SPring-8 / SACLA Research Report

ISSN 2187-6886

SPring-8/SACLA成果審査委員会委員長より

 

SPring-8/SACLA成果審査委員会委員長より

「放射光科学はBig Science!」



SPring-8/SACLA成果審査委員会

委員長 坂田 誠



1.はじめに

 SPring-8/SACLA成果審査委員会(以下、「成果審査委員会」)委員長として、この記事を書くように依頼を受けました。その目的は、成果公開の再々延長は原則として認めずSPring-8/SACLA利用研究成果集に執筆をお願いするということで、制度の完成形を得ることが出来たので、それを期に、成果審査委員会の活動をユーザーの方々によりよく理解していただくためです。この記事は、成果審査委員会としての公式見解(制度の説明や延期制度の詳細については、別途寄稿されている野田委員(編集者)の記事をご覧ください。)を述べるというよりも、規則などでは表せない部分を個人的な考え方を含めて述べてみたいという気持ちでお引き受けしました。委員長が何を考えているのかを示し、それにより大方のご理解を得たいと思っています。


 最初に、成果審査委員会とは一見関係のないことから、この記事を始めさせていただくことにします。放射光科学は、「small science at big facility」とよく言われています。私自身はこのように思ったことはありません。放射光科学は、常に「big science」だと思っています。何故なら、そのように考えることにより、私としてはストレスを感じることが著しく減少するからです。「(僅かな)マシンタイムを確保するために、何故いちいち(面倒な)課題申請書を書かなければいけないのか?」、「何故、成果をいちいち施設に報告しなければならないのか?」、「何故、成果審査委員会の委員(長)を引き受けなければならないのか?」等々、ストレスの元になるようなことが、放射光科学の周辺には、数多く存在するように思います。このような状況下で、「small science」をしているのに、と思うと、何故、何故、何故、が増幅するように思います。「放射光は、big scienceだ!」と思うことにより、big scienceを支えるためなら仕方がないかと思えて、私の場合はストレス減少に貢献してきたように思います。


 SPring-8/SACLAのような巨大施設では、数多くの人が関わって種々の活動を行っています。課題審査委員会のように、ユーザーから見えやすい委員会もありますが、この記事では、あまりユーザーからは見えにくい、成果審査委員会についてユーザーに伝えたい事柄について述べてみます。



2. 成果審査委員会とは?

 成果審査委員会の役割について、出来るだけ簡潔に書いてみることにします。皆様ご存知のように平成22年10月27日に、「成果公開の促進に関する選定委員会からの提言」がとりまとめられたことにより、SPring-8における成果公開の在り方が大幅に変わりました。また、課題採択された全ての成果非専有課題が何らかの成果に繋がっていることが求められるようになりました。これは、SPring-8始まって以来の、極めて大きな変革でありましたが、その是非については、ここでは論じないことにします。この大変革に伴い、それを具現化する一環として、「SPring-8レポート」(仮称)をJASRIとして新たに発刊することになりました。現在は、e-journal「SPring8/SACLA利用研究成果集」(以下、「成果集」)として定期的に発行が続いています。全ての成果非専有課題を成果に繋げるという大きな目標を達成するためには、施設として独自のジャーナルを刊行することが必要不可欠との判断からのことと理解しています。成果審査委員会は、この成果集に関わる事柄の最終的な責任を負う委員会として設けられました(もちろん、最終責任は理事長にあるという前提の上ですが)。当初の成果審査委員会は、提言はあるものの具体的には何もない状態から始めました。正に走りながら必要に迫られて諸々のことを進め、成果集の発行を続けてきました。先ずは、ジャーナルの体裁をどうするのか、成果集とするためのレフェリー、編集をどうするのか、成果公開の延期申請をどうするのか、再延期申請は必要なのか、必要ならばそれをどうするのか、等々、その時々に必要なことを片付けて制度を整えていくという感じでありました。現在は、再延期をして論文の公表まで至っていない課題に対しては、再々延期は認めず成果集に書いていただくことで、成果公開の制度としては、一応の完成形となりました。再延期まですると、課題を実施してから7年が経過することになり、それまでの研究活動を何らかの形にまとめていただくことは、研究者の常識としても受け入れてもらえるだろう、と考えています。


