 mm、σy=0.058 mm σy'=0.065 mrad(@10 keV)

水平方向取り込み角:1.5 mrad

 

C.ステーション内の測定装置

(a) 計測系

1) ガスフロー型イオンチェンバー(計画中)
ガスの種類:ヘリウム、窒素、アルゴン、クリプトン及びその混合ガス
サイズ:17 cm長1台、31 cm長2台、62 cm長2台
耐電圧:2000 V
イオンチェンバー用ガス供給システム付属
2) ガス密閉型イオンチェンバー(計画中)
ガスの種類:キセノン(2気圧)
サイズ:31 cm長1台、62 cm長1台
耐電圧:2000 V
3) 励起スペクトル測定装置(計画中)
Lytleタイプ検出器
ゲルマニウム単結晶(200):曲率半径550 mm
グラファイト:曲率半径510 mm
4) 計測器(計画中)
NIM Bin電源、計数装置
イオンチェンバー用高圧電源、電流アンプ、VFコンバーター
2chシンクロスコープ
2chフィルター

(b) 試料環境調整系

1) 水冷小型電気炉(計画中)
最高使用温度:900℃
温度安定度:±0.1℃/3 hr
X線透過窓及び蛍光測定用窓付
2) 電気マッフル炉(計画中)
最高使用温度:1700℃
温度安定度:±1℃/10 hr
昇温速度:10℃/min
X線透過窓付
プログラムコントローラ:2パターン8セグメント
3) 温度コントローラ付クライオスタット
制御温度領域:6~300 K
温度安定度:±0.1 K以下
冷却能力:8 W(セカンドステージ@20 K)

(c) 光学系調整装置類

1) 大型自動昇降ステージ
X-Yキャリアー付定盤:アルミハニカム製、サイズ:1.2 × 2 m、上面:着磁性ステンレス鋼板
ステッピングモーター駆動上下微調機構:移動範囲250 mm、送り量:0.5 μm/パルス、最大移動速度1 mm/sec
防振パッド付
2) 4象限スリット
ステッピングモーター駆動ブレード:移動範囲±20 mm、送り精度2 μm/パルス、タンタル製(3 mm厚)

(d) 制御系

1) 実験データ解析用ワークステーション(計画中)
2) 制御用DOS/Vパーソナルコンピュータ(計画中)
3) データ収集用DOS/Vパーソナルコンピュータ(計画中)

(e) 付属装置

 Xステージ、Zステージ、X-Y軸ゴニオステージ

 ステッピングモーター駆動精密Zステージ

 ステッピングモーター駆動精密Xステージ

 

D.測定準備室設備

  検討中

 

E.試料準備室設備

1)油圧式加圧器(計画中)

2)錠剤成型器(計画中)

3)電子天秤(計画中)

 

F.コンタクトパーソン

Scientist in Chrage:

・江村 修一

  大阪大学産業科学研究所

  〒567 茨木市美穂ヶ丘8-1

  Tel: 06-879-8406, Fax: 06-879-8509

  E-mail: emura@sanken.osaka-u.ac.jp

 

・前田 裕宣

  岡山大学理学部化学科

  〒700 岡山市津島中3-1-1

  Tel & Fax: 086-251-7848

  E-mail: maeda@cc.okayama-u.ac.jp

 

Beamline Scientist in Charge:

・宇留賀 朋哉

  共同チーム/高輝度光科学研究センター

  〒678-12 兵庫県赤穂郡上郡町SPring-8

  Tel: 07915-8-1857,0831, Fax: 07915-8-0830

  E-mail: urugat@sp8sun.spring8.or.jp

 

 

 

BL02B1 結晶構造解析ビームライン

A.ビームラインの概要

 本ビームラインでは3.5~50 keVのエネルギー領域で、多種多様な回折・散乱実験を行うことができる。ビームライン光学系は、前置コリメーター鏡、可変傾斜配置二結晶分光器及び後置集光鏡を中心に構成される。両ミラーにはロジウムがコートされる。試料位置での光量は、1010~1012 phs/secと見込まれる。3.5~20 keVの比較的低エネルギーの領域ではエネルギー分解能及び強度を高めるため、前置鏡により放射光を平行化した後、二結晶分光器で分光する。分光された光は、二結晶分光器の湾曲第二結晶と後置鏡により、試料位置でサブmm(H)×サブmm(V)に集光される。両ミラーの反射により、高調波成分は混入比率が10-5以下にカットされる。20 keV以上のエネルギー領域では、両ミラーを光軸から外す。高調波成分のカットはデチューニングにより行い、また湾曲第二結晶を用いて水平方向の集光のみ行う。可変傾斜配置により二結晶分光器の結晶交換をせずに高エネルギー領域までの測定が可能である。

