SPring-8 / SACLA Research Report

ISSN 2187-6886

Volume3 No.1

Section C : Technical Report

BL10XU(高圧構造物性)の現状(2014)
Present Status of BL10XU (2014)

DOI:10.18957/rr.3.1.137
2010A1967, 2010B2064, 2010B2068, 2011A2071, 2011B2101, 2012A1844, 2012B1982 / BL10XU

平尾 直久、大石 泰生

Naohisa Hirao, Yasuo Ohishi

(公財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門・構造物性Iグループ

Materials Structure GroupⅠ, Research & Utilization Division, JASRI

Abstract

 BL10XU高圧構造物性ステーションは、高強度・高指向性の放射光X線を利用した高エネルギーX線回折法とダイヤモンドアンビルセル高圧装置を組み合わせることにより、超高圧下での精密結晶構造解析が実施されている。主な供用研究分野は、高圧構造物性科学・材料科学および地球科学である。高圧・低温/高温により誘起される現象は多種多様な様相を呈しており、単体元素や新奇化合物に至る幅広い物質で発現する多彩で複雑な構造相転移や物性が研究されている。また地球・惑星深部状態を模擬した高温高圧条件における核・マントル物質の構造状態や相平衡関係、密度変化に関する研究も行われている。2013年度においては、1)分光結晶の変更と液体窒素循環冷却システムの導入およびマルチ結晶分光器への改造、2)高エネルギーX線マイクロビーム生成・評価試験、3)高圧X線回折・放射光57Feメスバウアー吸収分光複合同時測定システムの高度化が行われた。


キーワード:液体窒素冷却シリコン二結晶分光器、マルチ結晶切り替え、高エネルギーX線マイクロビーム、放射光57Feメスバウアー吸収分光法


I.基本性能と実験装置

(詳細は、http://www.spring8.or.jp/wkg/BL10XU/instrument/lang/INS-0000000437/instrument_summary_viewを参照)

1.光源と光学系

 ビームラインの光源は、真空封止型短周期ハイブリッドアンジュレータであり、周期長24 mm、周期数186である。アンジュレータ放射の基本波で、7.8 keVから25.3 keVまでのエネルギー領域をカバーしている。液体窒素冷却のSPring-8標準型シリコン二結晶分光器(DCM)が設置され、単色X線が発生可能である。同DCMではマルチ分光結晶交換システムが採用されており、使用エネルギーに応じて Si 111結晶とSi 220結晶を切り替えることが可能である。利用可能なX線のエネルギー範囲は、14~61 keV (Si 111またはSi 220)である。DCMは2013年度に高度化された(下記Ⅲ章参照)。BL10XUでは、高強度の単色化された高エネルギーX線をマイクロサイズまで集光するため、二種類のX線屈折レンズ(CRL)が設置されている。DCM下流側(光源から42 mの位置)に、X線の角度発散を抑制し、コリメートするためのグラッシーカーボン製(GC)製CRLが設置され、試料500~800 mm上流側に微小スポットに集光するためのSU8ポリマー製CRLが置かれている。これらの集光光学系と、強度損失低減用SU8-CRLおよび仮想光源・空間フィルタリング用ピンホールを利用することにより、30 keVのエネルギーにおいて、試料部でのX線スポットサイズは最小で2 µmまで集光可能となっている。X線屈折レンズの使用による角度発散は約40秒であり、超高圧下での粉末X線回折実験を行う上で、十分な高分解能特性が得られている。

表1 試料位置でのX線特性

エネルギー領域 14.4 ~ 61.7 keV(Si 111, Si 220)
エネルギー分解能 ΔE/E ~ 10-4(@E = 30 keV)
フラックス密度 ~ 1013 ph/s/mm2
(X線エネルギー 30 keV、蓄積電流100 mAの条件)
ビームサイズ φ2 µm ~ 1.0 mm
(X線エネルギー 30 keV、光源から64 m位置での値)

