2022B SPring-8利用研究課題募集要項
SPring-8の利用をお考えの方は、利用研究課題申請の前に下記をご確認ください。
新型コロナウイルス感染症に関する特記事項
2022B期においても、新型コロナウイルス感染症によるビームタイムキャンセルの影響を軽減するため、特別な運用が実施されますので、必ず事前にこちらをご確認ください。
[目次]
- 2022B期の運転等について
- 募集する課題の種類と利用できるビームライン
- 課題申請に必要な手続き
- (1)課題申請
- (2)ユーザー登録(未登録の方のみ)
- (3)申請書作成上のお願い
- 利用にかかる料金等について
- (1)ビーム使用料について
- (2)成果公開優先利用料について
- (3)消耗品の実費負担について
- その他
- ビームライン別課題募集一覧
- ビームライン概要一覧
- お問い合わせ
1.2022B期の運転等について
(1)2022B期提供シフトおよび利用時期
・提供シフト
2022B期提供シフトは、285シフトを予定しております。
・利用時期(予定)
[年2回募集ビームライン]
2022B期:2022年10月〜2023年2月
[年6回募集ビームライン]
2022B第I期:2022年10月〜11月中旬頃
2022B第II期:2022年11月中旬頃〜12月中旬頃
2022B第III期:2023年1月中旬頃〜2月
(2)SPring-8におけるSACLA、J-PARC MLFまたは「京」/「富岳」を含むHPCIとの連携利用に係る取組について
放射光施設(SPring-8)を、中性子施設(J-PARC MLF)または「京」/「富岳」を含むHPCI(スーパーコンピュータ「京」/「富岳」を含む革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)と連携して利用することにより、それぞれを単独で利用するよりも優れた成果が効果的に創出され得る研究を促進する取り組みを行っています。募集の詳細につきましては、「2022B SPring-8における“SACLA、J-PARC MLFまたは「京」/「富岳」を含むHPCIと連携した利用を行う課題”の募集について」をご確認ください。
- 対象課題種
- 一般課題(成果非専有利用に限る)
- 大学院生提案型課題
- 対象ビームライン
表3に示します(表中の“★”に該当します)。
(3)2022B期のセベラルバンチ運転モード
2022B期は、下記の運転モードを予定しています。運転モードの希望がある場合は、課題申請時に選択してください。また、第1希望とその他の希望のフィリングでは、どの程度効率が違うかを申請書「その他」欄に記述してください。
- Aモード:203bunches
- Bモード:4-bunch train×84
- Cモード:11-bunch train×29
- Fモード*:1/14-filling + 12 bunches
- Gモード*:4/58-filling + 53 bunches
- Hモード:406 × 11/29-bunches + 1 bunch
ただし、加速器の状況によっては上記バンチモードでの運転が難しい場合もあります。また、年6回募集ビームラインにおいて、バンチモードを指定する場合は、必ずしも申請期の利用期間に割り当てられるとは限りませんので、ご注意ください。
運転モードの詳細は、SPring-8ホームページの「セベラルバンチ運転モード対応表」でご確認ください。
*上記のFおよびGモードはB期(2022B、2023B…)のみ運転します。A期(2023A、2024A…)はFおよびGモードの代わりにDモード(1/7-filling + 5 bunches)およびEモード(2/29-filling + 26 bunches)の運転を予定しています。
(4)2022B期締切
- 大学院生提案型課題(長期型)
2022年5月18日(水)午前10:00 JST(提出完了期限)
(誓約書 メール送付期限:2022年5月25日(水)必着) - 成果公開優先利用課題
2022年5月31日(火)午前10:00 JST(提出完了時刻)
(同意書、研究目的と研究計画のコピー、放射光利用の関連箇所説明書 メール送付期限:2022年6月7日(火)必着) - 一般課題(成果専有含む)、大学院生提案型課題
2022年6月14日(火) 午前10:00 JST(提出完了時刻)
(大学院生提案型課題の誓約書および成果専有一般課題の同意書 メール送付期限:2022年6月21日(火)必着)
(5)一部共用ビームラインの名称変更について
