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Volume 26, No.1 Pages 8 - 15

1. 最近の研究から/FROM LATEST RESEARCH

オペランド時空間X線分光によるデバイス機能発現の定量可視化
Study for Quantitatively Visualizing Device Function by using Operando Spatiotemporal X-ray Spectroscopy

吹留 博一 FUKIDOME Hirokazu[1]、大美賀 圭一 OMIKA Keiichi[1]、河内 剛志 KOUCHI Tsuyoshi[2]、舘野 泰範 TATENO Yasunori[2]、保井 晃 YASUI Akira[3]、大沢 仁志 OSAWA Hitoshi[3]、大河内 拓雄 OHKOCHI Takuo[3]

[1]東北大学 電気通信研究所 Research Institute of Electrical Communication, Tohoku University、[2]住友電気工業(株) Sumitomo Electric Industries, Ltd.、[3](公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 分光・イメージング推進室 Spectroscopy and Imaging Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI

Abstract
 Siエレクトロニクスが限界に達した今、新材料の物性を極限まで引き出し、Siデバイスを凌駕するデバイスを創出せねばならない。しかし、新材料を用いたデバイスの機能は、材料物性から予測される理論値を大きく下回っている。その原因を究明すべく、我々はデバイス動作下でナノ物性の時空間ダイナミクスを観測するオペランド高時空間能X線吸収分光のフルスペクトル計測を初めて実現し、さらに、GaN高電子移動度トランジスタの性能を決定する表面電子捕獲の時空間ダイナミクスの直接観測に成功した。現在、オペランド時空間X線分光で得られるダイナミクスを基に、デバイス動作機構を定量可視化する学理の創出に取り組んでいるところである。
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1. 背景
 地球環境問題や少子高齢化問題、さらには未知なるウイルスが、我々を存亡の機に立たせている。ゆえに、低環境負荷な元素を用いて、軽労化および十分な社会的距離と活発な経済活動を並立させた社会の実現が希求されている。例えば、「どこからでも瞬時にアクセスでき、かつ、高臨場なコミュニケーション」(図1)などの創出が求められている。このような技術の基盤インフラが、無線通信システムである。現世代での5Gでは諸外国に対して大きな後れをとったが、2040年代に到来するであろう7Gについては、挽回する余地はある。7Gにおいては、5Gよりも1桁以上高い高周波帯域であるTHz(= 1,000 GHz)が用いられる。よって、THz帯で動作するデバイスの研究開発は、喫緊の課題である。

 

図1 高臨場なコミュニケーションのイメージ

 

 