2.実験ステーションと実験装置

 ダイヤモンドアンビルセル(DAC)を用いた高圧X線回折装置は、ビームラインの実験ハッチ1,2に設置され、低温高圧実験と高温高圧実験が可能なシステムおよび複合同時測定システムが導入されている(図1)。本ステーションにおける高圧X線回折実験で使用されるX線エネルギー範囲は、DACの開口角およびダイヤモンドのX線吸収の影響、X線ビームの強度およびX線集光レンズの特性や制約から、14~61 keVが標準とされている(表1)。


図1 BL10XUビームラインレイアウト


 実験ハッチ1には、低温高圧条件での物質の結晶構造・相転移と振動状態を同時に測定するため、冷凍機搭載用高耐荷重型ゴニオメーター(動作精度0.001 mm)とX線回折・ラマン散乱分光同時測定システムが装備されている(図2(A))。同システムは、DAC用ヘリウム循環式4 K冷凍機および顕微レーザーラマン散乱分光装置、イメージングプレート検出器(IP、リガク製:R-AXIS IV++、300 × 300 mm2、ピクセルサイズ0.10 mm)を含むX線回折計から構成されている。4 K冷凍機は、DACへの振動を抑制するよう改良され、また搭載用ゴニオメーターには横揺動型が採用され、冷凍機の冷却時の振動が可能な限りDACに伝達しないような構成となっている。冷凍機内に装着されるDACは、ヘリウムガス駆動式であり、低温条件下においても冷凍機を回折計上に置いたままで外部から圧力制御することが可能となっている。低温高圧実験は、常圧~200 GPa程度、温度8~300 Kの範囲で可能である。

 実験ハッチ2では、主に高温高圧条件における物質の構造状態や相平衡関係を調べるため、両面加熱可能な近赤外線ファイバーレーザー加熱光学系システムが導入されており、高温高圧その場X線回折測定が可能となっている(図2(B))。X線回折像の測定は、二次元検出器で行われる:IP検出器(実験ハッチ1と同様)とX線CCD(Brucker製:1024 × 1024ピクセル、ピクセルサイズ0.06 mm)。測定角度範囲と角度分解能に応じて検出器を選択可能であり、IPは主に高分解能で精密な回折強度解析を必要とするとき、一方CCDは迅速なデータ取得が必要な場合に使用される。レーザー加熱式DACを利用した実験では、常圧から300 GPaを越える圧力範囲で、温度1500~5000 K程度の極端条件下でXRD測定が可能である。

 またBL10XUでは、簡便で効率的かつ効果的な高温高圧および低温高圧XRD測定を目指して、新規利用者や従来の利用者支援の強化を図っており、実験計画、試料調製・準備から測定までを含む研究支援および外場制御や光学系制御プログラム開発などの機器開発を行っている。


図2 (A)実験ハッチ1における低温高圧実験用回折計、(B)実験ハッチ2における高圧実験用回折計とレーザー加熱用光学システム


 X線構造解析ともに振動状態や電子物性などの研究を可能とするため、BL10XUでは実験ステーションの高度化として、高圧X線回折法を基盤技術とした複合同時測定装置および多重極限環境(超高圧、超高温、極低温)発生技術の開発・高度化が重点課題として継続的に推進されている。コミッショニング中の測定装置も含め、現在のBL10XUにおける複合同時測定装置は以下の通りである。

  ・オンライン顕微ラマン分光装置:励起レーザー532 nm(実験ハッチ1,2)
  ・低温高圧実験用電気伝導度測定システム(実験ハッチ1)
  ・ブルリアン散乱測定装置:CO2レーザー加熱システムを装備(実験ハッチ1)
  ・放射光57Feメスバウアー吸収分光装置(実験ハッチ1)

 その他、両実験ハッチともに回折計には、実験に必要なX線光学機器として、四象限スリット、ビーム強度モニター用イオンチャンバー、実験ハッチ内シャッター、アテニュエイターユニット、X線集光用SU8-CRL、ダイレクトビームストッパーが装備されている。