ビームラインの再編に伴う装置群の入れ替えおよび統合による測定手法の変更等により、一部共用ビームラインの名称が変更されます。
ビームライン | 旧名称 | 変更後の名称 |
BL01B1 | XAFS | XAFS I |
BL09XU | HAXPES | HAXPES I |
BL13XU | 表面界面構造解析 | X線回折・散乱I |
BL14B2 | 産業利用II | XAFS II |
BL19B2 | 産業利用I | X線回折・散乱II |
BL40B2 | 構造生物学II | SAXS BM |
BL41XU | 構造生物学I | 生体高分子結晶解析I |
BL45XU | 構造生物学III | 生体高分子結晶解析II |
BL46XU | 産業利用III | HAXPES II |
(6)年6回募集ビームラインの拡張について
2022B期より、下の表に示すビームラインにおいて、年6回の課題募集を行います。各期および各ビームラインで募集対象となる課題の審査分野が下表のとおり限定されますので、希望審査分野を選択される際にご注意ください。また、BL47XUは一部シフトのみを年6回募集とし、基本は年2回募集とします。
(7)BL14B2、BL19B2、BL46XUに申請可能な対象審査分野拡張について
これまでBL14B2, BL19B2, BL46XUでは希望審査分野を「産業利用」とする課題のみを募集対象としておりましたが、2022B期以降は、「産業利用」分野以外で審査を希望する課題の申請も可能となります。拡張される審査分野は、上記(6)の表に記載の通りです。希望審査分野に「産業利用」以外の分野を選択される場合は、実験責任者または共同実験者において「民間企業」または「産業界に準ずる機関」に属する方を含むという募集要件は適用されません。
(8)希望審査分野を「産業利用」とする課題の申請方法変更について
2022B期より、「産業利用」分野にて審査を希望する課題の申請をお考えの方は、それぞれ以下の課題種をご選択ください。また、課題申請される際は、必ず、希望審査分野に「産業利用」を選択してください。
旧:「一般課題(産業利用分野)」 → 「一般課題」
旧:「大学院生提案型課題(産業利用分野)」 → 「大学院生提案型課題」
(9)BL28B2のビームタイムについて
実験装置の立ち上げために、BL28B2において30シフトが2022B期のユーザータイムから充てられる予定です。
(10)長期間有効な課題種の募集について
長期間有効な課題種の見直しに伴い、B期で募集しておりました一年課題、長期利用課題および重点パートナーユーザー課題の2022B期における新規募集はございません。
2.募集する課題の種類と利用できるビームライン
SPring-8の利用には、大きく分けて、成果専有利用と成果非専有利用の2つの利用形態があります。成果専有利用では、成果公開の義務がない代わりに、利用時間に応じたビーム使用料が課せられます。成果非専有利用では、論文等により研究成果を公表していただくかわりにビーム使用料は免除となります。学生(課題実行時に博士後期課程の大学院生)の方は、大学院生提案型課題(長期型も含む)のみ申請可能です。詳細は、「2022B大学院生提案型課題の募集について」をご参照ください。共同実験者としての参加は学年を問いません。2022B期に募集する課題は表1に示すとおりです。詳細は各課題募集案内をご覧ください。
また、利用可能なビームラインの概要を「7. ビームライン概要一覧」および「ビームライン一覧」に紹介しています。
<表1 2022B期募集課題一覧>
成果専有利用
利用研究課題種別名 | 概要 | 公募回数 |
成果専有課題 | 放射光を利用した一般的な研究全般を対象とする課題で、成果公開の義務がなく、審査が簡略化され、利用時間に応じたビーム使用料が課される課題。 | 年2回/年6回 |
成果非専有利用
利用研究課題種別名 | 概要 | 公募回数 |
一般課題 | 放射光を利用した一般的な研究全般を対象とする課題。 | 年2回/年6回 |
大学院生提案型課題 | 将来の放射光研究を担う人材の育成を図ることを目的とし、大学院生が主体的に立案、提案、遂行することを奨励する課題。課題実行時に博士後期課程の大学院生が対象。 | 年2回/年6回 |
大学院生提案型課題(長期型) | 大学院生提案型課題のうち、課題の有効期間を博士後期課程の1〜3年とすることにより、学生教育のための安定かつ計画的なビームタイムを確保する機会を提供する課題。審査は書類審査と面接審査の2段階で実施。 | 年1回(B期のみ) |
