Volume 27, No.3 Pages 213 - 217
2. 研究会等報告/WORKSHOP AND COMMITTEE REPORT
第15回X線顕微鏡国際会議(XRM2022)報告
The 15th International Conference on X-ray Microscope (XRM2022) Report
(公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 散乱・イメージング推進室 Scattering and Imaging Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI
1. はじめに
2022年6月19日より6日間の日程で、第15回X線顕微鏡国際会議(15th International Conference on X-ray Microscopy、XRM2022)が、台湾新竹市のNational Synchrotron Radiation Research Center(NSRRC)の主催により開催された。本会議は、第1回が1983年にドイツGöttingenで開催され、以降3年に一度開催されていた。2008年以降はX線顕微鏡の急激な発展に伴い2年に一度の開催となった。今回の会議は本来2020年に開催されるはずであったが、新型コロナウイルス感染症の影響により2年の延期を経た後、今年オンラインで開催された。Closing remarkでも言及されていたが、パンデミックその他世界情勢が急激に変化していく中で、本会議は多くの初の試みとして、延期、バーチャル開催、2会議分の運営、時差を考慮したスケジュール等々…を断行し、にも関わらず大過なく24日に無事に全日程を終えた。会議関係者の皆様には、多くの困難や無念を乗り越え無事に開催して頂いたことにこの場をお借りして篤く御礼申し上げたい。
オンライン会議進行に関しては、Whovaシステムを会議のポータルサイトとして利用し、ここでスケジュール確認や各セッション・発表へのリンクへアクセスできるようになっていた。口頭発表はWebex、ポスター発表はGather Townで実施された(図1)。Gather Townでは自分のアバターを作成し、ポスターが展示された仮想空間を十字キーで目的地に移動させる。その世界観と操作感はちょっとしたRPGゲームのそれで楽しく便利であったが、なにせリアルの自分は職場にいる。傍目の人からもゲームをやっているように見られ、その都度いやいや誤解ですこれ仕事なんですよと説明するのは多少難儀した。4年越しということもあってか、そして、オンラインで時差を考慮してということもあってか、いつにましてみっちりとした会議スケジュールであった。期間中はほぼ朝9時半から夜23時過ぎまで。もちろん途中昼食や夕食のブレイクはあるが、このサイクルが月―金の間続き、あまりの濃密さに翌週半ばくらいまで疲れが取れなかった程だ。幸い、日本は台湾と時差が1時間しかないため、大きく生活習慣が乱されることはなかったが、通常業務と多くの時間が重なるため集中しての視聴がなかなか難しいところもあった。口頭発表数は、plenary 6件、invited 28件、contributed 70件、また、オンラインのため企業展示の代わりにsponsor presentationが3件(JTEC Co.、Optique Peter、Thermo Fisher Scientific)組まれた。plenaryとinvitedの一部以外は2つのセッションに別れ並行して進行した。ただし今回はオンラインで各国参加者の時差を考慮したということもあり、多くの発表はビデオ録画され見逃し配信により後で視聴可能だった(最長2022年7月31日まで)のは有り難かった。ポスター発表には113件のエントリーがあった。オンライン開催のためバンケット等は省略されたが、最終日の休憩時間にはビデオに小粋にまとめられたNSRRCバーチャルサイトツアーが上映された。なお、今回に関しては全てのセッションの座長を台湾NSRRCまたはTamkang大学の現地スタッフが務めた。
本稿については、前述のように殆どの口頭発表は期間限定で録画視聴可能であるため、期間中のほぼ全ての話題について触れることも原理的に可能である。が、紙面と労力の都合でここでは筆者が印象に残った所のみピックアップして報告したい。