Ⅱ.利用状況

 2013年度では計25課題が実施され、2013A期と2013B期において、それぞれ13課題(重点パワーユーザー(PU)1、長期利用(長期)1、成果公開優先利用(優先)1、一般・一年10)、12課題(PU1、長期2、優先1、一般・一年8)が実施された。一般課題の採択率は、2013A期、2013B期それぞれ83%、38%であった(図3上段)。2013A期では、全シフト数に対して課題申請数が少ないこともあり、一般課題採択率が高くなっている。一方、2013B期では全シフト数が少ないこと、新規長期課題が始まったこと、課題申請数が増加したことなど、複数の要因が重なった影響により、一般課題の採択率が低下している。図3下段に、全シフト数に対する利用実験シフト数の割合を示す。冷凍機使用の低温高圧実験およびレーザー加熱による高温高圧実験が30~40%と同等の割合となっている。室温高圧実験の割合は10%以下と低く、多重極限条件下での測定が一般的になってきている。研究分野としては、主に高圧物質科学分野と地球惑星科学分野であり、利用の割合はほぼ同等である。2013年度においては主に、前者は低温/室温・高圧実験、後者は高温高圧およびメスバウアーとの複合測定を実施している。


図3 全課題に対する実施課題種の割合(上段)と利用実験の割合(下段)。


Ⅲ.高度化の実施内容と成果

 超高圧力ならびに超高温・極低温の極限状態を発生させる技術は年々進展しており、各種測定の圧力・温度領域の拡大に伴い、構造や物性上の新しい発見がもたらされている。これら高圧技術の進歩や測定技術に関する質および量への潜在的要求に対応するため、BL10XUでは、高圧装置・測定技術の開発やビームライン高度化が継続的に実施されている。2013年度実施された高度化に関して、以下詳細を記す。


1.分光結晶の変更と液体窒素循環冷却システムの導入およびマルチ結晶分光器への改造

 高輝度・高エネルギーおよび安定したX線を得るために、2013年度夏期停止期間において、(1)DCMに液体窒素循環冷却システムの導入、(2)分光素子のシリコン完全単結晶への変更、および(3)マルチ結晶分光方式の導入が行われた(図4)。これら導入・改造により、実験ハッチの試料位置へ導かれるX線強度は、従来の人工合成ダイヤモンド分光結晶と比較して、およそ一桁大きくなった。分光結晶は回折面の異なるSi 111とSi 220を並列して配置されており、放射光の光軸と垂直方向に一軸並進走査で切り替え可能となっている(図4(B))。これにより、利用可能なエネルギー範囲が61.7 keVまで拡大された。また、分光素子サイズの小さいダイヤモンド分光結晶では困難であった定位置出射が可能になった。人工合成ダイヤモンド分光結晶の不完全性および熱負荷に起因する強度変化が無くなり、ビーム形状の乱れや異常な発散も解決された。高強度・高安定・高品質な高エネルギーX線が供給可能になったことは、広いX線エネルギー領域で高強度なマイクロビーム利用の可能性が広がり、またX線回折測定との放射光分光複合同時測定におけるハイスループット化に多大な貢献を果たすことが期待される。なお、本高度化は、パートナーユーザーである東京工業大学廣瀬敬教授らのグループの科学研究費補助金特別推進研究分担金の一部を投入し、JASRIとの共同で実施された。


図4 (A)光学ハッチ外側に設置された液体窒素循環冷却システム、(B)真空チャンバ内に設置されているDCM、(C)並列に配置されたSi 111結晶とSi 220結晶。


