Volume 24, No.4 Pages 466 - 467
4. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
2019A期におけるSPring-8/SACLAユーザー要望等について
SPring-8/SACLA User Requests in 2019A
SPring-8およびSACLAでは、各ビームタイム終了後に実験グループごとに「ビームタイム利用報告書」を提出いただいております。この報告書には、その実験の概要、次回の利用者へのアドバイスや施設に対する要望、提案等を記入いただいております。
2019A期における要望等の状況は下記のとおりです。これら要望等と、それに対する施設側の回答(内容により、必ずしも全てではありません)につきましては、User Informationで公開されています。
1. 2019A期 要望等全体概要
2019A期 | 実施 課題数 |
利用実験数 (報告書数) |
うち、要望等コメントがある*1報告書数 | ||
技術的要望等 | 施設他要望等 | その他(お礼) | |||
SPring-8共用BL | 717 | 1,148 | 60 | 52 | 125 |
SACLA共用BL | 56 | 64 | 12 |
*1「なし」「None」等のコメントを除く。
<SPring-8共用BL技術的要望等(計60件)の研究分野/手法*2別内訳>
手法\分野 | 生命科学 医学応用 |
物質科学 材料科学 |
化学 | 地球・ 惑星科学 |
環境科学 | 産業利用 |
X線回折 | 12 | 5 | 3 | 5 | ||
X線散乱 | 1 | 1 | 2 | |||
X線非弾性散乱 | 4 | |||||
X線・軟X線吸収分光 | 1 | 5 | 4 | 1 | 5 | |
光電子分光 | 3 | 1 | 1 | |||
X線イメージング | 2 | 1 | 1 | 1 | ||
その他 | 1 |
*2課題申請時の利用者申告ベース。
2. 2019A期 要望等の内容(一部抜粋)
(1)技術的要望等
○ステップスキャンでの測定において、測定開始角度が設定値から大きくずれる現象が頻繁に確認された。測定開始前にあらかじめMoveθで開始角度近くまで移動させると角度のずれがほぼ抑制された。この点は改善された方がよいと思われる。
【化学/X線・軟X線吸収分光】
○今回の測定で、マイクロスポット集光のメリットを実感しました。この素晴らしい装置のさらなる今後の発展のため、以下に幾つかコメントを差し上げますので、参考にして頂けると幸いです。
①測定の自動化
現状、励起光エネルギーを変える時には、Gap、Slit、Gratingの値をLabViewパネルに手動で打ち込むことになっています。打ち込み時間、さらにはヒューマンエラーまでも含めると、ここの作業にかなりの時間をとられてしまいますので、放射光と軟X線ARPESの強みであるkz分散の測定を行いづらい環境です。やはりビームライン制御の自動化は必要かと感じました。
②試料位置の経時変化
マイクロオーダーで試料が動くと測定に影響が出てしまうほど光がよく集光されているので、温度依存性測定に対応させるべきかと思います。ドメインの小さい試料を測定する場合、マニュピレーター全体の温度が安定するのを待った上で、場所を探しなおしてから測定を行うため、かなり時間のロスがあります。この点は、試料周辺だけ局所的に温度を制御できるように、ヒータを使う環境を整備すれば改善できるかと思います。また、温度が安定しているにも関わらず、測定中に試料が動いてしまい、測定をやり直す事が何度かありました。解決するためには、マニュピレーター制御とは別に、試料位置を安定化させる機構が必要であるように思います(例えば、マニュピレーターのどこかにリファレンスをおいて、その位置をレーザーで見てフィードバックするなど)。
【物質科学・材料科学/X線・軟X線吸収分光】
○全自動測定の測定ジョブを発生させたが、ジョブが実行される毎にHeクライオに温度を下げることを示す警告が立ち上がり、結局、人がコンソールに張り付いてエンターキーを押す作業を入れないといけない状況だった。可能であれば、警告表示が出ないモードも検討して頂ければと思います。また、BSSの画面に表示される測定条件が入力値と大きく異なっていたが、実行後に入力値が後から反映されるため、この仕様に気がつくのにしばらく時間がかかった。こちらも入力した値が反映されるように対応して頂ければと思います。
【生命科学/X線回折】
(2)施設その他要望等
○宿舎にウォシュレットがほしい。また、夏は虫が大量にいて、部屋にも入ってくるので、虫の対策をしてほしい。コンビニの開店時間を長くしてほしい。
○宿舎へのチェックイン、チェックアウト可能時間を延長してほしい。具体的には、14時チェックイン、5時チェックアウトが実現できないでしょうか。事前打ち合わせ、準備時間の確保、始発バスの利用を考えると、メリットは大きいと思います。
○実験準備室にソファーがあると、よりしっかりと休憩ができてありがたいです。
○重い荷物を持って来所する際や雨の際に移動に坂道を登って移動するのは苦労するので、線量計・ユーザーカードの受け取りをバス停に近く、より高い位置にある中央管理棟付近でできるとありがたい(夜間についても)。
3. 要望等及び施設側回答の公開場所
SPring-8/SACLA User Informationのいずれからも検索・閲覧ができます。
[検索・閲覧手順]
① 「ビームタイム利用報告書(要望・回答)検索」
② 利用期、ビームライン番号等を入力
③ 「検索」