 SiエレクトロニクスはDennardが提唱したスケーリング則に基づき、社会を変革する高性能デバイス・回路を生み出してきた。しかし、最小設計寸法が10 nmを切った今、さらなる高性能化は容易ではない。
 そこで、Si以外の新材料を用いた新たなデバイスが盛んに研究開発されている。低次元材料(GaN/AlGaN界面二次元電子系、グラフェンなど)は優れた物性(高いキャリア移動度およびドリフト飽和速度)を有することに加え、その極薄さにより短チャネル効果の抑制など電子工学的にも利点を有する[1][1] 吹留博一:応用物理 89 (2020) 529-533.
 しかし、新材料を用いたデバイスの性能の実測値は、その優れた物性値から予測される理論値を大きく下回っている。すなわち、材料物性がデバイス機能に直結しなくなっている。
 我々はSiエレクトロニクスとグラフェンの融合による低環境負荷な超高速デバイス・回路の創出を企図して、グラフェン・オン・シリコン(GOS)技術を中心としたグラフェン成長および電子・光デバイス応用研究を行い(図2上)[2-9][2] H. Fukidome, Y. Miyamoto, H. Handa, E. Saito and M. Suemitsu: Jpn. J. Appl. Phys. 49 (2010) 01AH03.
[3] H. Fukidome, R. Takahashi, S. Abe, K. Imaizumi, H.-C. Kang, H. Karasawa, T. Suemitsu, T. Otsuji, Y. Enta, A. Yoshigoe, Y. Teraoka, M. Kotsugi, T. Ohkouchi, T. Kinoshita and M. Suemitsu: J. Mater. Chem. 21 (2011) 17242-17248.
[4] M. Suemitsu and H. Fukidome: J. Phys. D. 43 (2010) 374012.
[5] T. Someya, H. Fukidome, H. Watanabe, T. Yamamoto, M. Okada, H. Suzuki, Y. Ogawa, T. Iimori, N. Ishii, T. Kanai, K. Tashima, B. Feng, S. Yamamoto, J. Itatani, F. Komori, K. Okazaki, S. Shin and I. Matsuda: Phys. Rev. B 95 (2017) 165303.
[6] F. Mitsuhashi, M. Okada, Y. Tateno, T. Nakabayashi, M. Ueno, H. Nagasawa, H. Fukidome and M. Suemitsu: MRS Adv. 2 (2017) 51-56.
[7] M.-H. Jung, G.-H. Park, T. Yoshida, H. Fukidome, T. Suemitsu, T. Otsuji and M. Suemitsu: Proc. IEEE 101 (2013) 1603-1608.
[8] K.-S. Kim, G.-H. Park, H. Fukidome, T. Someya, T. Iimori, F. Komori, I. Matsuda and M. Suemitsu: Carbon 130 (2018) 792-798.
[9] K. Sugawara, T. Kawasaki, G. Tamamushi, M. B. Hussin, A. Dobroiu, T. Yoshida, T. Suemitsu, H. Fukidome, M. Suemitsu, V. Ryzhii, K. Iwatsuki, S. Kuwano, J.-I. Kani, J. Terada and T. Otsuji: J. Lightwave Technol. 34 (2016) 2011-2019.
、室温で最高105 cm2/Vsもの移動度を有する超高品質グラフェンの最大4インチの大面積成長技術を住友電工や信越化学と連携して創出し[3,5,6][3] H. Fukidome, R. Takahashi, S. Abe, K. Imaizumi, H.-C. Kang, H. Karasawa, T. Suemitsu, T. Otsuji, Y. Enta, A. Yoshigoe, Y. Teraoka, M. Kotsugi, T. Ohkouchi, T. Kinoshita and M. Suemitsu: J. Mater. Chem. 21 (2011) 17242-17248.
[5] T. Someya, H. Fukidome, H. Watanabe, T. Yamamoto, M. Okada, H. Suzuki, Y. Ogawa, T. Iimori, N. Ishii, T. Kanai, K. Tashima, B. Feng, S. Yamamoto, J. Itatani, F. Komori, K. Okazaki, S. Shin and I. Matsuda: Phys. Rev. B 95 (2017) 165303.
[6] F. Mitsuhashi, M. Okada, Y. Tateno, T. Nakabayashi, M. Ueno, H. Nagasawa, H. Fukidome and M. Suemitsu: MRS Adv. 2 (2017) 51-56.
、さらに、高周波デバイス・回路の創出まで一気通貫な研究を展開した[8,9][8] K.-S. Kim, G.-H. Park, H. Fukidome, T. Someya, T. Iimori, F. Komori, I. Matsuda and M. Suemitsu: Carbon 130 (2018) 792-798.
[9] K. Sugawara, T. Kawasaki, G. Tamamushi, M. B. Hussin, A. Dobroiu, T. Yoshida, T. Suemitsu, H. Fukidome, M. Suemitsu, V. Ryzhii, K. Iwatsuki, S. Kuwano, J.-I. Kani, J. Terada and T. Otsuji: J. Lightwave Technol. 34 (2016) 2011-2019.
(図2上)。

 

図2 グラフェンの一気通貫な研究

 

 

 しかし、これらのデバイス・回路の機能の実測値は、グラフェンのキャリア移動度・ドリフト飽和速度の値から予測される理論値を大きく下回る。このことは、従来の構造・物性研究における前提、「明確に定義された結晶を用い、その結晶が優れた物性をもてば、優れた機能が発現できる」に疑問を投げかけるものである。
 この疑問に対する答えの一つが、デバイスに内在する多種多様な表面界面の存在である。低次元材料の物性は、表面や界面の存在に敏感に応答する。実際、我々は、電極金属や基板とグラフェンの界面やわずかな積層のずれにより、電子状態が時空間的に大きく変調することを実証している[10-13][10] H. Fukidome, M. Kotsugi, K. Nagashio, R. Sato, T. Ohkouchi, T. Itoh, A. Toriumi, M. Suemitsu and T. Kinoshita: Sci. Rep. 4 (2014) 3713.
[11] N. Nagamura, H. Fukidome, K. Nagashio, K. Horiba, T. Ide, K. Funakubo, K. Tashima, A. Toriumi, M. Suemitsu, K. Horn and M. Oshima: Carbon 152 (2019) 680-687.
[12] R. Suto, G. Venugopal. K. Tashima, N. Nagamura, K. Horiba, M. Suemitsu, M. Oshima and H. Fukidome: Mater. Res. Exp. 3 (2016) 075004.
[13] T. Suzuki, T. Iimori, S.-J. Ahn, Y. Zhao, M. Watanabe, J. Xu, M. Fujisawa, T, Kanai, N. Ishii, J. Itatani, K. Suwa, H. Fukidome, S. Tanaka, J.-R. Ahn, K. Okazaki, S. Shin, F. Komori and I. Matsuda: ACS Nano 13 (2019) 11981-11987.
(図3)。

