Volume 20, No.1 Pages 52 - 58
1. 最近の研究から/FROM LATEST RESEARCH
平成21年度指定パワーユーザー活動報告(5)
X線天文学新展開のための次世代X線望遠鏡システム評価技術の開発
Development of a System for Characterization of Next-generation X-ray Telescopes for Future X-ray Astrophysics
[1]名古屋大学 現象解析研究センター Center for Experimental Studies, Nagoya University、[2]名古屋大学大学院 理学研究科 Graduate School of Science, Nagoya University
(1)
指定時PU課題番号/ビームライン | 2009A0088/BL20B2 | ||||||||||
PU氏名(所属) | 國枝 秀世(名古屋大学) | ||||||||||
研究テーマ | X線天文学新展開のための次世代X線望遠鏡システム評価技術の開発 | ||||||||||
装置整備 | X線天体観測装置の評価技術の高度化 | ||||||||||
利用研究支援 | 当該装置を用いた利用実験の支援 | ||||||||||
利用期 | 09A | 09B | 10A | 10B | 11A | 11B | 12A | 12B | 13A | 13B | 合計 |
PU課題実施シフト数 | 36 | 54 | 48 | 54 | 56 | 33 | 48 | 53 | 45 | 39 | 466 |
支援課題数 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 1 | 1 | 1 | 6 |
(2)PU活動概要
2.1 ASTRO-H硬X線望遠鏡(HXT)
X線は周波数が金属のプラズマ振動数よりも大きく、直入射ではほとんど反射されない。従って宇宙観測用X線望遠鏡は、反射鏡をバウムクーヘン状に並べたWolter-I型の斜入射光学系の形をとる(図1)。これまでのX線望遠鏡は、全反射の原理を使ってX線を反射しており、従って、E > 10 keVのX線に対しては臨界角が非常に小さくなり、反射効率が極端に低かった。そのため、E > 10 keVのX線を用いた宇宙の撮像観測は、未開拓の領域であった。
図1 Wolter-I型斜入射光学系
日本が2015年度に打ち上げ予定のASTRO-H衛星には、我々が開発・製作した硬X線望遠鏡(Hard X-ray Telescope; HXT)が2台搭載され、1台目をHXT1、2台目をHXT2と呼ぶ(図2)。HXT1とHXT2は全く同じデザインであり、口径450 mm、焦点距離12 m、反射鏡の総ネスト数213である。これまでのX線望遠鏡との最も大きな違いは、反射鏡内面にPtとCの多層膜を採用している点である。これにより、ブラッグ反射で、E > 10 keVの高エネルギーX線でも反射出来る(図3)。多層膜の層厚が一定の場合、入射角に対して決まったエネルギーのX線しか反射出来ない。そこで、深さ方向に厚さを徐々に変化させ、色々なエネルギーのX線を反射出来るようにする。これをスーパーミラーと呼ぶ。スーパーミラーの採用により、HXTは、E = 10 − 80 keVのX線を反射集光出来るようになった。HXTの焦点面には、SiとCdTeを利用した半導体撮像検出器(Hard X-ray Imager; HXI)が設置される。HXT + HXIのシステムで、硬X線による宇宙の撮像分光観測がスタートする。例えば、ほとんどすべての銀河の中心には巨大ブラックホールが存在すると考えられているが、もし厚い星間物質で覆われていると、通常の電磁波は吸収されてしまい、観測することが出来ない。しかし透過力の強い硬X線ならば、厚い物質を貫通出来る。ASTRO-H HXTでは、このような厚い物質で覆われた未発見の巨大ブラックホールの探査が進むと期待される。
図2 ASTRO-H衛星搭載硬X線望遠鏡(Hard X-ray Telescope; HXT)。写真はHXT1。
図3 多層膜によるブラッグ反射の概念図。λ1、λ2、λ3は波長の異なるX線を表す。