 さて、成果審査委員会で最も頭を悩ませていることは、連絡不能者の存在です。今回の成果公開制度では、採択された課題の成果が公開されていないと、その課題の実験責任者による新たな課題申請は、受け付けないことになっています。例えば、課題を実施した期が終了してから、3年が過ぎて延期申請もなく何も連絡がない場合には、その課題の実験責任者が新たな課題を申請しても、受け付けることは出来ません。もちろん、3年過ぎた課題に対して成果公開の延期申請がなされるか、その課題の成果が公開、登録がなされれば、その時点で新たな申請課題は正常に受理されます。新たな申請課題を受理出来ない場合を、便宜的にブロック課題と呼んでいますが、委員会としては非常に頭の痛い問題となっています。もちろん、ブロック課題の実験責任者に対しては、事務局を通して、何度も、何度も、何度も、連絡を試みています。しかし、一部では何のレスポンスも得られないことが続いているのが現状です。実験を実施する時には、きちんと課題申請をし、実際に実験を実施したのに、です。私には、到底理解が出来なかったことで、定期的に施設利用する多くのユーザーにも、想像が出来ないことなのではないかと思います。経験的に分かってきたことは、このような場合は、多くの場合は人事などの異動が関係しているようです。SPring-8で実験はしたが、その後、放射光とは関係のない仕事をしている、というようなことのようです。委員会としては、このような課題でもフォローしているのですが、連絡が取れないので事実上お手上げ状態と言ってもよいと思います。


 その他、細かいことを含めればいろいろなことがありますが、制度の主要部分は、オンラインのシステムが完成し、成果集のDOIも獲得し、この制度が始まってから成果が出るまでの期間が短縮され、その数も増加している、など、大方のユーザーの協力により順調に推移しているように思います。



3. 成果集について

 成果集は、2章で説明したような経緯により発刊が始まりました。この成果集に関しては、僅かに通常のジャーナルとは異なることがあるように思います。その違いを説明するために、論文にすることが困難な例を考えてみます。簡単に述べると、採択された課題は、延期、再延期を含めると、7年の間に論文などで公表してもらうことになっています。もちろん、論文化に際しては、いくつかの課題実施が必要なことも当然あると思うので、1つの論文の出版によって複数の課題の成果が公開されたとみなしてよい、としています。もし、7年を過ぎても成果公開に至らない場合には、再々延期は原則認めないので、何らかの形で論文にするか、成果集に執筆していただくことになります。このように書くと、多くの方は論理的矛盾を指摘されるかも知れません。「論文化出来ないということは、成果が得られず成果公開まで至っていないのだから、成果を成果集に書けるわけがない!これは、論理的に矛盾しているのではないか?」ということになるかと思います。私の理解では、成果集の成果の考え方が、内容的に違うことが矛盾の原因になっていると思うので、その事情を以下に書くことにします。


 上述の場合には、どのようなアイデアで、どのような実験をして、どのような実験結果が得られたのか、得られなかったのか、どのように現時点で考えられるのか、などをその時点で纏めて、成果集に出して欲しいということになります。このような形で纏められた論文を、成果集では成果とみなすということが、上述した僅かな違いであり、それにより矛盾は生じていないと考えています。何故、そのように考えることが出来るのかといえば、これは委員長としての個人的見解でありますが、成果集は、SPring-8/SACLAでの研究活動を対象にデザインされたジャーナルですので、そこでの実験に関する、アイデア、実施計画、実施状況、また、その顛末を纏めたものは、SPring-8/SACLAコミュニティとしては、充分に成果に値すると考えるからです。「7年経って論文に出来なかったら、その課題の顛末を成果集に書いてください。」ということになります。