 実験ハッチ内には多軸回折計が常設される。これは放射光施設で標準的な6軸回折計を基本に、2セットの2θ軸や偏光解析用のアナライザー系の回転軸を持つ。2セットの2θ軸は一方が精密スキャニング、他方が高速スキャニングを主眼に設計されており、実験目的に応じて使い分ける。

 

B.光源

偏向電磁石 BL02B1

臨界エネルギー:28.9 keV

光源サイズ(@2%カップリング):σx=0.182 mm、σy=0.058 mm、σy'=0.065 mrad(@10 keV)

水平方向取り込み角:1.5 mrad

 

C.ステーション内の測定装置

(a) 計測系

1) ガスフロー型イオンチェンバー2台
イオンチェンバー用ガス供給システム付属
2) シンチレーションカウンター
35φ 1台、25φ 1台
3) ゲルマニュウム半導体検出器
素子サイズ:100 mm2 × 100 mmt
4) ワイセンベルグカメラ
露光方式:イメージングプレート
カメラ半径:150 mm又は200 mm
5) 微小結晶用真空カメラ
露光方式:イメージングプレート
真空方式:ロータリーポンプにて吸引
6) 計測器
NIM Bin電源、計数装置
イオンチェンバー用高圧電源、SSD用高圧電源
MCA等

(b) 試料環境調整系

1) 単結晶構造解析用クライオスタット
制御温度領域:10-300 K
半球型Be窓付き
2) 大型試料用クライオスタット
制御温度領域:10-300 K
円筒型Be窓付き
ゴニオメータヘッド及びダイヤモンドアンビル型高圧セル(DAC)内臓可能
3) 単結晶構造解析用電気炉
制御温度領域:300-1000 K
XYZ各並進ステージ付き
半球型Be窓付き
4) ダイヤモンドアンビル型高圧セル
圧力調整方法:ガス圧によるシリンダー駆動
ベリリウム台座

(c) 付属装置類

1) ゴニオメータヘッド
Huber 1006 A × 2、Huber 1003 A × 2
2) 長尺ソーラースリット
分解能:0.03°
透過率:約70%
有効受光面積:15(H) × 20(V)
長さ:500 mm
3) 粉末試料用回転装置
平板試料用、キャピラリー用各1式
回転速度:2 Hz±10%
4) その他
交換式固定スリット
ハーフスリット(上下左右)
交換式アテネータ
入射ビーム用シャッター

(d) 制御系

1) 制御・解析用ワークステーション
2) 制御・データ収集用DOS/Vパーソナルコンピュータ

 

D.測定準備室設備

  検討中

 

E.試料準備室設備

1)光学顕微鏡(計画中)

2)DAC試料装填用TVシステム(計画中)

3)電子天秤(計画中)

 

F.コンタクトパーソン

Scientist in Chrage:

・野田 幸男

  千葉大学理学部

  〒263 千葉市稲毛区弥生1-33

  Tel: 043-290-2749, Fax: 043-290-2874

  E-mail: ynoda@science.s.chiba-u.ac.jp

 

Beamline Scientist in Charge:

・小西 啓之

  SPring-8共同チーム/日本原子力研究所

  〒678-12 兵庫県赤穂郡上郡町SPring-8

  Tel: 07915-8-0836,0831, Fax: 07915-8-0830

  E-mail: konishi@spring8.or.jp

 

 

 

BL04B1 高温構造物性ビームライン

A.ビームラインの概要

 高温構造物性ビームラインは、偏向電磁石光源からの白色光を利用して、物質の高温ならびに高圧の極限状況下における構造及び物性を研究するためのビームラインである。大型プレスを用いた固体圧縮による40 GPa, 2000 K領域での高温高圧をターゲットとする高温地球科学ステーションと、ヘリウムガスを用いた2000 bar, 1650℃までのガス圧縮による高温高圧を用いる高温ステーションからなる。両実験ステーションは、タンデムに設置される。

 高圧地球科学ステ-ションでは、最大荷重1500トンの大型プレスと6-8型と呼ばれる多面体加圧システムにより、3次元的な試料空間に高温高圧を発生させ、その中におかれた地球内部関連物質の構造や物性に関する情報を、高輝度放射光を用いた粉末X線回折によりその場観察する。一方、高温ステーションにおいては、高圧ガスを用いた高温高圧装置を用い、高い臨界点を持つ流体水銀や流体セレンなどの超臨界領域における構造を粉末X線回折法により明らかにすることを目的とする。