HXTを組み上げる際には光学調整を行う。またHXT組み上げ後は、有効面積、角度分解能といったHXTの基本的な性能を、ASTRO-H打ち上げ前に地上で測定しなければならない。これらには、平行度の高い、E = 10 − 80 keVのX線ペンシルビームを使う。現実的な時間内で測定を行い、さらにシステマティックな誤差を低く抑えるには、強く安定したビームが必要である。これらの条件を満たすX線ビームラインは、世界中でもSPring-8 BL20B2しかない。そこで我々は、ASTRO-H HXTの開発のみならず、それに続く次世代のX線望遠鏡開発も念頭に置いたX線望遠鏡性能評価システムをBL20B2に構築するべくPU課題申請を行い、採択され、2009年度より活動を行ってきた。本記事では、その活動内容の一部を報告させていただく。
2.2 研究内容
2.2.1 焦点距離12 mの光学系の特性測定システムの確立
望遠鏡特性を測定するために、BL20B2ハッチ内で、HXTと検出器をそれぞれ精密移動台に搭載し、HXTの全面を単色化したペンシルビームで走査する(図4)。具体的には、X−Y軸移動、方位角、仰角、光軸回転の5自由度を持つステージを設置し、これに口径45 cm、重量70 kgの望遠鏡を搭載し、固定X線ビームに対して操作する。焦点面検出器としてはイメージインテンシファイアやX線シンチレーターを使用し、望遠鏡ステージと同期して3軸に移動するステージに搭載した。それぞれの制御精度は約2 µm、約1秒角である。2009年A/B期にはまずHXT試作ハウジングに反射鏡を組み込み、多層膜反射鏡の測定と望遠鏡としての特性測定法を確立した。
図4 BL20B2での実験セットアップの概念図
2.2.2 望遠鏡評価方式の確立
飛翔体に搭載した望遠鏡は、飛翔前に単色で平行度の良いX線を照射し、その集光効率、結像性能を正確に測定しておく必要がある。これにより観測された焦点面検出器で得られる情報から、天体の本来の強度分布、スペクトルを求めることが出来る。SPring-8 BL20B2は高い単色性で平行度の高く強いビームが得られ、特性測定に最適である。
我々は、これまでの衛星搭載X線望遠鏡、気球搭載硬X線望遠鏡の特性試験の経験から、以下の項目の測定が必要であると考え、SPring-8を用いた測定計画を立案した。
・有効面積のエネルギー依存性と入射角依存性(視野)
・結像性能(Half Power Diameter; HPD)
・迷光
2.2.3 望遠鏡開発アドバイザー
ASTRO-H HXTでは望遠鏡開発を進めている諸外国の専門家を招聘し、望遠鏡開発、特性測定計画についてのアドバイスを受けることにした。2010年2月20~23日には7名の研究者を日本に招聘し、望遠鏡を開発している名古屋大学の実験室を見せるとともに、SPring-8に招き、測定システムを見せ、特性測定計画を説明した。その目的は、ASTRO-H HXT計画実施へのアドバイスを受けるとともに、SPring-8に設置した宇宙観測X線望遠鏡性能評価システムを紹介することであった。これまでの望遠鏡較正試験は、軟X線に限られたり(宇宙科学研究所、ESA試験装置)、拡散光しか出ない(MPE: Panther)などの制限があった。SPring-8に我々が構築した計測システムの優れた点を知ってもらい、将来的に硬X線望遠鏡較正の世界標準システムとして認知されることを目指した。この結果、このときのアドバイザーの1人であるGiovanni Pareschi博士(イタリア、ブレラ天文台)が開発中の望遠鏡の特性測定の実験を、2010年にSPring-8で実施することとなった。
2.2.4 光学調整法の確立と改良
HXTは、0.2 mm厚のアルミ基板の上下端を、アラインメントバーに刻んだ溝にはめ込むことで反射鏡の入射角を規定し、焦点へ集光する。光学調整は結像が最も鋭くなるように、アラインメントバーの位置を調整することで行う。X線望遠鏡は反射鏡2段でX線を反射して結像するため、2段の反射鏡の傾きを調整する必要がある。組み上げ手順としては、まず下段に反射鏡を詰めて焦点調整を行った後、上段の反射鏡を詰めて2段反射後の焦点を最適化する調整を行う。
これらの調整において、当初は一旦焦点面像を測定し、そのずれを直すべく、望遠鏡をステージから外して、マイクロメータで測定しながらアラインメントバーの位置決めを行った。収束するまでこの調整を繰り返すため、長い時間が必要であった。これを改善するため、望遠鏡鏡筒にピエゾアクチュエータを取り付け、リアルタイムで撮像と調整を実施することにし、大幅に効率化した。