2.高エネルギーX線マイクロビームの生成・評価試験

 DAC装置内で発生される数百万気圧におよぶ超高圧状態の試料は、非常に小さいため、高強度な1 µmビームの利用が要求される。そのため、BL10XUでは、高エネルギーX線を集光する光学素子としてCRLを導入し、2010年度以降、CRLによるX線集光に関する装置技術開発を続けている。2013年度において、前述したようにDCM変更・改造が実施されたため、通常高圧X線回折実験で利用される30 keVの高エネルギーX線におけるマイクロビーム集光光学系の最適化とビームサイズ評価試験が実施され、分光器改造前後における集光ビームの比較が行われた。マイクロビームX線集光光学系は、第一SU8-CRL、仮想光源用ピンホール、第二SU8-CRLから構成される。集光光学系最適化の結果、X線ビームサイズは水平・鉛直方向ともに2 µm程度であり、集光後に得られる強度はDCM改造前の人工合成ダイヤモンド分光結晶と比較して20倍の増加が観られ、実用的に使用可能な強度が得られることが判った。分光結晶変更がX線ビームの質の向上とそれに伴う集光光学系への高効果をもたらしたためと考えられる。また高温高圧下における融体のX線回折測定におけるマイクロビーム利活用のため、人工合成ダイヤモンド分光結晶では強度不足で実用化できなかった30 keVよりも高いX線エネルギー領域での集光試験を開始した。本高度化のために、インハウス課題2010A1967、2010B2064が実施された。


3.高圧X線回折・放射光57Feメスバウアー吸収分光複合同時測定システムの高度化

 BL10XU実験ハッチ1において、高圧X線回折・放射光57Feメスバウアー吸収分光との複合同時測定実現のため、継続的に装置・技術開発を東北大学大谷栄治教授らのグループと共同で進めている(図5(A))。導入された放射光メスバウアー分光法は、反強磁性57FeBO3単結晶の核モノクロメータをドップラーシフトさせ、試料からの共鳴散乱をエネルギーの関数として吸収スペクトルを取得する手法である。設置されたメスバウアー分光測定装置は、非常にコンパクトに設計されており(幅1000 × 奥行800 × 高さ1500 mm)、入れ子型チャネルカット高分解能モノクロメータ(Si 511 – Si 975)、核モノクロメータおよび速度トランスデューサー、NaIシンチレーションカウンタ検出器から構成される(図5(B))。


図5 (A)実験ハッチ1におけるX線回折計と57Feメスバウアー吸収分光装置、(B)高分解能モノクロメータおよび核分光アナライザー、検出器から構成されるメスバウアー分光装置。


 同複合同時測定システムは、分光装置組み上げ、その後に分光測定に関連する要素技術の開発・体系化が進められ、2012年度までに同メスバウアー分光法で不可欠な技術である核モノクロメータからの超単色X線を生成する技術を確立し、メスバウアー吸収スペクトルの取得が可能となっている。2013年度においては、X線回折法との複合同時測定システムとしての手法確立に向けた高度化が実施され、X線回折とメスバウアー分光の複合同時測定が開始された。またDCMの改造に伴い、入射X線強度がおよそ一桁近く大きくなったため、メスバウアー分光測定時間が大幅に短縮され、数時間で測定可能になった。現時点では、室温下で圧力200 GPaまで(試料サイズ直径50 µm程度)複合同時測定が可能である。今後、X線集光光学系を導入する計画となっており、集光ビームを利用することにより、分光測定時間がさらに短縮されることが期待される。


 本高度化のために、以下のインハウス課題が実施された。

・放射光メスバウアー吸収分光ではエネルギー調整は非常に重要な位置づけであり、迅速なエネルギーチューニングのため、標準物質CeO2を用いたXRD測定およびシリコン結晶の840反射を利用したボンド法の両手法を組み合わせたエネルギーチューニング方法を確立した(課題:2010B2068)。

57Feの核共鳴エネルギーを利用して、入れ子型チャネルカット高分解能モノクロメータ(HRM、 Si 511-Si 975)の性能試験を行い、その結果、出射X線のエネルギー幅が4.2 meVであることがわかった。核分光器を利用するエネルギードメイン放射光57Feメスバウアー分光法で利用する上で、同HRMは十分な性能を有していることが明らかになった。同HRMは、核ブラッグ反射出しを円滑にするためだけでなく、電子散乱によるバックグラウンドの低減に有効であるため、導入された。次に、エネルギードメイン放射光57Feメスバウアー分光法において不可欠なX線光学素子である核分光結晶用反強磁性57FeBO3単結晶の評価試験を行った。HRMにより生成されたmeVオーダーのエネルギー幅を持つ14.4 keV単色X線を入射し、57FeBO3の(444)反射のロッキングカーブを調べた結果、その半値幅は3.3 arcsecであり、分光素子として利用可能な性能を有している結晶であることがわかった(課題:2011A2071)。