 

B.光源

偏向電磁石

白色(10-150 keV)

 

C.ステーション内の測定装置

高圧地球科学ステーション

1) 1500トンマルチアンビル型固体圧縮高温高圧装置
2) X線回折用水平、垂直方向ゴニオメーター
3) 純Ge半導体検出器及び計測装置
4) イオンチャンバー及び計測装置

高温ステーション

1) 流体構造研究用高圧ガス容器
2) X線回折用1軸ゴニオメーター
3) 純Ge半導体検出器及び計測装置
4) イオンチャンバー及び計測装置

 

D.測定準備室設備

1)顕微鏡

2)乾燥器

3)超音波洗浄器

4)サンプリング工具一式

 

E.試料準備室設備

1)顕微鏡

2)卓上旋盤

3)小型ボール盤

4)ハンドプレス

5)卓上NC加工機

6)電気炉

 

F.コンタクトパーソン

Scientist in Chrage:

・浦川 啓(高圧地球科学ステーション)

  岡山大学理学部地球科学科

  〒700 岡山市津島中3-1-1

  Tel: 086-251-7885, Fax: 086-252-4057

  E-mail: afeg0320@cc.okayama-u.ac.jp

 

・田村 剛三郎(高温ステーション)

  広島大学総合科学部

  〒739 広島県東広島市鏡山1-7-1

  Tel: 0824-24-6556, Fax: 0824-24-0757

  E-mail: tamura@mls.ias.hiroshima-u.ac.jp

 

Beamline Scientist in Charge:

・内海 渉

  共同チーム/日本原子力研究所

  〒678-12 兵庫県赤穂郡上郡町SPring-8

  Tel: 07915-8-1843,0831, Fax: 07915-8-0830

  e-mail: utsumi@sp8sun.spring8.or.jp

 

 

 

BL08W 高エネルギ-非弾性散乱ビームライン

A.ビームラインの概要

 100 keV以上のエネルギ-の単色X線が利用できるビ-ムラインである。実験用ハッチは300 keVX線専用と100-150 keVX線専用の二つが直列に配置されている。想定されている主な実験はコンプトン散乱を利用した物性研究であるが、弾性散乱実験、透過吸収実験、核励起実験なども可能である。散乱X線のエネルギ-分光は300 keVハッチではGe半導体検出器(第1期計画)、100 keVハッチでは結晶分光器(第2期計画)により行われる。光源は高エネルギ-の円偏光、水平直線偏光が発生可能な楕円マルチポ-ルウィグラ-である。試料はウラン系元素と活性ガスを除き、すべての元素を対象とすることが出来る。10 K以上の低温環境、3 T以下の磁場は用意されているが、それ以上の強磁場や高圧下の測定などの実験環境はまだ用意されていない。実験ハッチは上流から見て右側のみが利用できる空間になっている。

 

B.光源

Elliptic Multipole Wiggler

37-pole, period=120 mm, Bmax=1 T (vertical), 0.18 T (horizontal)

minimum gap=20 mm

 

C.ステーション内の測定装置

(a) 磁気コンプトン散乱測定装置

入射光: 円偏光した300 keVの単色X線
△E/E=5 × 10-3
試料上のビ-ムスポット 1 × 3 mm2
測定装置: (1)試料の磁化をするための超伝導磁石
 (3T;高速反転可能)
(2)試料を冷却する冷凍機(室温-10 K)
(3)散乱X線のエネルギ-分析装置
 (Ge半導体検出器/10素子)
(4)高エネルギ-X線検出器の検出率
 校正用Ge半導体検出器

(b) 高分解能コンプトンスペクトロメ-タ-

  設置準備検討中

 

D.測定準備室設備

1)実験デ-タ解析用コンピュ-タ(計画中)

2)簡単な工作機械と工具(計画中)

3)真空排気装置(計画中)

4)ラウエカメラ(計画中)

5)実験装置制御テスト用コンピュ-タ-(計画中)

6)汎用的電子回路(計画中)

 

E.試料準備室設備

1)真空排気装置(計画中)

2)グロ-ブボックス(計画中)

3)管球X線発生装置(計画中)

4)ダイアモンドカッタ- (計画中)

5)試料保管用密封形ボックス(計画中)