2.2.5 搭載用望遠鏡の特性測定結果
BL20B2では、非常に平行度の高いX線ビームを得ることが出来る。また、HXTの焦点距離に対応して、検出器(イメージインテンシファイア、CCD)を望遠鏡から12 m離しておくことが出来る。図5のように座標軸を設定し、X線望遠鏡を種々の位置に傾けてX線を照射し、性能評価を行う。しかし、直径約40 cmのHXT全体に同時にX線を照射することは出来ない。そこで、例えば10 mm × 10 mmのX線ビームを作り、図6のようにモザイク状にビームを当て、HXTの性能評価を行っている。
図5 性能評価実験での座標系
図6 HXTへのビーム照射パターンの一例。小さな四角が10 mm × 10 mmのX線ビームに対応。1セグメント全体をカバー。
主な測定項目は、1.結像性能、2.有効面積、3.視野(vignetting function)、4.迷光、である。各種目の測定エネルギーは、表1の通りである。
上記の他に、HXT2に対しては、E = 20 − 70 keVの範囲でΔE = 1 keV刻みで有効面積のエネルギー依存性を調査した。これは、ブラッグ反射による微細構造の有無を調査するためである。
表1 HXT性能評価の測定X線エネルギー
測定X線エネルギー(keV) | ||||||
20 | 30 | 40 | 50 | 60 | 70 | |
結像性能 | 2 | 1, 2 | 1, 2 | 1, 2 | 1, 2 | 1, 2 |
有効面積 | 2 | 1, 2 | 1, 2 | 1, 2 | 1, 2 | 1, 2 |
視 野 | 1 | 1, 2 | ||||
迷 光 | 1, 2 | 2 |
「1」はHXT1、「2」はHXT2を表す。
光軸決定と視野
HXTの光軸を、有効面積が最大になるX線入射方向、と定義する。光軸を決めるためには、有効面積のX線入射角依存性(= vignetting)を調べる必要がある。HXTの有効面積は、
(HXT有効面積)=(HXT開口面積)×(反射像X線カウント数)/(直接光X線カウント数)
の式で求める。まず、HXTの各セグメントに対してvignettingを求める。HXT2の第二セグメントのvignettingを図7に示す。
図7 HXT2の第二セグメントのvignetting
次に、各セグメントのvignettingを合成して、望遠鏡全体のvignettingを計算し、望遠鏡の光軸方向を決める。HXT1では30 keVと50 keVの2つのエネルギーでvignettingを測定しているが、50 keVのvignettingの方が幅が狭い。従って光軸はHXT1、HXT2ともに50 keVのvignettingで決定した。図8にHXT2全体のvignettingを示す。望遠鏡視野をvignettingの半値幅と定義すると、HXT2の場合、50 keVのX線に対して5.6分角となった。数値シミュレーションでは5.3分角と予想されており、ほぼ同等の数値が得られた。
図8 50 keVのX線に対するHXT2全体のvignetting
有効面積
光軸が決定したので、光軸に対する有効面積を求めた(図9)。HXT1、HXT2の間に大きな差は見られない。また、HXT1、HXT2ともに、要求値である30 keVで150 cm2、50 keVで55 cm2を上回っていることを確認した。測定値を理論モデルと比較すると、界面粗さ~0.41 nm、throughput~0.75と概ね一致することがわかった。ここでthroughputとは、理論モデルと実測値の比である。HXTに特有のものではなく、あすか衛星以降の多重薄板型X線望遠鏡で常に観測されている。その起源は不明だが、反射鏡フォイルの微妙な形状ゆがみによるケラレなどに起因すると推測している。
図9 HXTの光軸での有効面積
HXT2に関しては、ΔE = 1 keV刻みでの、エネルギー依存性も測定した(図10)。37 keV、44 keV、66 keVでは2回測定を行っており、これらから再現性は、1~5%程度と見積もられた。ブラッグ反射に起因する複雑な構造が懸念されていたが、数%以下のレベルであることが確認された。また、throughputが高エネルギーにいくにつれてなだらかに落ちていることがわかる。throughputの起源解明への手掛かりの一つとなるだろう。