図1 Gather Townによるポスターセッションの様子。上下左右キーにより自分のアバターを移動させる。町人のように見えるのは自分以外の参加者のアバター。これらのアバターやポスターのシンボルに近づくことでエンカウント。
2. 会議の様子
以前のXRMでは、新しい手法や光学系の紹介、空間分解能の更新等に関するトピックが会議の度に目白押しであったが、40周年を間近に迎えるにあたり、特にここ10年ほどで話題はアプリケーションが多くを占めるようになってきた。それはX線顕微イメージング技術が成熟してきたことを意味するのだろう。我々のような装置屋からすると少し寂しさのようなものを感じる…というのがここ最近の報告書のテンプレートであったが、今回は4年間の蓄積もあってか、些か趣が違った。確かに、従来のスペックを大きく超えていくような報告や、画期的な素子や光学系の報告は無かったものの、それらをブラッシュアップしていくアイデアや、特に目立ったのは幾つかの測定技術を統合したイメージング技術の報告であった。例えば、high-/hyper-/multi-/dimension…といったキーワードが目についた。高い透過力、様々な相互作用といったX線の特色を活かすには2次元、3次元だけでなく、4次元、或いはそれ以上の情報量を、という流れは当然のことであろう。証拠に、今回の発表で出てきたX線像は殆どがカラーであった。「X線写真はモノクロ」といった認識はもはやすっかり過去のものになりつつある。3次元空間の吸収/位相にプラスして、時分割、蛍光X線、吸収端微細構造、X線回折、x-ray excited optical luminescence(XEOL)、x-ray beam induced current(XBIC)などのスカラー量の付与の他、磁区、結晶構造、歪、テンションの向きといったベクトルをコントラストとして表示する報告が急激に増えている。ベースとなる光学系は、様々な信号を同時測定できる走査型X線顕微鏡が多かった。しかし測定に時間がかかるため3次元空間のイメージングに不向きである。その点で理化学研究所の香村氏が発表したシートビーム顕微鏡は面白い試みである。シートビームによる照射なので試料を1次元に走査するだけでXEOL等の二次信号の3次元像が取得できる。
その他キーワードとしては、correlative imagingも頻発していた。これはX線と他のプローブによるイメージングを組み合わせる方法でたとえばX線と電子顕微鏡、STEDの組み合わせが発表されていた。
3. 光学素子開発関連
光学素子の開発に関する口頭発表は10件あった。
PSIのA. KubecはX線アクロマートレンズを紹介した。可視光では、特性の異なる凸レンズ凹レンズの組み合わせによる色収差補正レンズがあるが、これをX線用の凸レンズと回折型光学素子であるFresnel zone plate(FZP)の組み合わせで実現しようというものである。FZP単独では⊿E = 25 eVに対して、凸レンズとの組み合わせで⊿E = 1 keV、全体の効率24%(6.2 keV)を実現した。用いたタンデム凸レンズは近赤外レーザーを使った3次元プリンティング技術で作成されたもので、同じ技術で作成された3次元イメージング評価用Siemens Starパタンも印象的であった。
ETH ZürichのL. Romano氏は高アスペクト比(パタン深さ/幅比)光学素子のためのシリコン微細加工技術について講演し、その中でMetal-assisted chemical etching(MACE、またはMac-Etch)を利用した高アスペクト比FZPの紹介があった。MACE FZPについてはSLACのR. Akan氏からも報告があった。高い利用効率と高空間分解能の両立には高アスペクト比構造が必須であるが、従来の製作技術ではアスペクト比10程度が限界だったのに対してMACEは一気に100オーダーの製作が可能な方法として注目されている。両氏ともアスペクト比30–100のFZPを紹介していたが、回折効率はまだ理論との乖離が大きく、更なる製造技術改善が望まれる。