 今回の成果公開の制度では、挑戦的な研究が減る、というご批判があるようなので、そのようなことはないという、私の主張を書いてみたいと思います。挑戦的な研究では、必ずしも思ったような結果が得られないことは充分に理解しています。ですから、成果公開制度が、何らかのポジティブな結果だけを求めているのなら、ご批判は、正にその通りだと思います。成果審査委員会が、挑戦的な研究をする方々に求めているものは、ポジティブな結果が得られない場合、延期、再延期をすれば、成果を上げるまで7年間あるので、その間の奮闘の顛末を形にして成果集に書いてください、ということのみであります。これが、今回の成果公開制度が、採択された全ての成果非専有課題に求めていることであります。7年間の挑戦の結果が、ポジティブでもネガティブでも、あるいは、そのどちらになるかが不明でも、その時点で論理的に現況を書いた論文は、SPring-8/SACLAの成果として成果集に発表します。何故なら、それはSPring8/SACLAのコミュニティにとって有益な成果と考えているからであります。もちろん、それにより、成果公開の義務を果たしたことになります。今回の制度は、挑戦した時の義務を明確化したという意味では、挑戦的な研究の課題申請が増えることはあっても減ることはない、と委員長としては思うのですが、いかがでしょうか。



4. おわりに

 成果審査委員会は、現在の成果公開制度を支えている重要な委員会であります。ユーザーには、成果公開が大きな負担と取れられているのか、当然のことと捉えられているのか、よく分かりません。委員長としては、研究者の感覚と出来るだけずれないようにしたいと思っています。私としては、7年の間に何回か実験をして、論文を書いた時にいくつかの課題の成果とし、もし論文を書くところまでいかなければ、その時点でのまとめを成果集に書くのなら、成果の求め方としては常識的かなと思っています。それとは違った観点から、成果を求め過ぎているとか、挑戦的課題に取り組みにくい、というご批判に対しては、放射光を「small science」と捉えての立場からのご意見のように感じてしまいます。何故なら、「small science」の立場からは、100%の研究の自由を求めることは、研究者として自然なことに思われるからです。この立場が異なると、議論がかみ合わなくなるように思います。放射光科学を正確に定義することを離れて、成果審査委員会あるいは公開制度に対する批判、要望を議論する場合には、一度は、「放射光科学は、big science」という立場で論じてくださるようにお願いしたいと思います。私としては、SPring-8に課題申請する実験責任者が、全て「small science」をしているという意識なのか、「big science」をしているという意識なのかで、コミュニティの将来は、全く違ったものになるように感じるのを禁じえません。


 依頼された原稿ではありますが、書いてみるといろいろな思いが巡りました。SPring-8/SACLAというBig facilityの成果審査委員会の委員長として、ユーザーの理解を得ることが、円滑な運営に役立つとの考えから書いた記事であります。少しでも、理解が広がれば、嬉しく思う次第です。



2017年9月22日 公開





Comments from the Chair

of SPring-8/SACLA Research Results Review Committee

“Synchrotron Radiation Science is Big Science!”


Makoto Sakata

Chair of SPring-8/SACLA Research Results Review Committee



1. Introduction

As the Chair of the SPring-8/SACLA Research Results Review Committee (hereinafter, “the Committee”), I was asked to write this article with the aim of providing users a better understanding of the activities of the Committee. The research results publication system has been finally completed with the decision that users cannot, in principle, request a re-reextension of publication of research results and are required to submit a manuscript to SPring-8/SACLA Research Report. Taking this opportunity, I would like to express my own personal view that cannot be fully represented by the rules of the system rather than articulate an official opinion of the Committee. For an overview of the research results publication system and the details of deadline extension, refer to the article written by committee member and editor, Dr. Noda. In this article, I will share my thoughts with the hope that they will help you gain a better understanding of this system.