図10 HXT2の有効面積のエネルギー依存性の詳細測定。測定値を赤、理論モデル値を黒、throughputを下段に示す。再現性確認のための再測定は水色で示している。
結像性能
焦点面では、図11(左)のような像が得られる。結像位置を中心とする半径の円を描き、その円に含まれる光子数を計測する。全光量の半分を含む円の直径をHalf Power Diameter(HPD)と呼び、これを結像性能の指標とする。各エネルギーのX線に対し、図11(右)のようなHPDが得られた。HPDの結像性能に対してHPD = 1.7分角が要求されているので、概ね要求通りの性能が出ていることがわかる。また、エネルギーが高くなるほど結像性能が良くなっていることがわかる。これは、臨界角度のX線エネルギー依存性に起因していると考えられる。低いエネルギーのX線は臨界角度が大きいので、望遠鏡全面で反射されるのに対し、高いエネルギーのX線は内側の反射鏡しか有効に反射しない。外側のフォイルは円周方向のサイズが大きく、それだけ形状もゆがみやすい。それゆえ、低エネルギーX線に対する角度分解能は、高エネルギーX線に対して若干悪くなる傾向にあると考えられる。
図11 (左)HXT2の30 keV X線に対する焦点面像。(右)各エネルギーのX線に対するHPD。典型的な不定性は0.1分角。1.7分角の点線は目標値を示す。
迷光
正規の2回反射以外の経路をたどって検出器に届くX線を迷光と呼ぶ。これを防ぐため、HXTは上段にプリコリメータ(Pre-Collimator; PC)を搭載している。
PCの効果を確認するため、望遠鏡を12分角、20分角傾けてX線を照射し、検出器位置に届いてしまうX線を測定した。HXT1に30 keVのX線を照射した場合の例を図12に示す。このように、PCを搭載すると確かに迷光が減っていることが確認出来た。12分角の場合、PCを搭載すると迷光は40%減る。20分角の場合、ほぼすべての迷光を防ぐことが出来た。
図12 E = 30 keVのX線に対するHXT1の迷光測定。(左)12分角、PCなし、(中)12分角、PCあり、(右)20分角、PCあり。白い四角は検出器(HXI)サイズ。
2.2.6 ユーザー支援
将来のX線天文学に向けて、軽量かつ高解像度のX線望遠鏡が望まれている。そのために、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)による反射鏡基板開発が試みられている。CFRP基板なら、Wolter-I型望遠鏡の二次曲面を容易に再現出来るので、角度分解能の向上が期待出来る。この計画は平成24年度より、独立行政法人科学技術振興機構 研究成果展開事業(先端計測分析技術・機器開発プログラム)に、研究課題「CFRPを用いた超軽量精密光学素子の開発」代表 國枝秀世として採択された。このプログラムの一環として、実験責任者 粟木久光「CFRP基板を用いた軽量次世代硬X線望遠鏡の性能評価」が、2012B期、2013A期、2013B期に採択され、BL20B2によるX線照射実験を行った。我々はBL20B2のPUとして、この実験をサポートした。
ASTRO-H Soft Gamma-ray Detectorに搭載される高精細金属コリメータの性能評価には、平行度の高いX線ビームが必要である。そのために、2011年11月に我々のPUとしての実験時間の一部を使用して、コリメータへのX線照射実験を行った。その結果、所定のX線透過率を持っていることがわかった。
2011B1010「衛星搭載用硬X線ガンマ線撮像検出器の応答測定」実験責任者 国分紀秀(宇宙科学研究所)の実験をPUとしてサポートした。これは、HXTの焦点面に置く検出器Hard X-ray Imager(HXI)にX線を照射し、性能評価する実験であり、所定の性能が出ていることを確認した。
2010B1551「Hard X-ray (< 80 keV) characterization of a high angular resolution (20 arcsec) optic prototype for the New Hard X-ray Mission」実験責任者 Daniele Spiga(ブレラ天文台)の実験を、PUとしてサポートした。我々が構築したX線望遠鏡評価システムを利用して、図4のようなセットアップでX線照射実験を行った。