成果公開優先利用課題 | 優先利用料を負担することにより、通常の科学的価値の審査が省かれ、SPring-8の必要性、実験の実施妥当性、技術的実施可能性および安全性の審査のみで利用可能。成果の公開義務あり。 A期から始まる1年課題の運用あり。産業界の機関に所属する申請者を対象とした成果準公開利用制度あり。 | 年2回/年6回 1年課題は年1回(A期のみ) |
* 年6回募集対象ビームライン:
BL01B1, BL02B1, BL02B2, BL09XU, BL13XU, BL14B2, BL19B2, BL46XU, BL47XU
※BL47XUは一部シフトのみを年6回募集とし、基本は年2回募集とします。
3.課題申請に必要な手続き
(1)課題申請
課題申請はWEBサイトを利用した電子申請により行います。詳しい入力方法については、各課題の募集案内をご参照ください。また、下書きファイルをご用意しておりますので、ご利用ください。なお、課題申請時は、ログインユーザー名で実験責任者登録されます。
マイページログイン > 課題申請書を作成・編集する > 新規作成
申請が完了すれば、受理通知と申請者控え用の誓約事項のPDFファイルがメールで送られます。メールが届かない場合は申請が受理されていない可能性がありますので、以下のとおり確認してください。
申請課題が UIサイト(ログイン>トップページ>課題申請書を作成・編集する)の「提出済」に
(1) 表示されていない場合
→受理されていません。もう一度申請課題の「提出」操作を行ってください。
(2) 表示されている場合
→受理されています。ユーザー登録内容が正しいにもかかわらずメールが不着となっている場合は、「8. お問い合わせ」利用推進部までお問い合わせください。
(2)ユーザー登録(未登録の方のみ)
課題申請時にSPring-8ユーザーカード番号とパスワードが必要となるため、申請前にUIサイトにてユーザー登録を行ってください。
注)申請者(実験責任者)だけでなく、課題申請時に共同実験者として登録される方もユーザー登録が必要です。ユーザー登録情報は、採否通知の送付等の各種ご連絡に使用しますので、既登録者の方も登録内容をご確認の上、適時情報の更新をお願いいたします。
(3)申請書作成上のお願い
詳しい入力方法については、課題申請をご参照ください。
[希望シフトについて]
基本的に3シフト単位(1シフト=8時間)でビームタイムの配分が行われます。ただし、構造生物学分野のBL41XUおよびBL45XUでは0.25シフト、BL26B1/B2では1シフト、BL32XUでは1.5シフト(ただし、自動測定のみ0.25シフト)が最小配分シフトとなります。またCryoTEMでの最小配分シフトは3シフトです。
シフト数の算出をする際の不明な点はSPring-8ホームページに記載されているビームライン担当者までお問い合わせください。
[実験責任者について]
実験の実施全体に対してSPring-8の現場で責任を持つことが出来る人が実験責任者となってください。
なお、研究自体の責任者とSPring-8利用に係る実験責任者は、必ずしも同一者である必要はありません。また、SPring-8利用成果論文等のFirst Authorと当該実験責任者は別とお考えください。
[複数のビームラインへの利用申請について]
同一の実験責任者が複数のビームラインを利用する場合は、ビームライン毎に申請してください。科学的意義の書き方が同じでも、複数のビームラインでの実験が必要な内容であると認められる場合には、審査で不利に扱われることはありません。
[本申請に関わるこれまでの成果について]
本研究に関わる実験責任者の主な発表論文(最大3報)と、これまでの研究の進捗状況が分かるように、各論文について2行程度の説明を記述してください。また実験責任者のORCID IDおよびresearchmapのURLも記載してください(本研究に直接関係のない他の研究テーマでの研究成果等を把握することを目的としています)。
[高圧ガス容器持込み実験について]
高圧ガス容器を持ち込む場合は、必ず「安全に対する記述、対策」>「安全に関する手続きが必要なもの」>「高圧ガス容器持込み実験」にチェックをし、「測定試料及びその他の物質」欄へ物質名・持込量等を正確にご記載ください。申請書に記載が無く、採択後新たに持込む場合は、高圧ガス保安法に関する行政手続きの過程において、持込みが制限される可能性がありますのでご注意ください。
[運転モードについて]
運転モードについての詳細はUIサイトの「運転モードについて」をご参照ください。
4. 利用にかかる料金等について
以下に課題種毎の利用料金と消耗品実費負担の金額を示します。