・新たに核分光結晶設置用顕微鏡システムを導入したことで、X線照射位置とゴニオメーターの回転中心が一致した位置に、核分光結晶を再現良く迅速に設置することが可能となった。次に、放射光メスバウアー吸収分光法において必要不可欠なX線光学技術である核分光結晶による核ブラッグ反射の生成試験を実施し、反強磁性57FeBO3単結晶からの電子散乱禁制な核ブラッグ(333)反射出しに成功した。また、核ブラッグ(333)反射出し手法を確立した。さらに、ドップラーシフトさせた核分光結晶からの反射に関して、定位置出射試験を実施し、時間変化に対して強度はほぼ一定であることから、定位置出射されていることがわかった(課題:2011B2101)。

・反強磁性57FeBO3結晶からの(333)反射が純核ブラッグ散乱であることを確かめるため、HRMの975を利用して核共鳴条件から50 meVほどエネルギーを外した共鳴オフの条件での反射強度測定を行った。その結果、(333) 反射は観察されなかったことから、核共鳴条件で観測された反射が電子散乱禁制の純核ブラッグ散乱であることが確認された。2011B期では、(333)反射に回り込みによる電子散乱が混ざっていたが、核分光器の傾角を最適化することで、その寄与をほとんどなくすことが可能となった。次に、核分光結晶に90 Gの磁場をかけ、小型ヒーターによりネール点(75.8℃)付近まで加熱することにより、シングルライン化された超単色X線を生成することに成功し、放射光メスバウアー源として利用可能となった。この放射光メスバウアー源を利用して、メスバウアー吸収スペクトルを初めて取得することに成功した(課題:2012A1844)。

・高圧下の微小試料を測定可能とするため、前段の二結晶分光器の下流側4.5 mに設置してあるX線集光光学系のグラッシーカーボン製複合屈折レンズを利用し、入射X線サイズを0.05 mm × 0.15 mmまで集光した。この集光X線ビームを用い、圧力26 GPaにおける純鉄の高圧メスバウアー吸収スペクトルを取得することに成功した。14.4 keVのエネルギーでは集光光学系の透過率によりX線強度は50%減少したが、X線集光ビームを利用したことにより、高圧下で取得されたメスバウアースペクトルのSN比がおよそ5倍向上した。次に、高圧試料に対して、核ブラッグ散乱によるエネルギー領域放射光メスバウアー吸収分光とX線回折の複合同時測定を可能とするため、X線回折のためのエネルギーの最適化を行った。同時測定システムでは、前段の二結晶分光器に対する熱負荷を変化させないようにするため、14.4 keVのメスバウアー測定時に最適化させた挿入光源のアンジュレータギャップ値に固定したままにすることとした。この条件下で、高圧X線回折が実施可能なフラックスを有する最適なエネルギーを調べた結果、高次光を利用した28.0 keVが最適であることがわかった。高圧発生装置DACを用いて、14.4 keVでX線回折実験を行った場合、開口角の制限により観測可能なd値がかなり限られることに加え、ダイヤモンドアンビル材によるX線の吸収が大きいことやダイヤモンドアンビル材からのコンプトン散乱が寄与するX線回折パターンのバックグラウンド増加が非常に顕著であることという問題があった。しかしながら、28.0 keVの高エネルギーを利用することにより、これらの問題点は解決されることがわかった(課題:2012B1982)。



ⒸJASRI


(Received: September 3, 2014; Early edition: October 31, 2014; Accepted: January 16, 2015; Published: February 10, 2015)