名古屋大学の松山氏からはadvanced Kirkpatrick-Baez(AKB)ミラーベースの結像顕微鏡の開発状況が報告された。AKBミラーは水平垂直それぞれで2枚の反射面を使うことで光学系が安定し、軸外収差を抑えた結像素子として用いることができる光学系である。鏡面のマルチレイヤーコートによる高NA化を、X線干渉計を利用した超精密加工技術によって1 nm以下の形状誤差、0.2 Å以下のD-spacing誤差で実現し、空間分解能14 nmが期待できるとのこと。更にはピエゾを並べたdeformableミラーによる補償光学系の導入と波面検出による収差補正により5 nm以下の空間分解能も可能であることが紹介された。何かと大型になりやすいX線光学系の小型化技術にも言及し、Wolter III型光学系(後述)の導入によって従来の20分の1以下の鏡筒長を実現(45 m⇒2 m)したことや、LiNbO3単結晶を用いたdeformableミラーの小型化(150 mm⇒50 mm)が説明された。なお、Wolter III型ベースのAKBミラーについては大阪大学の山田氏、deformableミラー補償光学によるサブ5 nm空間分解能についての詳細は大阪大学の井上氏より別途口頭発表があった。
東京大学の三村氏からはX線顕微鏡用に開発されている軸対称電鋳ミラーについて発表があった。大きなNAが可能な軸対称型全反射ミラーは、AKBと異なりマルチレイヤーコーティング無しでもシングルnmの空間分解能が原理的に可能である。これまではボールペンのキャップのような形状の内側を高精度に研磨することが難しく高精度なものの作製は不可能であったが、三村氏らは高精度に加工した石英マンドレル1本で、nmレベルの面精度を持つ金属ミラーを常温電鋳法で繰り返し製作可能であることを示し、既にSPring-8やSACLAの軟X線ビームラインに導入されていることが報告された。この製法で作られた軸対称Wolterミラーの利用例として、東京大学の木村氏からは細胞のXAFSタイコグラフィのためのアクロマート集光光学系(Coherent Achromatic Rotational Reflective Optics for pTychography, CARROTと名付けられていた。赤茶けた銅製のテーパー付き円筒形状の外観はまさに人参のそれであり、命名者に拍手を送りたい)が紹介された。同じく東京大学の竹尾氏からはX-FELの準単色光を利用した結像顕微鏡のコンデンサと対物としての利用が報告された。こちらも素子がアクロマートであることを利用し、回折格子を置くことで100 fs以下の時分割シングルショット分光イメージングが可能であり、細胞の元素分布タイムラプス観測、爆発や化学反応の分光スナップショットへの利用が検討されている。
SigrayのW. Yun氏からは、キャピラリー開発の最新情報が報告された。ラボX線源が商品であるSigrayのミッションとして、キャピラリーを用いることで放射光レベルのX線を実験室或いは工場に提供するとしている。放物面キャピラリを使って、光源の発散光を一旦平行化、もう一つ別の放物面キャピラリを使ってX線を集光、透過/XRF結像顕微鏡、コンフォーカルXRFの照明に用いる構想が発表された。2つのキャピラリを使っても全体の効率は70%を維持し、スポットサイズは4 µm以下とのことである。
4. 手法関連
手法としては、coherent diffraction imaging(CDI)やタイコグラフィといったレンズレスの高分解能イメージングが応用も含めここ10余年で急激にトピックを増やしてきており、今回もメインのテーマとして扱った発表だけで10件を数えた。東北大学の高橋氏は、招待講演で分光タイコグラフィの現状を紹介し、CeのL端近傍の詳細な4次元(3次元+XANES)イメージングが示されていた。CDIは基本的に孤立試料しか取り扱えないという測定上の制限があるが、三角形など対称性の低い形状の開口をもつスリットで照射領域を制限することによって、拡張(孤立してない)試料であってもシングルショットCDIが可能であることが示された。講演の後半では、愛称が決まったばかりの次世代3 GeV放射光施設「NanoTerasu」が紹介された。
兵庫県立大学の高山氏からは、マルチショットCDI動的イメージングが報告された。試料のXYスキャンによる境界条件取得によって拡張試料の広視野CDI計測を可能にしたのがタイコグラフィであるのに対して、この手法は時間的なスキャンで得た情報を境界条件とすることで、拡張試料の動的CDI計測を可能にする。溶液中金コロイド粒子のブラウン運動の様子を100 fpsで計測した例が紹介された。