2.3 まとめ
以上のように、本PU研究期間でHXTの地上較正実験はほぼ想定通り進めることが出来た。そして、HXTはほぼ想定通りの性能を持っていることがわかり、安心して先のステージへと進むことが出来る。ASTRO-Hは2015年度の打ち上げが予定されており、我々はHXTが大きな成果を生み出すことを楽しみにしている。また、国際共同研究を含む各種の共同研究への発展も行うことが出来た。これらの成果は、BL20B2担当の上杉健太朗氏、鈴木芳生氏らの多大な尽力に負うところが非常に大きい。ここに厚く御礼申し上げます。
(3)成果リスト(査読有り論文)
SPring-8利用研究成果登録データベースに登録済みで、PU課題番号が関連づけられた査読付き論文のみを掲載します。(その他、PUとして支援した一般課題の発表論文やポスター発表、受賞歴など多数の成果がありますが、掲載スペースの都合上割愛しています。)
[1] SPring-8 publication ID = 25795
Y. Yao: "Theoretical Analysis, Design and Fabrication of Supermirrors for Hard X-ray Telescopes" Doctor Thesis (Nagoya University) (2010).
[2] SPring-8 publication ID = 27150
T. Miyazawa et al.: "Recent Results of Hard X-ray Characterization of ASTRO-H HXT at SPring-8" Proceedings of SPIE 8443 (2012) 84435C.
[3] SPring-8 publication ID = 27151
H. Mori et al.: "The Pre-Collimator for the ASTRO-H X-ray Telescopes: Shielding from Stray Lights" Proceedings of SPIE 8443 (2012) 84435B.
[4] SPring-8 publication ID = 27152
H. Awaki et al.: "Current Status of ASTRO-H Hard X-ray Telescopes (HXTs)" Proceedings of SPIE 8443 (2012) 844324.
[5] SPring-8 publication ID = 27154
T. Miyazawa et al.: "The Current Status of Reflector Production and Hard X-ray Characterization for ASTRO-H/HXT" Proceedings of SPIE 8147 (2011) 814703.
[6] SPring-8 publication ID = 27155
T. Miyazawa et al.: "Current Status of Hard X-ray Characterization of ASTRO-H HXT at SPring-8" Proceedings of SPIE 7732 (2010) 77323I.
[7] SPring-8 publication ID = 27156
T. Miyazawa et al.: "Recent Results from Hard X-ray Telescope Characterization at SPring-8" Proceedings of SPIE 7437 (2009) 74371P.
[8] SPring-8 publication ID = 28059
H. Awaki et al.: "The Hard X-ray Telescopes to be onboard ASTRO-H" Applied Optics 32 (2014) 7664-7676.
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