First, in this article, I will discuss a concept that apparently has nothing to do with the Committee. It is often said that synchrotron radiation science is “small science at a big facility”, but I have never agreed with this opinion. For me, synchrotron radiation science is always “big science”. This way of thinking leads to a lot less stress for me. Those who are involved in synchrotron radiation science may encounter a number of frustrations such as “Why should I take the trouble of submitting a proposal for just a small amount of beamtime?”, “Why do I have to report research results to the facility?”, and “Why should I accept the position of a Committee member (or the Chair of the Committee)?”. Under these circumstances, there will be a lot more whys if you consider yourselves involved in small science. With the idea that synchrotron radiation is big science, I am less stressed and enjoy contributing to the development of big science.


Many people are engaged in various activities in a giant facility such as SPring-8/SACLA. There are committees, such as the SPring-8 Proposal Review Committee, with which users are familiar. In this article, however, I would like to provide information about the activities of the SPring-8/SACLA Research Results Review Committee that may be less visible to users.



2. What is the SPring-8/SACLA Research Results Review Committee?

The following is a brief introduction to the role of the SPring-8/SACLA Research Results Review Committee. As you know, the importance of the publication of research results obtained at SPring-8 increased markedly on 27 October 2010 when the “Recommendation from the SPring-8 Selection Committee regarding the Promotion of Publication of Research Results” was published. It became necessary for all approved nonproprietary proposals to yield some results. This was the biggest change in the history of SPring-8, but I will not discuss here the pros and cons of this change. As a means to realize this revolutionary change, JASRI decided to launch the publication of the SPring-8 Report (tentative name). Currently, it is regularly published as an e-journal, SPring-8/SACLA Research Report (hereinafter, “the Research Report”). I understand that it was necessary for SPring-8/SACLA to publish its own journal in order to reach the major goal of obtaining research results from every nonproprietary proposal. The SPring-8/SACLA Research Results Review Committee was established to assume the primary responsibility related to the Research Report, although the ultimate responsibility lies with the President. First, there was only the above-mentioned Recommendation but no specific guidelines for the Committee. We have continued to publish the Research Report while making important decisions about the style and format of the journal, how manuscripts are refereed and edited to be published in the Research Report, how users can request an extension of the deadline for the publication of research results, whether it is necessary or not to grant a request for re-extension of the deadline, and, if necessary, how users can request it. We have developed the research results publication system while dealing with various issues. Now the system has been completed with the decision that users cannot request a re-reextension of the publication of research results and are required to submit a manuscript to the Research Report if they were unable to publish their research results in a journal article during the re-extension period. Because users who are granted a re-extension will have seven years from the end of the research term, I believe that they will be able to agree to report, in some form, the progress of their research by the end of the re-extension period.


The current biggest problem of the Committee is that some project leaders are out of contact. Under the current research results publication system, a new proposal submitted by a project leader will not be accepted if the research results of an approved proposal submitted by the same project leader have not yet been published. For example, if a project leader does not request a deadline extension or contact us even after the three-year deadline of an approved proposal, any new proposal submitted by the same project leader will not be accepted. The new proposal will be properly accepted when the project leader requests a deadline extension for the previously approved proposal with an expiring deadline or publishes and registers the research results of the previously approved proposal. The new proposals that cannot be accepted are called blocked proposals for the sake of convenience and are a major source of concern for the Committee. The Committee repeatedly endeavors to contact the project leaders of blocked proposals through the Office. We, however, have received no response from some of those project leaders up to now, even though these project leaders have submitted a proposal and actually carried out experiments. This was very difficult for me to understand and the majority of users who regularly use this facility probably cannot imagine why this happens. Experience shows that most of these cases are related to personnel rotation. Those project leaders carried out experiments at SPring-8, but their current job has nothing to do with synchrotron radiation. The Committee is also trying to follow up such cases, but there is virtually nothing we can do when they are out of contact.


There are also other minor problems. Thanks to the cooperation of most users, however, the research results publication system is generally working well as its online system has been completed, a digital object identifier (DOI) has been assigned to the manuscripts included in Research Report, the time to publication of research results has been shortened since the start of this system, and the number of published research results has been growing.