 

図3 表面界面による物性の時空間変調

 

 

 もう一つの原因が寄生領域の存在である。トランジスタを例に挙げて説明する。トランジスタ動作の要は、ゲート電圧によるチャネル(キャリア輸送層)抵抗の可変的な変調である。しかし、実際に計測されるものは、活性領域の抵抗(Ri)だけでなく寄生領域の抵抗(Rp)(例:電極とチャネルの間の接触抵抗)の総和である全抵抗(RT)である。グラフェンのようにキャリア移動度が非常に高い場合、Riは非常に小さくなり、相対的にRpが大きくなる。従って、電気計測されるRTが電圧により変調されたとしても、それは、実は活性領域ではなく、寄生領域の抵抗に因るケースが起こり得る[10][10] H. Fukidome, M. Kotsugi, K. Nagashio, R. Sato, T. Ohkouchi, T. Itoh, A. Toriumi, M. Suemitsu and T. Kinoshita: Sci. Rep. 4 (2014) 3713.。この点は、デバイス応用研究だけでなく、基礎的な輸送物性研究などにおいても深刻な問題である。通常我々は電気計測により機能の計測結果から物性値を得るが、上記の点は、ターゲットとしている材料物性の真の理解を得られなくなってしまう可能性を示唆する。

 

 

2. 静的な電圧下でのオペランド・ナノX線分光
 筆者のうちの一人は、オペランド・ナノX線分光(operando nano X-ray Spectroscopy: o-nXS)に着手する以前から、オペランド計測を研究してきた(図2下)。原子間力顕微鏡を用いた水中におけるSi溶解の観測を行ったが[14][14] H. Fukidome, M. Matsumura, T. Komeda, K. Namba and Y. Nishioka: Electrochem. Solid-State Lett. 2 (1999) 393-394.、走査型プローブ顕微鏡を用いた計測は原子スケール構造を詳らかにするが、いくつかの例外を除き、界面における電子状態や化学状態の解析は困難である。また、オペランド赤外分光法を用いて電位制御下にある表面水酸基の水和状態・荷電状態の同時計測に成功している[15][15] H. Fukidome, O. Pluchery, K. T. Queeney, Y. Caudano, K. Raghavachari, M. K. Weldon, E. E. Chaban, S. B. Christman, H. Kobayashi and Y. J. Chabal: Surf. Sci. 502-503 (2002) 498-502.。ただし、赤外分光法の空間分解能は通常数十μm程度であるため、先端ナノデバイスの局所物性を計測するには不十分である。ゆえに、高い顕微能と分光能および元素識別能を兼備した顕微オペランドX線分光計測が、先端デバイス研究開発に不可欠であると強く認識した。
 以上を踏まえ、X線吸収分光やX線光電子分光を基盤とするオペランド・ナノX線分光の開拓に着手するに至った[10,16-18][10] H. Fukidome, M. Kotsugi, K. Nagashio, R. Sato, T. Ohkouchi, T. Itoh, A. Toriumi, M. Suemitsu and T. Kinoshita: Sci. Rep. 4 (2014) 3713.
[16] H. Fukidome, K. Nagashio, N. Nagamura, K. Tashima, K. Funakubo, K. Horiba, M. Suemitsu, A. Toriumi and M. Oshima: APEX 7 (2014) 065101.
[17] G. Kamata, G. Venugopal, M. Kotsugi, T. Ohkochi, M. Suemitsu and H. Fukidome: Phys. Stat. Solid. (a) 216 (2019) 1800539.
[18] K. Omika, Y. Tateno, T. Kouchi, T. Komatani, S. Yaegassi, K. Yui, K. Nakata, N. Nagamura, M. Kotsugi, K. Horiba, M. Oshima, M. Suemitsu and H. Fukidome: Sci. Rep. 8 (2018) 13268.
(図4)。観測した試料は、5Gや6GでキーデバイスであるGaN/AlGaN界面の二次元電子ガス(2DEG)をチャネルとした高電子移動度トランジスタ(GaN-HEMT)[19][19] A. Kawano, N. Adachi, Y. Tateno, S. Y. Mizuno, N. Ui, J. I. Nikaido and S. Sano: Asia-Pacific Conference Proceedings (APMC 2005) 3 (2005) 1606618.や7Gでキーデバイスとなり得るグラフェン・トランジスタ(GFET)[16][16] H. Fukidome, K. Nagashio, N. Nagamura, K. Tashima, K. Funakubo, K. Horiba, M. Suemitsu, A. Toriumi and M. Oshima: APEX 7 (2014) 065101.やMoS2原子薄膜トランジスタなどである[17][17] G. Kamata, G. Venugopal, M. Kotsugi, T. Ohkochi, M. Suemitsu and H. Fukidome: Phys. Stat. Solid. (a) 216 (2019) 1800539.

