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Volume 15, No.2 Pages 85 - 86

3. 研究会等報告/WORKSHOP AND COMMITTEE REPORT

APS-ESRF-SPring-8 Three-Way Meeting User Office Satellite Workshop報告
APS-ESRF-SPring-8 Three-Way Meeting User Office Satellite Workshop

牧田 知子 MAKITA Tomoko

(財)高輝度光科学研究センター 利用業務部 User Administration Division, JASRI

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1.はじめに

 本User Office サテライトワークショップは、今まで培ってきた知識や経験を共有し、より効果的・効率的な運営に役立てることを目的に、2010年4月12日、SPring-8において開催された。今回は3回目にあたり、1回目は2004年11月にSPring-8で、2回目は2008年3月にAPSで開催されている。

 

 

2.参加者

 APS、ESRFおよびSPring-8の役員、User Officeとその関係部署 のスタッフ、そして今回特別にPETRAIIIから派遣された代表を合わせ、22名の参加があった。

 

 

3.会議内容

 SPring-8/JASRI大野専務理事の挨拶の後、APSはMillsが、ESRFはMacCarthyが、SPring-8はJASRI牧田が、それぞれ前回の会議以降の各施設ユーザーオフィスに関係する現状報告を行った。話題をいくつか上げると、APSでは、アルゴンヌ研究所内の国立利用者施設5施設において共通に利用できる賠償責任、知的財産、財務処理に関するMaster User Agreementが策定され、2010年から適用されていること、ESRFではアップグレードプログラムが開始されたこと、2009年11月、ESRFとILLとの間にソフトコンデンスドマターにおける協力(PSCM)が開始されたこと、CPERプロジェクトが創設され、新しい共有施設の建設が2011年に開始されること、新bio-SAXSビームラインが随時募集の形で課題を受け入れることになったこと、Macromolecular crystallography(MX)実験におけるリモートアクセスなどの紹介があった。

 次のセッションからそれぞれのUser Office が進めていること、解決したい問題点などのトピックスを議論した。トピックスは以下のとおりである。最初に、SPring-8が取り組まなければならない成果公開の促進について、SPring-8の現状として論文登録のない実験責任者の数が多いこと、考えている解決案を示した。SPring-8より遙かに多くの論文登録があるESRFの取り組みの報告を受けた。ESRFでは、ユーザーは必ず論文を発表しているので、それをいかに集めるかの方策であり、論文中にESRFと書かれたものを図書館員が検索で探し、課題情報との関連についてユーザーに問い合わせること、課題申請と論文登録のデータベースをリンクさせてユーザーが登録しやすくしていることが紹介された。

 次にSPring-8/JASRI利用業務部のシステムサポートチームの神辺から、課題申請締め切り間際のアクセス集中時においても、申請者が快適に入力できるよう構築したシステムを紹介した。また、同松本が、先の話題の論文登録促進策としてシステム側からのサポートのアイデアなどを紹介した。

 また、ESRFからの要望で、統計資料を作るときにどのようなツールを用いているか情報交換を行った。SPring-8/JASRI坂尻が現在行っている方法を説明して、議論に入った。どの施設のUser Officeも、出資者や納税者、政府への統計データの提供の仕事が多いことがわかった。

 午後のセッションでは、まずAPS Quintanaから、Social Network Analysisを用いてユーザーコミュニティを理解するためのソシオグラムの手法が紹介され、施設に役立つ分析の項目をこの手法から得ることができるという新しい見方を得た。

 次にAPSからの要望である、産業利用ユーザーへのアウトリーチについて議論した。SPring-8からは、JASRI産業利用推進室長廣沢から、産業利用はかつて5%であったものが今は20%に達している理由として、国からの産業利用プログラムの支援、コーディネーター制度導入と共用ビームラインとして産業利用ビームラインが3本に増設されたことであると説明した。APSからは、今まで産業利用にはアウトリーチ活動や支援体制にそれほど時間と努力を割いてこなかったが、今はアウトリーチ活動を行う専門家を一人配置し、専用Webサイトも作成し、成果専有課題の申請と審査の新しいポリシーと手続き方法を作りつつあることが報告された。また、SPring-8/JASRI山田がSPring-8の利用料金のシステムを説明し、昨年各施設に個別に問い合わせた成果専有料金をまとめてフィードバックした。

 残りの時間は、ESRFから提案された、ユーザーに対する安全やセキュリティの問題、ジョイントプロポーザルとそれに伴うデータベースの問題について議論した。ESRFやAPSは、サイト内にいくつかある研究施設のうちの一つが放射光施設であり、ESRF はこれからサイト内のジョイントプロポーザルのシステムを作る必要があること、SPring-8はまだその必要性がないこと、APSは前述のとおり部分的ではあるが、すでにあることが紹介された。

 参考として本会議のプログラムを文末に示す。

 

 

4.おわりに

 3極のユーザーオフィスが経験や問題点を共有し解決方法を議論できたことは有意義であった。今回解決できなかった問題も次回には解決できるよう3極のユーザーオフィスは今後も協力し合うことを確認して会を閉じた。

 

 

 

 

写真:会議の様子(Three-Way Meeting 事務局撮影)。

 

 

 

(参考)プログラム

User Office Satellite Workshop Three-Way Meeting (3WM) April 12, 2010

Conference Room A 1F Main Building

09:10 Welcome address
 H. Ohno - SPring-8
09:15 Overview Presentations - updates
 D. Mills - APS
 J. MacCarthy - ESRF
 T. Makita - SPring-8
10:15 Issue of Publications: Presentation and Discussion
 T. Makita - SPring-8
 J. MacCarthy - ESRF
11:05 Break
11:10 Proposal Management System and Demo
 K. Shinbe - SPring-8
11:30 Topics from System Support Team
 W. Matsumoto - SPring-8
11:50 Statistics Tools: Presentation and Discussion
 S. Sakajiri - SPring-8
12:10 Lunch
13:10 A Graphical Representation of APS User Visits: Presentation
 J. Quintana - APS
13:30 Outreach to Industrial User Community: Presentation and Discussion
 I. Hirosawa - SPring-8
14:10 User Fees: Presentation
 Y. Yamada - SPring-8
14:25 Break
14:30 Other Matters of Interest
 - safety and security requirements for users
 - joint proposal
 - database management
(avoiding double entries)
15:20 Adjourn

 

 

 

牧田 知子 MAKITA Tomoko

(財)高輝度光科学研究センター 利用業務部

〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1

TEL:0791-58-0961 FAX:0791-58-0965

e-mail : makita@spring8.or.jp

 

 

Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794