 

F.コンタクトパーソン

Scientist in Chrage:

・坂井 信彦

  姫路工業大学理学部物質科学科

  〒678-12 兵庫県赤穂郡上郡町金出地1479-1

  Tel: 07915-8-0144, Fax: 07915-8-0146

  E-mail: n_sakai@sci.himeji-tech.ac.jp

 

Beamline Scientist in Charge:

・山岡 人志

  共同チーム/理化学研究所

  〒678-12 兵庫県赤穂郡上郡町SPring-8

  Tel: 07915-8-1846,0831, Fax: 07915-8-1845,0830

  E-mail: yamaoka@spring8.or.jp

 

参照資料:SPring-8 Project, Scientific Program 1995, (No.2) pp 3-12.

     SPring-8 Project, Scientific Program 1996, (N0.3) pp.97-102.

     SR科学技術情報 Vol.5, No.6, (1995), pp.10-16.

     SPring-8利用者情報 Vol.1, No.2, (1996), pp.24-26.

 

 

 

BL09XU 核共鳴散乱ビームライン

A.ビームラインの概要

 6~40 keVのエネルギー範囲に励起準位を持つメスバウア核を対象に高分解能実験、時間領域メスバウア分光、高速磁場変調実験、干渉実験等を行うビームラインである。核散乱を効率良く測定するために高純度少数バンチモードの蓄積リング運転と組み合わせることが計画されている。

 輸送チャンネルは、SPring-8標準X線アンジュレータビームラインであり、回転傾斜型二結晶分光器が設置されている。

 実験ステーション内には、多軸超精密X線ディフラクトメータが設置され、多様な核共鳴散乱応用研究への対応が可能である。

 

B.光源

アンジュレータ(真空封止型、周期長=3.2 cm)

 

C.ステーション内の測定装置

 核共鳴散乱実験に用いる高分解能X線回折システムは、エアパットキャリア付き定盤、XZテーブル、精密θテーブル、二軸ゴニオメータ、四象限スリットからなり、表面・界面の研究には、偏光解析装置(四軸回折計)を用いる。それぞれの仕様・性能は、以下の通りである。

1) エアパットキャリア付き定盤
・装置全体を載せる台で、振動防止機能を持つ。
・サイズ:120 × 160 × 110 cm
・エアパットキャリア部は、240 × 300 × 44 mm
2) XZテーブル
・水平、垂直並進ステージである。
・ステッピングモータで駆動(X,Z共に50 mmのストローク)
・耐荷重は70 kg
3) 精密θテーブル
・水平回転軸を持つステッピングモータ駆動の高精度回転ゴニオメータである。
・手動回転範囲:360°
・分解能:0.01 sec/パルス
4) 二軸ゴニオメータ
・ステッピングモータ駆動の共軸二軸回転機構である。
・回転範囲:360°
・耐荷重:25 kg
5) 四象限スリット
・エッジ材質:タンタル5 mm厚
・手動のスリットで二軸のスリット幅可変。
6) 偏光解析装置
・ステッピングモータ駆動の四軸回折計で、X線の直線偏光の測定をする。
・XZテーブルの搭載可能。
・2θアームが交換可能で、分光結晶用小型ゴニオメータを載せθ-2θ測定可能。
 検出器は、高時間分解能APD、NaI、PIN検出器及びイオンチェンバーを用いる。
 その他、メスバウア分光装置、クライオスタット、恒温装置を備える。

 

D.測定準備室設備

  検討中

 

E.試料準備室設備

  検討中

 

F.コンタクトパーソン

Scientist in Chrage:

・依田 芳卓

  東京大学工学部物理工学科

  〒113 東京都文京区本郷7-3-1

  Tel: 03-3812-2111 (6828), Fax: 03-5689-8257

  e-mail: yoda@kohsai.t.u-tokyo.ac.jp

 

Beamline Scientist in Charge:

・原見 太幹

  共同チーム/日本原子力研究所

  〒678-12 兵庫県赤穂郡上郡町SPring-8

  Tel: 07915-8-0834,0831, Fax: 07915-8-0830

  e-mail: taikan@spring8.or.jp

 

 

 

BL10XU 高圧構造物性ビームライン

A.ビームラインの概要

 高圧構造物性ビームラインは、アンジュレータ光源からの強力な光を利用して、物質の極限状況下における構造及び物性を研究するためのビームラインである。20~60 keVのX線を用い非常に広い温度範囲(T=10~3000 K)でかつ超高圧下(~300 GPa)での粉末構造解析を行う極限構造物性ステーションと、アンジュレータからの準単色光を5~25 keVの範囲でチュ-ニングしXAFS法によって表面・界面、光励起状態、クラスターなど極微量原子の局所構造を精密に調べる高輝度XAFSステーションからなる。