 

図4 オペランド・ナノX線分光の概略

 

 

 GaN-HEMTは、高電子移動度と大きなバンドギャップを兼備するため、高出力かつ高周波動作が可能であり、実際に住友電工により商用化されている[19][19] A. Kawano, N. Adachi, Y. Tateno, S. Y. Mizuno, N. Ui, J. I. Nikaido and S. Sano: Asia-Pacific Conference Proceedings (APMC 2005) 3 (2005) 1606618.。GaN-HEMTの大きな課題の一つが電流コラプス現象である。電流コラプス現象とは、高出力動作時に出力電流が時間的に変動したり、低下してしまう現象のことを指す[20][20] R. Vetury, N. Q. Zhang, S. Keller and U. K. Mishra: IEEE Trans. Electron Dev. 48 (2001) 560-566.
 電流コラプス現象をもたらす原因が、デバイス表面における電子捕獲である。通常、半導体デバイスの動作機構の解明には巨視的な電気測定評価が用いられる[21][21] G. Meneghesso, F. Rampazzo, P. Kordos, G. Verzellesi and E. Zanoni: IEEE Trans. Electron Dev. 53 (2006) 2932-2941.。しかし、電気測定評価は局所情報を与えないため、電流コラプス現象に関与する表面電子捕獲(SET)の微視的機構を解明することは困難である。
 そこで、我々は、BL07LSUに設置されているnano-ESCAを用いて、DC電圧印加下にあるGaN-HEMT表面のオペランド・ナノ光電子分光計測を行い、表面Ga 3dピークの空間依存性を調べた(図5(a))[18][18] K. Omika, Y. Tateno, T. Kouchi, T. Komatani, S. Yaegassi, K. Yui, K. Nakata, N. Nagamura, M. Kotsugi, K. Horiba, M. Oshima, M. Suemitsu and H. Fukidome: Sci. Rep. 8 (2018) 13268.。nano-ESCAの空間分解能は70 nmである。この結果において注目すべき点は、ゲート電極-ドレイン電極間の表面Ga 3dピーク・エネルギーが緩やかに変化している点である。SETがない理想的な場合では、Ga 3dピーク・エネルギーは印加電圧のみによって決定されることから、Ga 3dピーク・エネルギー変化はゲート近傍のみで起こるはずである(図5青点線)。ゆえに、観測された緩やかな変化は、SETによるバンド湾曲変化(図5(b))に起因していることが示唆される。この緩やかなエネルギー変化をSETによるものとして電磁界シミュレーションを行い、表面捕獲電子密度の空間的変化を高精度に見積もることに成功した(図5(c))。通常の電気特性評価ではSET密度の空間変化を計測することは不可能である。よって、本観測結果はo-nXSを用いることでしか得られないものであり、o-nXSの優位性を如実に示すものである。

 

図5 GaN-HEMTのo-nXSによる研究結果

 

 

