SPring-8 / SACLA Research Report

ISSN 2187-6886

早期公開 既公開版

SPring-8 Section A: Scientific Research Report

2013A1033 / BL43IR
劣化した遺跡出土琥珀の放射光顕微赤外分光による産地推定の試み
Study on Provenance of Deteriorated Amber Excavated from the Sites using Synchrotron FT-IR Microspectroscopy

植田 直見, 山田 卓司, 川本 耕三

Naomi Ueda, TakashiYamada, Kozo Kawamoto

(公財)元興寺文化財研究所

Gangoji Institute for Research of Cultural Property

Abstract

 これまで赤外分光分析では難しかった劣化により一部分子構造が変化した琥珀の産地推定について、加熱しながら放射光顕微赤外分析を実施することで産地推定が可能となることがわかった。方法は室温から 400℃ まで加熱した時の出土琥珀のスペクトルの変化を、主産地として知られている久慈市やいわき市、銚子市から産出する地質学的標準試料のそれと比較することで判別する試みを行った。さらにこれまで分析に使用できる試料がわずかしか無く分析が実施できなかった出土琥珀の産地を推定する方法として利用できる可能性も見出した。


Keywords: 出土琥珀、放射光顕微赤外分析、産地推定


2015A2003, 2016A1486 / BL43IR
科学鑑定のためのボールペンインクの赤外放射光分光顕微分析
Synchrotron Radiation Fourier Transform Infrared Spectrometer(FTIR) Microscopy Analysis of Inks of Ballpoint Pens and Rollerball Pens for Criminal Investigation

本多 定男, 橋本 敬, 森脇 太郎, 池本 夕佳, 木下 豊彦

Sadao Honda, Takashi Hashimoto, Taro Moriwaki, Yuka Ikemoto, Toyohiko Kinoshita

(公財)高輝度光科学研究センター

JASRI

Abstract

 文書類から記載に用いられた筆記具のメーカー名、製品名を推定する試みについては、一部を切り取ってインク等を抽出し、薄層クロマトグラフィー(TLC)、液体クロマトグラフ質量分析(LCMS)、顕微フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)、ラマン分光等で分析する手法が研究されてきたが、2000年以降は破壊を伴わない分光的分析手法が主流となってきている[1]。 今回は、通常のグローバー光源を用いる顕微FTIR分析に比較して輝度が二桁程度高い赤外放射光を用い、アパーチャにより 2 μm に絞っての透過法による顕微FTIR分析を試みた。


Keywords: 科学捜査、法科学、微細証拠物件、赤外放射光、顕微FTIR、ボールペンインク


SPring-8 Section C: Technical Report

2015A2049 / BL39XU
低濃度希土類試料に対する軟X線MCD測定の検出感度評価
Feasibility Study on the Detection Sensitivity of Soft-X-ray MCD Measurements for Ultra-low Dense Rare-earth Magnets

鈴木 基寛, 小谷 義範, 中村 哲也

Motohiro Suzuki, Yoshinori Kotani, Tetsuya Nakamura

(公財)高輝度光科学研究センター

JASRI

Abstract

 BL25SUビームラインにおいて、低濃度の希土類磁性体試料に対する軟X線磁気円二色性 (MCD) 測定の検出感度評価を行った。Au 基板上に展開した Tb 単分子磁石の単原子膜について全電子収量法によるX線吸収分光 (XAS) およびMCDスペクトルの測定を行い、バックグラウンドと信号の比率および統計精度を評価した。1原子層の単分子磁石に対して解析に十分な精度のスペクトルが数10分の測定時間で得られ、さらに濃度の薄い試料にも対応できることがわかった。


Keywords: 軟X線MCD、希土類単分子磁石、全電子収量法