 極限構造物性ステ-ションでは、まずブラッグ-フレネルレンズによって強力なアンジュレータ及びモノクロメ-タからの単色光をさらにダイアモンドアンビルセル(DAC)中の微小試料に集光させる。この超高圧下にある微小試料からの回折は、イメ-ジングプレ-トシステムによって広立体角で、かつ迅速に計数及び読み出しが行われる。これらのシステムにより、これまで困難であった高統計精度の粉末回折デ-タが短時間で得られる。

 高輝度XAFSステーションでは、アンジュレータからの準単色光のチュ-ニングとモノクロメ-タによる単色化の迅速なスキャンシステムの開発が行われる。このシステムによると広いエネルギ-範囲にわたり強い単色光を迅速に得ることが可能になるので、高計数率の純Ge100素子検出器と組み合わせてXAFS実験を行うことにより、従来は大変難しかった物質中の微小な不純物の局所構造を調べることができる。

 

B.光源

真空封止型アンジュレータ(U032V)

λu=3.2 cm, N=140

選別範囲:>5 keV

ピーク輝度:2 × 1019 ph/s/mrad2/mm2/0.1%b.w. (I=100 mA)

全放射パワー:5 kW

パワー密度:300 kW/mrad2

 

C.ステーション内の測定装置

極限構造物性ステーション

1) ゴニオメータ
2) イメージングプレート
3) 顕微圧力測定装置
4) ブラッグ-フレネルレンズ(集光サイズ:2~3 mm2
5) ダイアモンドアンビルセル(~300 GPa)
6) 付属装置
A:クライオスタット及び温度制御装置(10 K~)
B:レーザー加熱システム(~3000 K)

高輝度XAFSステーション

1) 純Ge100素子検出器(エネルギ-分解能:190 eV at 5.9 keV)
2) クライオスタット及び温度制御装置(10 K~)
3) イオンチャンバー(入射・透過ビーム用各1)及び計測装置
4) 架台(試料位置制御用、検出器用各1)

 

D.測定準備室設備

極限構造物性ステーション

 1)実体顕微鏡

 2)DACサンプリング工具一式

高輝度XAFSステーション

 1)ワ-クステ-ション

 2)純Ge100素子検出器多チャンネル計測システム

 

E.試料準備室設備

極限構造物性ステーション

 1)管状電気炉

 2)ガスケット加工用精密ボール盤

 3)圧力媒体充填システム

高輝度XAFSステーション

 1)グロ-ブボックス及び簡易型クリーンボックス

 2)クライオスタット排気用粗排気セット

 3)試料位置観察用小型CCDカメラ一式

 

F.コンタクトパーソン

Scientist in Chrage:

・浜谷 望(極限構造物性ステーション)

  お茶の水女子大学理学部物理学科

  〒112 東京都文京区大塚2-1-1

  Tel: 03-5987-5319, Fax: 03-5987-5898

  E-mail: hamaya@phys.ocha.ac.jp

 

・大柳 宏之(高輝度EXAFSステーション)

  電子技術総合研究所基礎物性研究室

  〒305 茨城県つくば市梅園1-1-4

  Tel: 0298-58-5394, Fax: 0298-54-5085

  E-mail: oyanagi@etl.go.jp

 

Beamline Scientist in Charge:

・鈴谷 賢太郎

  共同チーム/日本原子力研究所

  〒678-12 兵庫県赤穂郡上郡町SPring-8

  Tel: 07915-8-1846,0831, Fax: 07915-8-1845, 0830

  E-mail: suzuya@sp8sun.spring8.or.jp

 

 

 

BL25SU 軟X線固体分光ビームライン

A.ビームラインの概要

 高いエネルギー分解能の円偏光軟X線を用いて、固体の電子状態と表面構造を研究するビームライン。第1期においては、回折格子分光器による0.5~1.5 keVの単色軟X線が利用できる。左右円偏光を放射するヘリカルアンジュレータをタンデム配置した挿入光源(ツインヘリカルアンジュレータ)により、両円偏光を同じ光軸上に取り出すことが出来る。分光器は、非等間隔刻線平面回折格子を用いた定偏角型を採用しており、分解能10,000以上。実験ステーションでは、高分解能光電子分光、内殻光吸収磁気円2色性(MCD)測定、2次元電子分析が可能。測定装置は10-10 Torr前半以下の超高真空に保たれており、固体の電子状態、磁性、表面構造等の高精度測定を行うことが出来る。なお、RI元素、活性ガスは用いることが出来ない。

 

B.光源

軟X線ツインヘリカルアンジュレータ

円偏光極性の高速切り換え(<100 Hz)

λu=120 mm, N=12 × 2

基本波:0.12~4.8 keV

光束光度(at 0.5 keV):2.5 × 1016 photons/sec/mrad2/0.1% b.w.