 表面垂直方向の電荷中性条件から、SET密度とチャネルであるAlGaN/GaN界面二次元電子密度の総和は一定である[22][22] J. P. Ibbertson, P. T. Fini, K. D. Ness, S. P. DenBaars, J. S. Speck and U. K. Mishra: Appl. Phys. Lett. 77 (2000) 250.。よって、ドレイン側のSET密度の増加は、チャネルのドレイン側の抵抗が増加することを示唆する。電子工学的には、この増加はオン抵抗(ドレイン電流-ドレイン電圧曲線の立ち上がり)が鈍化[23][23] H. Hasegawa and M. Akazawa: J. Vac. Sci. Technol. B 27 (2009) 2048-2054.(図6)、すなわち動作時の電力損失が増大することを意味する。以上、o-nXSはナノ物性の解析だけでなく、実デバイス動作の定量解析や設計に資するものであることが実証された。

 

図6 ドレイン電流-ドレイン電圧曲線の解釈

 

 

3. オペランド時空間分解X線吸収分光の開拓
 上記のGaN-HEMTのo-nXS計測結果について興味深い点がある。それは、SETがゲート電極近傍だけでなく、ドレイン側へ幅広く分布している点である。GaN-HEMTにおけるSETはゲート電極に負電圧を、ドレイン電極に大きな正電圧を印加した時に起こりやすい[20][20] R. Vetury, N. Q. Zhang, S. Keller and U. K. Mishra: IEEE Trans. Electron Dev. 48 (2001) 560-566.。SETはゲート電極近傍で発生している大きな局所電界集中(図7)により誘起されるものであると提案されており[20,24][20] R. Vetury, N. Q. Zhang, S. Keller and U. K. Mishra: IEEE Trans. Electron Dev. 48 (2001) 560-566.
[24] R. J. Trew, D. S. Green and J. B. Shealy: IEEE Microwave Mag. 10 (2009) 116-127.
、SETはゲート電極近傍のみで起こると多くの研究者は考えてきた[20][20] R. Vetury, N. Q. Zhang, S. Keller and U. K. Mishra: IEEE Trans. Electron Dev. 48 (2001) 560-566.

 

図7 GaN-HEMT表面近傍の電界分布

 

 

 この矛盾を解消するモデルとして、我々は図8に示すようなSETの時空間ダイナミクスを考案した。その実証のためには、空間的だけでなく時間的にも高分解能でGaN-HEMT表面の電子状態を観測する必要がある。

 

図8 我々が提唱したSET機構

 

 

 また、そもそも、DC電圧下での解析だけではデバイス動作を完全に理解することは不可能であることは電子工学的観点からは当然である。デバイス動作の精密解析は、等価回路モデルに基づいて行われる。等価回路モデルとは、複雑な機能を抵抗・容量・インダクタの組合せにより表現するものである[25][25] A. R. Alt, D. Marti and C. R. Bolognesi: IEEE Microwave Mag. 14 (2013) 83-101.(図9)。抵抗成分はDC電圧下でも測定できる。一方、容量やインダクタの成分は、DC電圧下では測定困難であり、非DC電圧下において測定できるものである。ゆえに、オペランド分光は、DC電圧下だけでなく非DC電圧下で計測できるようになって初めて価値のあるものになるという結論に至る。

 

図9 バイポーラトランジスタの等価回路モデル

 

 

 そこで、我々はBL25SUに設置されている一括投影型光電子顕微鏡(PEEM)(空間分解能:< 100 nm)と大沢らが開発した高精度X線チョッパー[26,27][26] H. Osawa, T. Kudo and S. Kimura: Jpn. J. Appl. Phys. 56 (2017) 048001.
[27] H. Osawa, T. Ohkochi, M. Fujisawa, S. Kimura and T. Kinoshita: J. Synchrotron Rad. 24 (2017) 560-565.
を組み合わせることで、オペランド高時空間分解X線吸収分光(o-STXANES)計測(図10)の開拓に取り組んだ[28][28] K. Omika, K. Takahashi, A. Yasui, T. Ohkochi, H. Osawa, T. Kouchi, Y. Tateno, M. Suemitsu and H. Fukidome: Appl. Phys. Lett. 117 (2020) 171605.