CDIやタイコグラフィの利用に関する発表を見ていて気付くのは、分光、特に利用例として触媒のその場分光イメージングの利用報告が多いことだ。分光イメージングは利用エネルギーが吸収端近傍に限られることが多く、それによって試料サイズが限定されるため実は応用が難しい側面がある(たとえば鉄の吸収端を観るには試料厚みが数µm以下でないとX線が透過しない。しかもそのスケールの物体のイメージングには数十nmレベルの空間分解能が必要)。一方、触媒のような概ね微小で且つ化学状態の追跡が重要なテーマの試料の計測には分光CDIやタイコグラフィと特に相性が良いということだろう。
結像ベースのX線顕微鏡のトピックについても触れておきたい。PSIのA. Bonnin氏からはTOMCATビームラインのX線顕微鏡の最新情報と将来プランが紹介された。ここの施設は放射光X線CTの世界の動向を探る上でキャッチアップが欠かせない一つであり、さらに、人材育成の面でも、後述するWMI賞受賞者を毎回のように輩出する等、目をみはる成果を出し続けている。話はX線結像顕微CTについてが中心であった。空間分解能は200–300 nmと他の報告と比べるとかなり控えめであるが、むやみに空間分解能を追わず利用に徹している。セットアップや利用している光学素子、様々なスペックから、ユーザー利用やその場観察を重視した思想の端々まで、我々がSPring-8で展開しているX線ナノCTのそれと共通点が非常に多かった。どちらかが真似をしているというわけではないのだが、突き詰めていった結果同じようなモノになった、ということであろう。将来プランの一つとしては、フレネルレンズベースのコンデンサを開発しているとのことであった。また、別の発表でPSIのA. Menzel氏によって紹介されていた結像光学系のセットアップを使ったフーリエタイコグラフィを今後の高分解能化ツールとして利用するとのことであった。これは、通常の結像光学系をそのまま利用するのだが、対物素子をスキャンすることで実質的なNAを広げ、超解像が可能とのことであった。通常のゼルニケ位相コントラスト法と比較して、20倍照射ダメージを抑えられるとのことであったが現状では測定時間が25倍必要らしい。
個人的に印象深かったのはGöttingen大学のJ. Soltau氏による、FZPを使ったレンズベースCDIの話である。回折素子の一種であるFZP光学系では、通常1次回折光がイメージングに利用され、それ以外の回折光は不要なものとして遮蔽される。彼は、この不要な回折次数(ここでは0次と−1次)を積極利用し位相回復イメージングができることを示した。例えば、結像光学系において1次回折光は吸収コントラスト像を形成し位相情報は消滅するが、−1次回折光は拡大ホログラムとして位相情報を保持しているので、この両者を使えば位相回復イメージングが可能というアイデアは以前からあった。ところが彼は0次光をもCDI信号として利用し、更には1次光、−1次光を単に異なるフレネルナンバーのホログラムとして使うことで位相回復ができることを示した。もはや結像でもないため、試料を物体面に置く必要もなく、FZP近くに置く(NAが大きくなる)ことで超解像ができるメリットがある。彼は後述の2022年WMI賞にノミネートされていた。残念ながら受賞とはならなかったが、非常に面白いアイデアと感じた。
5. おわりに
Closing sessionでは、次回2024年のXRM開催地スウェーデンのLund、次次回2026年の開催地ブラジルサンパウロ郊外のCampinasについての紹介プレゼンがあった。次次回の開催地は毎回、会議中に複数の立候補地のプレゼンがありその中から参加者の投票で決定されるが、今回の立候補は1組だけであり、自動的にCampinasが選ばれた形だ。
本学会の若手発表賞であるWerner Meyer-Ilse(WMI)賞とポスター賞の発表があった。ポスター賞は今回新たに設置され、各受賞者には500USDが贈られる。4名の受賞があり、その中では大阪大学の伊藤氏が“XFEL sub-10 nm focusing system based on X-ray imaging mirrors”という内容で受賞した。SACLAからのX線の集光にWolter III型(後述)配置のAKBミラーを用いることで大きな縮小率、高効率、高安定性を実現し、スポット幅7 nm × 7 nm、強度1.21 × 1022 W/cm2を得たとの報告である。