 

C.ステーション内の測定装置

1) 高分解能電子エネルギー分析器(SCIENTA製SES200)
Heクライオスタット及び温度制御装置
MCD装置
永久磁石(~1 T)
2次元表示型球面鏡エネルギー分析器
2) 試料準備チェンバー
超高真空(10-10 Torr前半以下)
ダイヤモンドやすり
3) エアロック機構
試料バンク

 

D.測定準備室設備

  検討中

 

E.試料準備室設備

  検討中

 

F.コンタクトパーソン

Scientist in Chrage:

・菅 滋正

  大阪大学基礎工学部物性物理工学科

  〒560 大阪府豊中市待兼山町1-3

  Tel: 06-850-6420, Fax: 06-850-2845

  E-mail: suga@decima.mp.es.osaka-u.ac.jp

 

Beamline Scientist in Charge:

・斎藤 祐児

  共同チーム/日本原子力研究所

  〒678-12 兵庫県赤穂郡上郡町SPring-8

  Tel: 07915-8-0839,0831, Fax: 07915-8-0830

  E-mail: ysaitoh@spring8.or.jp

 

 

 

BL27SU 軟X線光化学ビームライン

A.ビームラインの概要

 本ビームラインでは軟X線光化学研究及び軟X線CVD研究が行われる。軟X線光化学研究では新型の直線偏光軟X線アンジュレータ(8の字アンジュレータ)光を高効率高分解能分光器で分光し、内殻励起分子分光学及び光イオン化/解離ダイナミクスの研究を行う。このために、光電子/オージェ電子エネルギー分析器、イオンエネルギー/質量分析器、リフレクトロン型質量分析器等を備え、これらは入射光の偏光ベクトルの回りにセットで回転できるとともに、相互の角度も変えられる設計になっている。これによって、光電子や解離イオンの角度分布のみならず、電子-イオン間の角度相関をもとることができる。

 軟X線CVD研究では軟X線アンジュレータを励起光源とし、500 eV-5 keVの軟X線を気体あるいは固体試料に照射して各種の物質の創製、合成あるいは加工を行なう。システムは反応装置、評価装置、差動排気装置、温度制御・簡易型ガス供給装置からなる。反応装置は超高真空雰囲気に達成でき、かつ気体試料雰囲気下(希ガス、窒素、酸素、水素が最大1 Torr)で加熱または冷却した固体試料に対して光照射が行なえる。反応中または反応後の試料の基礎評価のため、結晶性評価用高速電子線回折装置(RHEED)をはじめとする各種分析装置の設置が計画されている。

 

B.光源

8の字アンジュレータ:λu=10 cm, N=44

Tunable range:500-5 keV

Peak Brilliance :1.1 × 1018 photons/sec/mrad2/mm2/0.1%b.w. (at 500 eV,I=100 mA)

Total Power:2.7 kW (at 1st harmonic=500 eV)

Power Density:1.7 kW/mrad2(at 1st harmonic=500 eV)

E/ΔE>10,000 at E=1 keV, Photon flux~1012 photons/sec at E/ΔE=10,000(試料位置)

 

C.ステーション内の測定装置

軟X線光化学実験装置(測定器・検出器)

1) 超高真空槽、両サイド回転機構付、及び排気系(ターボ分子ポンプ)
2) リフレクトロンTOF検出器(㈱トヤマ社製、KNTOF-180)
回転角(対水平面):-20~+110度
光軸から取付けフランジ距離:250 mm
3) エネルギー分析器付質量分析器(英国Hiden社製、HAL EQP500)
質量範囲:0~510 a.m.u.
エネルギーフィルター:パスバンド0.5 eV
4) 光電子エネルギー分析器(Gammadata社製UPS29)
平均半径:2.9 cm
分解能:<10 meV at 1 eV pass energy
    <30 meV at 10 eV pass energy
電子レンズ:3素子
5) 附属装置(抜粋)
2 GHz応答、マルチストップTDC、Fast ComTec社
ビン電源
高圧定電圧電源
タイミング前置増幅器
4連ディスクリミネータ
レートメータ
ピコアンメータ
デジタルボルトメータ