 

図10 今回のo-STXANES計測系の概略

 

 

 本計測においては、DC電圧下でのオペランド・ナノ光電子分光で用いた同じGaN-HEMT試料を用いている。その理由の一つは、DC電圧下計測結果と比較できる点である。もう一つは、本試料は、GaN-HEMTを商用化した住友電工から提供されたものであり、耐久性・信頼性・再現性の点で極めて優れているからである。
 本計測は、GaN-HEMTへの電圧印加とX線チョッパーを同期させて行った(図10)。すなわち、ポンプを印加電圧としてプローブを放射光としたポンプ・プローブ測定を繰り返すことで、高い統計精度を有するo-STXANESフルスペクトルを取得することに初めて成功した。このようにして、印加電圧の変化により、GaN-HEMTの電子状態が時空間的に変化していく様子を観測した。
 そのo-STXANES計測結果を図11に示す。本o-STXANESスペクトルにおいて注目すべき点は、peak Aである。peak AはGa 2p3/2から伝導帯へのX線吸収過程を反映したものである[29-31][29] T. Mizoguchi, I. Tanaka, M. Kunisu, M. Yoshiya, H. Adachi and W. Y. Ching: Micron 34 (2003) 249-254.
[30] T. Mizoguchi, I. Tanaka, S. Yoshioka, M. Kunisu, T. Yamamoto and W. Y. Ching: Phys. Rev. B 70 (2004) 045103.
[31] T. Mizoguchi, T. Yamamoto, T. Suga, M. Kunisu, I. Tanaka and H. Adachi: Mater. Trans. 45 (2004) 2023-2025.
。そして、peak AはGa-Nの共有結合性を反映するものであり、peakの弱化は共有結合性の増加を示す[31][31] T. Mizoguchi, T. Yamamoto, T. Suga, M. Kunisu, I. Tanaka and H. Adachi: Mater. Trans. 45 (2004) 2023-2025.o-STXANES計測結果から、ゲート電極近傍において印加電圧を切った直後(1マイクロ秒後、図11(c))のみpeak Aが弱化している、すなわち、共有結合性が増していることが分かる。

 

図11 o-STXANES計測結果。(a) GaN-HEMTのo-STXANES像。S、G、Dはソース、ゲート、ドレインである。視野直径は15 μm。ST-XANES spectra of the regions I-IV、(b) 電圧印加前、(c) 印加電圧を切って1マイクロ秒後、(d) 27マイクロ秒後、(e) 34マイクロ秒後の領域I・II・III・IVのo-STANESスペクトル。

 

 

 この結果は、次のように解釈される。電圧印加により、GaN-HEMT表面に存在するドナー型表面準位は、(1)式に示される電気化学反応により中性化される。
 Ga+ + e- = Ga ・・・・・・・・ (1)
 この電荷授受は、印加電圧に起因して生じる大きな局所電界により誘起される。この大きな局所電界がゲート電極近傍のドレイン側に集中しているため、(1)の反応に従って起こるSETがゲート電極のドレイン側においてのみ進行するものと考えられる。そして、(1)は早い時定数を有する可逆反応であり、印加電圧を切ると表面捕獲電子は速やかに放出されると解釈される。よって、今回の観測結果は、我々が提案したSETの初期過程(ns~μs)(図8(a))を支持する[28][28] K. Omika, K. Takahashi, A. Yasui, T. Ohkochi, H. Osawa, T. Kouchi, Y. Tateno, M. Suemitsu and H. Fukidome: Appl. Phys. Lett. 117 (2020) 171605.
 一方、今回の観測結果は、ゲート電極近傍のみにおいてSETが観測されたという点で、DC電圧下の結果と異なる。この違いを説明するものは、表面ホッピングであると考えられる[24][24] R. J. Trew, D. S. Green and J. B. Shealy: IEEE Microwave Mag. 10 (2009) 116-127.。すなわち、ゲート電極近傍にあった表面捕獲電子が表面に沿って伝導し、ドレイン近傍まで存在するようになると考えられる[28][28] K. Omika, K. Takahashi, A. Yasui, T. Ohkochi, H. Osawa, T. Kouchi, Y. Tateno, M. Suemitsu and H. Fukidome: Appl. Phys. Lett. 117 (2020) 171605.(図8(b))。
 今回の研究成果は、等価回路の観点から、図12のように解釈される。この等価回路は、表面電子捕獲に起因する摂動項、および、それ以外の非摂動項からなる。摂動項は抵抗と容量からなる回路で表されている。摂動項の時定数は抵抗と容量の積で決まる。この時定数が、式(1)で表される表面電子捕獲ダイナミクスの時定数に相当する。