<表2 利用料金表>
(1)ビーム使用料について
1)成果非専有課題(成果公開※)
利用料金の種類 | 1シフト※当たり |
ビーム使用料 | 免除 |
注)課題実施期終了後3年以内に査読付論文等を発表し、JASRIに登録していただくことで、成果が公開されたとみなします。詳細につきましては「成果公表」をご参照ください。
2)成果専有課題(成果非公開):
通常利用(成果専有一般課題)
定期公募(年2回または年6回)で募集し、成果非専有課題と同時に応募を締め切ります。
利用料金の種類 | 1シフト※当たり |
ビーム使用料 | 480,000円 |
時期指定利用
随時申し込み可能で、速やかに審査が行われます。利用可能な時期については、予め利用予定のビームラインの担当者にご相談ください。
利用料金の種類 | 1シフト※当たり |
ビーム使用料+割増料金(50%) | 720,000円 |
(注意)2022B期におけるCryoTEMの通常利用、時期指定利用は、それぞれ1シフトあたり80,000円、1シフトあたり120,000円。
(2)成果公開優先利用料について
成果公開優先利用課題*の優先利用料は以下の通りです。
*競争的資金の獲得等により一定の科学技術的価値の評価を得た成果を公開する課題。SPring-8の必要性、倫理性(平和目的限定等)、実施可能性及び安全性の審査を経て利用できます。
利用料金の種類 | 1シフト※当たり |
優先利用料 | 131,000円 |
(注意)2022B期におけるCryoTEMの成果公開優先利用は、1シフトあたり22,000円。
※ 1シフト=8時間。配分シフトが時間単位の課題の定額分料金は時間単位となります。
(3)消耗品の実費負担について
利用実験において実験ハッチにて使用する消耗品の実費(定額分と従量分に分類)について、共用ビームタイムを利用する全ての利用者にご負担いただきます(CryoTEMも同額)。
定額分(利用者別に分割できない損耗品費相当、税込)
利用料金の種類 | 1シフト※当たり |
消耗品費実費負担(定額分) | 10,720円 |
従量分:使用に応じて算定(液体ヘリウム)
- 液体ヘリウムの使用がある場合は、消耗品実費負担(従量分)として、使用量に応じて請求させていただきます。
なお、国内の大学に所属する方からの大学院生提案型課題(長期型を含む)につきましては、予算の範囲内で消耗品費(定額分+従量分)の支援をしますが、従量分を大量に使用される場合は支援できない場合があります。消耗品の実費負担についての詳細は「消耗品実費負担制度」をご覧ください。
5.その他
- SPring-8への放射線作業者登録について
放射性同位元素等の規制に関する法律(法律第百六十七号)に従い、SPring-8 の放射光を利用される方は放射線作業者登録が必要です(測定代行または自動測定で来所されない方は除く)。詳細につきましては、UIサイトの「提出書類詳細」をご確認ください - 単独実験・作業の禁止
安全上の観点から原則として単独でのご利用はお断りしております。共同実験者を募って申請(実施)してください。 - 装置の故障、災害および伝染病等発生時の措置
状況によって、採択時のビームタイムを供給できない場合があります。その場合、ビームタイムの補償はできないことをあらかじめご了承ください。 - 損害保険の加入および賠償責任について
利用実験実施等に際し、不慮の事故に備えて傷害保険及び賠償責任保険又はこれらと同等の保険に加入するとともに、共同実験者が学生の場合は、これら保険に加入していることを確認していただく必要があります。また、故意又は重大な過失によってSPring-8及びそれに附属する施設、設備並びに物品その他に損害を及ぼしたときは、損害の全部又は一部を賠償していただきます。あらかじめご了承ください。
6.ビームライン別課題募集一覧
今回ビームラインごとに募集している課題の一覧を表3に設けました。申請時にご活用ください。
表3 2022B ビームライン別募集課題一覧
7.ビームライン概要一覧
各募集対象ビームラインの研究分野および利用可能な実験ステーション/装置等を表4に示します。実験ステーションの整備状況は、SPring-8ホームページの「ビームライン一覧」でも提供しています。不明な点はそれぞれのビームライン担当者にお問い合わせください。
表4 ビームライン概要一覧
8.お問い合わせ
窓口 | 電話番号 | メールアドレス |
高輝度光科学研究センター (JASRI) 利用推進部 | 0791-58-0961 | sp8jasri@spring8.or.jp |