CVD実験装置

1) 反応装置
到達真空度 5 × 10-10 Torr
10 Torrから到達真空度までの領域で真空度の測定が可能
3) 試料保持機構 x, y, z, 面内、軸内回転
温度可変機構 -140~1000℃、15 mm角の試料が取り付け可
排気装置に500 ℓ/secのTMPを使用
Load Lock機構を有する
2) ガス供給装置
簡易ボンベシリンダストッカ 10 ℓ容器4本、47 ℓ容器3本
流量計、バリアブルリークバルブにより調節可能
赤外カメラ、質量分析装置の設置が望まれる
3) 分析容器
到達真空度 2 × 10-10 Torr
RHEED、オプティカルマルチチャネル分光計、フーリエ変換赤外分光計などの設置を現在検討中

 

D.測定準備室設備

軟X線光化学

 検討中

軟X線CVD

 試料保持や機器整備のためなどの設置を現在検討中

 

E.試料準備室設備

軟X線光化学

 検討中

軟X線CVD

 固体基板試料の清浄化化学処理等のために、試料準備室では、クラス100の超清浄化ドラフトチャンバを設け、超純水、液体化学薬品を用いる。このため、これら装置薬品の保守・管理を徹底し、さらに廃液処理(管理)装置の屋外設置などを現在検討中である。

 

F.コンタクトパーソン

Scientist in Chrage:

・小谷野 猪野助(軟X線光化学サブグループ)

  姫路工業大学理学部物質学科

  〒678-12 赤穂郡上郡町金出地1479-1

  Tel: 07915-8-0167, Fax: 07915-8-0132

  E-mail: koyano@sci.himeji-tech.ac.jp

 

・奥山 雅則(軟X線CVDサブグループ)

  大阪大学基礎工学部電気工学

  〒560 豊中市待兼山1-3

  Tel: 06-850-6330, Fax: 06-850-6341

  E-mail: okuyama@semi.ee.es.osaka-u.ac.jp

 

Beamline Scientist in Charge:

・関口哲弘

  共同チーム/日本原子力研究所

  〒678-12 兵庫県赤穂郡上郡町SPring-8

  Tel: 07915-8-1843,0831, Fax: 07915-8-0830

  E-mail: tsekiguc@spring8.or.jp

 

 

 

BL39XU 生体分析ビームライン

A.ビームラインの概要

 本ビームラインは真空封止型標準アンジュレータ及び回転傾斜型標準二結晶分光器を用いた硬X線アンジュレータビームラインであり、主として5 keV~40 keV程度の単色X線を利用することができる。二結晶分光器の下流側には高調波除去を目的とした水平偏向の全反射ミラー(Ptコート平面ミラー)が用いられ、ビーム高さを保ったままビームを利用することが可能である。実験ハッチの初段にはダイアモンド単結晶によるブラッグケースの移相子が取り付けられる予定で、これにより円偏光のX線を利用することが可能になる。また、移相子をはずすことにより通常の水平偏光のアンジュレータ光を利用することが可能である。

 高輝度のアンジュレータ光が用いられ、比較的、広いフォトンエネルギーがカバーでき、さらに、偏光の制御が可能であるなどの本ビームラインの特徴を生かし、現在、磁気散乱吸収サブグループ、分析サブグループ、医学利用サブグループによる利用が計画されている。

 

B.光源

・真空封止型標準アンジュレータ(U032V)

 λu=32 mm, N=140

 ピーク輝度2×1019 ph/s/mrad2/mm2/0.1% b.w(@100 mA)

・回転傾斜型標準二結晶分光器

 Si111反射

 5 keV < hν < 40 keV

 ΔE/E=1~2 × 10-4

・Ptコート平面ミラー

 視射角:0~10 mrad(水平偏向)

・移相子

 ブラッグケース(ダイアモンド単結晶)

 

C.ステーション内の測定装置

1) 磁気散乱吸収測定装置
回折計本体
電磁石及び電源
クライオスタット及び排気装置
2) 微少領域分析装置
チェンバー
ピンホール、集光ミラー等の集光系
試料ステージ
結晶アナライザー及びPSPCによる波長分散型
スペクトロメータ
3) 半導体検出器及びエレクトロニクス
4) シンチレーションカウンター及びエレクトロニクス
5) 汎用イオンチェンバー及びエレクトロニクス