 

図12 簡便な等価回路モデルによる解釈

 

 

 以上、我々はオペランド時空間X線分光を開拓し、巨視的な電気特性評価では不可能だった表面電子捕獲の時空間ダイナミクス計測を実現し、さらに、その観測結果により等価回路モデリングによるデバイス動作の機構解明に資するものとなることを示した。

 

 

4. 今後の展望
 しかし、このままでは、オペランド時空間X線分光計測を用いて、デバイス動作機構の完全解明には至らない。それは、等価回路モデリングに任意性があるからである。例えば、前節のGaN-HEMTのデバイス動作を表現する等価回路モデルにおいては、摂動項を抵抗と容量の直列にしたが、並列や、さらには電流源を追加したものとして表すこともできることが知られている。すなわち、これらのいずれの場合でも、各成分の値を都合よく設定することで、電気特性の周波数依存性の実測値を再現できてしまうのである。オペランド時空間X線分光だけで適切な等価回路を選択できるようになればよいが、実際には、困難であるケースがでてくることが予想される。
 そこで、我々が提唱しているデバイス・インフォマティクス(DI)の創成が不可欠になる。DIとは、膨大なオペランド計測データの中から機能発現に本質的に関与する物性・構造の時空間ダイナミクスを抽出し、それとマクロに出力されるナノデバイス機能を結び付ける定量可視化した数理モデル(例:等価回路モデル)を機械学習の援用により導出し、機能発現機構を定量可視化する手法のことである。DIを用いて、物性論に基づいて等価回路を適切に選択できるようになれば、デバイスに留まらず、その上の階層である(計測用)回路とナノ物性ダイナミクスを定量的に結び付けることができ、機能計測値から物性を真に理解することができるようになる。応用面に関しても、例えば、先端デバイス構造設計(フィールド・プレートやリセス構造)や回路動作の問題(サイドゲート効果など)を物性論の観点から精密に議論できるようになるなど、オペランド時空間X線分光計測・DIが重要な貢献を果たすようになる。
 本研究は電子・光デバイスに限られるものではなく、電気化学反応に基づくデバイス(例:Liイオン電池や燃料電池)などにあてはまる。実際、電気化学反応の詳細を詳らかにするには、電気化学反応の周波数依存性を調べ、等価回路モデルに基づいて定量可視化して解析することが不可欠である[32][32] J. E. B. Randles: Discuss. Faraday Soc. 1 (1947) 11-19.。例えば、電気化学二重層や重要な電気化学パラメータでありながら未解明であるWarburgインピーダンスの働きを定量可視化して物性論的に精密に解明することは重要なテーマになるであろうと予想される。
 このようにして我々は、デバイス開発者が有する「暗黙知・ノウハウ」を、数理的に言語化した「形式知」にして創出することを目指している。これにより、デバイス開発者と物性研究者が共通の言語で議論できるようになり、新たなデバイスを生む土壌が醸成されることが期待される(図13)。

 

図13 オペランド時空間X線分光による新たなデバイス・物質科学の土壌の創出

 

 

謝辞
 本研究は、SPring-8 BL25SUのスタッフを始めとする関係者各位の多大なるご助力の下、SPring-8の利用研究課題として遂行された(課題番号:2016A1523、2016B1605)。本研究に関連して小嗣真人先生(東京理科大学)、木下豊彦博士(JASRI)、尾嶋正治先生(東京大学)、松田巌先生(東京大学)、渡邊一世博士(情報通信研究機構)から有益なご助言および討論をいただいた。本稿に関連する研究は、科研費(15H03560、23000008、16H06361、16H00953、18K19011、19H02590)、総務省戦略的情報通信研究開発事業(SCOPE)のフェーズI・フェーズII、NEDO産学連携マッチングファンド、住友電工グループ社会貢献基金、村田学術振興財団研究助成金、住友電工および信越化学からの受託研究費などによる助成を受けた。

 

 

 

参考文献
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[32] J. E. B. Randles: Discuss. Faraday Soc. 1 (1947) 11-19.

 

 

 

吹留 博一 FUKIDOME Hirokazu
東北大学 電気通信研究所
〒980-8577 宮城県仙台市青葉区片平2-1-1
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