この場をお借りして祝意を表したい。一方、WMI賞は口頭発表に対する賞である。少し説明すると、1999年バークレイ開催のXRM直前に、同会議のco-chairであったWerner Meyer-Ilse氏が交通事故で亡くなるという不幸な出来事があった。同氏を偲び、X線顕微鏡の発展に貢献する将来ある若手への賞として同会議にて直ちに本賞が設立された。受賞資格は学会開催までにPhD取得2年以内の若手研究者となっており、推薦を受けた候補者の中から毎回1名或いは2名が選ばれる。受賞者には記念メダル並びに2000USDが贈られる。これまでの受賞者を見ると、J. Miao、D. Weiss、M. Feser、P. Thibaultなど錚々たる名前が連なり、20年余と歴史はまだ浅いながらもX線顕微イメージングに携わる若手研究者の登竜門として非常に権威のある賞となっている。惜しむらくは、日本人はこれまで、毎回のように候補者は出るもののまだ受賞者がいなかった。とはいえ、受賞者と候補者達の間に優劣の差は殆ど無く、ノミネートされるだけでも研究者としては相当な名誉と言えるだろう。2020年開催が延期された今回は、2020年度、2022年度それぞれのWMI賞が選考された。2022年度はAPSのY. Luo氏とSLSのJ. Kim氏が受賞した。前者は、次世代ペロブスカイト太陽電池の評価のために開発したmulti dimensional走査型X線顕微鏡(吸収、XRF、XRD、XBIC、XEOLの5次元!)についてであった。後者は、無数の同心円状パタンが並んだグレーティングを利用した時分割散乱テンソルCTの研究についてであり、ポリマー材料等に掛けたテンションのベクトルを3次元で捉えていた。両受賞者に言えることは、2章で述べたように多次元の非常に多くの情報量が詰め込まれた鮮明なカラー画像を示していたことである。そして、2020年度のWMI賞は、大阪大学の山田氏が単独での受賞となった(図2)。アジア出身の研究者として初の快挙であり、X線顕微イメージングに関わる日本人研究者としては、長年の悲願達成である。受賞内容は、Wolter III型とI型を組み合わせたAKBミラー光学系を使ったX線結像顕微鏡の研究についてである。従来のAKBは一体型が製作しやすいWolter I型配置と呼ばれる2つの反射面が同じ向きの配置が取られるが、これは主平面が2つの反射面の間に存在するため、使うミラーの大きさや必要な拡大率を考えるとどうしても装置が大型化するという問題があった。山田氏は、2つの反射面が対向するWolter III型と呼ばれる配置にすれば、主平面が2つのミラーの外に出てコンパクトな設計でも十分な拡大率が得られることを見出した。それだけでなく、2枚の反射面を一体型に成形できない等のこの手法独自の問題点を自ら解決し、デザイン、製造、調整方法全てを実用化まで漕ぎ着けた。もちろん、こういったアイデアは、大阪大学山内研で鍛えられた超高精度X線ミラー製作の技術力が備わって始めて実現されたものであることも付け加えておく。受賞をこの場をお借りして、改めて祝意を表したい。と同時に、今も世界のX線イメージングを牽引する錚々たる歴代受賞者達の中に、自分の名前が連なった意味を噛み締め、今後なお一層のご活躍を期待したい。…と、そんな発破掛けも彼には余計なお世話だったかも知れない。以下は受賞直後の彼の受賞コメントである(一部抜粋)“I know this award has been given to world-famous scientists, so I'm feeling somewhat pressure. I'll keep working harder and harder. …hope I'll continuously contribute to this research field.”第二、第三の山田氏がまたすぐに出てくることを祈って、この報告書の締めとしたい。
図2 山田氏(左上)のWMI授賞式の様子。右上はAward Committee ChairのJ. Thieme氏。
…ただ、唯一悔やまれるのが、もし、現地開催だったなら、きっと当日は大宴会だったのになあということ。オンライン開催の弊害がこんな所にも。次からはまたin-personな開催に戻ることを切に祈って。
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