 

D.測定準備室設備(準備中)

1) デジタルエレクトロメータ・マルチメータ

2) 電流発生器

3) ペンレコーダ

4) モニターカメラ

5) He-Neレーザ

6) 実体顕微鏡

7) グローブボックス

8) クリーンベンチ

9) 液体窒素ヂュワー

10)実験什器(作業机, 工具等)

 

E.試料準備室設備(準備中)

1) 磁力計

2) 電気炉

3) 電子天秤

4) デシケータ

 

F.コンタクトパーソン

Scientist in Chrage:

・圓山 裕(磁気散乱・吸収サブグループ)

  岡山大学理学部

  〒700 岡山市津島中3丁目1-1

  Tel: 086-251-7823, Fax: 086-252-7595

  E-mail: maruyama@mag.okayama-u.ac.jp

 

・早川 慎二郎(分析サブグループ)

  東京大学工学部応用化学科

  〒113 東京都文京区本郷7-3-1

  Tel: 03-3812-2111(7234), Fax: 03-5802-3373

  E-mail: thaya@hongo.ecc.u-tokyo.ac.jp

 

・中井 泉(医学利用サブグループ)

  東京理科大学理学部応用化学科

  〒162 東京都新宿区神楽坂1丁目3番地

  Tel: 03-3260-3662, Fax: 03-3235-2214

  E-mail: inakai@ch.kagu.sut.ac.jp

 

Beamline Scientist in Charge:

・後藤 俊治

  共同チーム/高輝度光科学研究センター

  〒678-12 兵庫県赤穂郡上郡町SPring-8

  Tel: 07915-8-1847,0831, Fax: 07915-8-0830

  E-mail: sgoto@sp8sun.spring8.or.jp

 

 

 

BL41XU 生体高分子結晶構造解析ビームライン

A.ビームラインの概要

 本ビームラインの建設目的は、以下の2点である。(1)高エネルギーX線による重原子多重同型置換法(MIR)と重原子誘導体に対して最適化した異常分散効果の測定(OAS)を組み合わせ、MIR-OASによるタンパク質結晶解析のルーチン化を目指す。(2)ビームラインの高輝度特性を生かして、超分子複合体や微小結晶などへX線結晶解析法の適用範囲を拡大する。

 本ビームラインはSPring-8の標準アンジュレータを光源とし、光学系には分光素子(アンジュレータ光の熱負荷除去機能を含む)として回転傾斜型2結晶モノクロメータを、集光素子(アンジュレータ光の高次光除去機能を含む)として2枚のスーパーミラーを採用している。これらの組み合わせにより、9~38 keVのエネルギー範囲(エネルギー分解能は10-4オーダー)で100ミクロン程度に集光された超高輝度X線が実験ステーションに供給される。

 実験ステーションには38 keVまでの高エネルギーX線に対応可能なワイセンベルグ型自動回折計が設置され、測定準備室に設置された共通利用の汎用型回折計と合わせて、MIR-OASルーチン解析に利用される。

 試料準備室には、タンパク質試料の保存や結晶化、結晶のマウント、ルーチン解析から得られた初期電子密度図に基づく構造解析のための設備を、将来的には設置する予定である。

 

B.光源

真空封止型標準アンジュレ-タ(周期長は3.2 cm)

 

C.ステーション内の測定装置

ワイセンベルグ型自動回折計

 カメラ長設定範囲 1.5 m以下

 水平回転軸    360°回転可能

 吸収端測定    シンチレーション検出器

 画像検出器    イメージングプレート(IP)

  面積:400 × 500 mm(400 × 800 mmのIPをオプションとして搭載可能)

  読取方式 オンラインモード:線状レーザーとCCD利用の連続読取

       オフラインモード:ドラム式大型IP読取装置

 付属装置     クライオ試料冷却装置

 

D.測定準備室設備

X線発生装置(共通利用)

汎用型IP回折計(共通利用)

ドラム式大型IP読取装置(共通利用)

 

E.試料準備室設備

  無し

 

F.コンタクトパーソン

 神谷 信夫

  共同チーム/理化学研究所

  〒678-12 兵庫県赤穂郡上郡町SPring-8

  Tel: 07915-8-1841, Fax 07915-8-1838

  E-mail: nkamiya@postman.riken.go.jp

 

 

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[ - Vol.15 No.4(2010)]
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