3. SPring-8/SACLA Research Report

The publication of the Research Report started as described in Section 2. The Research Report is slightly different from other journals. To understand the difference between them, think of a proposal whose research results cannot be published in a journal article. In our system, the research results of approved proposals should be published in a journal article or other media within seven years after the end of the research term including extension and re-extension periods. In some projects, multiple proposals should be carried out before publishing the research results in a journal article. Users may bring together in one publication the research results of multiple proposals. If seven years have passed without yielding publishable research results, users cannot, in principle, request a re-reextension and are required to publish the research results in a journal article or to submit a manuscript to the Research Report. On reading this, most of you will probably point out a contradiction, saying, “They could not publish their research results in a journal article because they could not produce research results, so how can they publish their research results in the Research Report?” In my understanding, there is a slight difference between the research results published in a journal article and those published in the Research Report and this difference may be the cause of the apparent contradiction.


In the case described above, what is required of users is to summarize their ideas, experiments, results obtained or not obtained, and their opinion at that time into a manuscript and submit it to the Research Report. Such a manuscript is considered to contain research results that are publishable in the Research Report. This is how the research results published in the Research Report differ from those published in a journal article. There is no contradiction between them because, from my own perspective as the Chair, the Research Report is designed to focus on the research activities carried out at SPring-8/SACLA. The summary of ideas, plans, progress, and all the details of experiments carried out at SPring-8/SACLA deserves to be called “research results” in the SPring-8/SACLA community. This is why users are required to report all the details of their proposals and results in the Research Report if they are unable to publish their research results in a journal article within seven years after the end of the research term.


Some criticize that the current research results publication system discourages the submission of challenging proposals, which I think is a fallacy. We fully understand that challenging proposals do not always produce expected results. The criticism is appropriate if only positive results are required in the research results publication system. However, all the Committee requires of those who are involved in challenging proposals is that they report the efforts they made and the results of those efforts in the Research Report, even when they could not obtain positive results, within seven years after the end of the research term including the extension and re-extension periods. This is a requirement for all approved nonproprietary proposals under the current research results publication system. Regardless of whether the results of their challenges over seven years are positive, negative, or even unclear, a well-organized manuscript providing information about the progress of their research proposals will be considered research results obtained at SPring-8/SACLA and publishable in the Research Report, because such information is helpful to the SPring8/SACLA community. By submitting such a manuscript, users can fulfill their obligation of publishing their research results. Now that the obligation of users involved in challenging proposals has been specified, I expect that the number of challenging proposals submitted will increase but never decrease.



4. Conclusion

The Committee plays a significant role in the current research results publication system. I am uncertain whether users consider the obligation of publishing research results as a burden or as a matter of course, but I would like to ensure that the system reflects the sensibilities of researchers as much as possible. For me it seems reasonable, under the current research results publication system, that users can carry out several experiments during the seven years and bring together, in one journal article, the research results of multiple proposals, and that they are required to submit a manuscript on the progress of their research proposal to the Research Report if they had been unable to publish a journal article within the seven years. Those who criticize this system as seeking too many research results or discouraging challenging proposals may see synchrotron radiation as small science because it is natural for researchers who are involved in small science to desire 100% freedom of research. When we have different views as to whether synchrotron radiation science is small or big, we are arguing on different planes. When you discuss criticisms and suggestions regarding the Committee or the research results publication system, try, at least once, to put aside the inaccurate definition of synchrotron radiation science and imagine that synchrotron radiation science is big science. I strongly feel that the future of the SPring8/SACLA community depends on whether the project leaders who submit proposals to SPring-8 consider themselves to be involved in small or big science.


Various thoughts came to mind as I started writing this article at the request of the committee members. As Chair of the Research Results Review Committee in a huge facility, SPring-8/SACLA, I hope this article will help users gain a better understanding of the activities of the Committee, which in turn will contribute to the smooth operation of SPring-8/SACLA.



22 September 2017