Volume 13, No.3 Pages 216 - 217
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
平成19年度の選定委員会の活動状況
Activities of the SPring-8 Selection Committee in the 2007 Fiscal Year
平成18年7月の「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律」施行に伴い、利用促進業務(利用者選定業務及び利用支援業務の総称)を行う登録施設利用促進機関JASRIに設置された選定委員会は、施設利用研究に関し学識経験を有する者により構成され、JASRIが行うSPring-8の利用者選定業務に関し意見を述べる委員会である。平成19~20年度は新たな委員が委嘱され、平成19年度の選定委員会は3回開催された。第3回選定委員会において委員の互選により坂田誠氏が委員長に選出され、佐々木聡氏が委員長代理に指名された。
第3回選定委員会では、新たな委員構成となったため、改めて選定委員会の位置づけ、役割等について説明が行われ、確認された。その後、事業説明が行われ、2007B期における12条枠の各戦略課題の実施内容が示された。また、産業利用ビームライン測定代行(試行)の実施案について説明があり、実施概要、今後の検討事項及び試行後の本格実施の可能性等が説明された。さらに、共用ビームタイム枠の妥当性の評価・承認の考え方及び2007B期のシフト配分案について質疑が行われた。これは、重点領域のビームタイムの大枠を選定委員会で設定し、各期のビームタイムシフト数については、設定された大枠に従い利用研究課題審査委員会委員とJASRIで決定するものである。いずれの事項も了承された。
第4回選定委員会では、平成20年度以降の重点メディカルバイオ領域の指定について説明があった。また、パワーユーザーについて、指定制から公募制に制度を変更する案の説明があった。さらに、供用方針の変更により導入した成果公開・優先利用枠の利用制度や、若手人材育成を目的とした萌芽的研究支援課題を加えることによる利用範囲の拡張について説明があった。加えて、SPring-8における専用施設についての現状と、専用施設審査委員会業務についての説明があった。以上の事項について、各委員より意見や指摘があり、それらを踏まえ、今後の運用に活かしていく事を確認した。いずれの項目も了承された。
第5回選定委員会では、平成19年10月4日に改正された「特定放射光施設の共用の促進に関する基本的な方針」の改正内容を踏まえて、「共用施設の利用研究課題選定に関する基本的考え方」及び「専用施設の設置及び利用に関する基本的考え方」についての改定案が説明された。改定案においては、基本方針の中で新たに示された、成果創出の促進、人材育成機能の必要性等を踏まえた改正内容とした。また、重点産業利用課題で実施されている、「利用報告書公開日延期」の制度を、専用施設にも適用する案が説明されたが、これについては今後更なる議論を重ね検討していくこととなった。
第3回選定委員会
[日 時]平成19年5月23日(水)13:30~15:30
[場 所]大手町サンケイプラザ
[主な議題]
(1)2007B期における12条枠課題(戦略課題)の実施について
(2)共用ビームタイムのシフト枠の妥当性の評価・承認及び2007B期のシフト配分について
(3)産業利用ビームライン測定代行(試行)の実施について
(4)JIAC報告書概要
第4回選定委員会
[日 時]平成19年9月28日(金)13:30~15:20
[場 所]大手町サンケイプラザ
[主な議題]
(1)重点メディカルバイオ領域について
(2)パワーユーザーの公募について
(3)専用施設の現状と専用施設審査委員会の業務について
(4)成果公開・優先利用枠の利用制度について
(5)2007A期利用研究課題の実施について
(6)007B期利用研究課題の審査について
(7)法第12条枠(登録機関研究者利用枠)の利用に関する承認申請及び利用実績報告について
第5回選定委員会
[日 時]平成20年3月26日(水)13:30~15:30
[場 所]ベルサール神田
[主な議題]
(1)「放射光共用施設の利用研究課題選定に関する基本的な考え方」及び「放射光専用施設の設置計画の選定に関する基本的考え方」の一部改正について
(2)専用施設における「利用報告書公開日延期制度」の導入について
(3)萌芽的研究支援評価委員会評価結果について
(4)2008A期利用研究課題審査結果について
(5)法第12条枠(登録機関研究者利用枠)の利用実績報告について
(6)測定代行の実施状況について
(7)平成20年事業年度特定放射光施設利用促進業務実施計画について
以 上