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測定代行の実施について

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  1. 測定代行について
  2. 利用時期、対象ビームライン
  3. 測定代行における測定試料および測定環境
  4. 利用料金
  5. 申込方法
  6. 審査について
  7. 実施後の流れ
  8. その他

1.測定代行について

測定代行は、(公財)高輝度光科学研究センター(JASRI)のスタッフが、ユーザーに代わってSPring-8を利用した測定を行うものです。ユーザーの方のSPring-8への来所は任意としており、試料をSPring-8へ送付することにより測定代行の実施が可能です。当制度は組織内で専門スタッフを確保することが困難な企業あるいは研究組織等への利便性拡大や、即時利用ニーズへの対応を図るべく実施するものです。なお、本測定代行は『成果専有時期指定課題』の一形態として取り扱い、ビーム使用料および消耗品実費負担についても、同課題に準じた金額(「4.利用料金」参照)となります。従って、利用申請内容に係わる秘密は保持され、得られた成果およびその成果に基づく特許権等を専有することができます。

2.利用時期、対象ビームライン

(1)利用時期

測定代行の申込は随時受け付けます。実施可能な日程については、「8.その他(1)測定代行の相談窓口」にお問い合わせください。来所の有無、試料によって実施までの事前手続きに要する時間が異なります。各種書類ごとの提出期限は、「SPring-8 実験開始までに行う手続きについて」を参照してください。

(2)対象分析技術(ビームライン)

ビームライン 対象分析技術
BL14B2 XAFS IIXAFS
BL19B2 X線回折・散乱II粉末X線回折
小角X線散乱
BL28B2 白色X線回折高エネルギーX線CT
BL46XU HAXPES II硬X線光電子分光

3.測定代行における測定試料および測定条件

(1)測定試料および測定条件

分析技術測定試料測定条件
XAFSXAFS測定用に調製した試料に限ります。大気中室温環境下での測定のみを対象とします。ガス雰囲気下など“その場(in situ)測定”は、対象外とします。
粉末X線回折試料形態はガラスキャピラリに封入した粉末試料、あるいは同等の形状に加工した試料に限ります。測定は大気中で行います。低温装置(対象温度:100〜450 K)および高温装置(同:室温〜1000 K)を利用した温度変化測定も可能です。
小角X線散乱試料形態は原則として35 mmスライドマウントに保持可能な形状の試料に限ります。ご不明な点は個別にご相談ください。カメラ長は0.7, 1, 2, 3 m(通常の小角X線散乱:SAXS)および42 m(極小角X線散乱:USAXS)の5通りです。X線のエネルギーは原則15~30 keVの範囲で、測定可能なq範囲を考慮して、事前の相談の上、決定します。1回の申請でSAXS、USAXSを両方実施することも可能です(ただし、日程が分割される場合もあります。)。測定は室温下大気中で行います。
高エネルギーX線CTCT測定用に調製した試料に限ります。専用の試料ホルダーに固定された状態での大気中室温環境下での測定のみを対象とします。専用の試料ホルダーは、試料数に応じて事前に送付します。
硬X線光電子分光基板上の薄膜などの固体試料で現有装置の試料ホルダーに取り付けることが可能なものに限ります。ガスや水分を含む試料など、装置の真空度に悪影響を与えることが懸念される試料はお受けできません。また、絶縁物等、帯電の可能性がある試料はお受け出来ないのでご了承ください。試料の取り付けは大気中で行い、真空ベッセルを用いた試料移送は対象外とします。真空中・室温での測定のみを対象とします。中和銃を用いた測定は行いません。“その場(in-situ)測定”は、対象外とします。励起X線エネルギーは、8 keVで固定とします。

注意:生物(動物、植物、微生物)試料は、原則として対象外とします。また、JASRIが定める「ランク4」の化学薬品、即ち、取り扱いに際し国または県の許可が必要な以下の物質についても対象外とします。
 (i)化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律に定める特定物質
 (ii)麻薬及び向精神薬取締法に定める麻薬および向精神薬
 (iii)覚醒剤取締法に定める覚醒剤及びその原料
 (iv)大麻取締法に定める大麻草及びその製品
 (v)あへん法に定めるあへん、けし、けしがら
 (vi)薬機法の指定薬物
 (vii)毒物及び劇物取締法に定める特定毒物
 (viii)労働安全衛生法に定める製造禁止物質

(2)試料調製

測定試料の調製はユーザーの方が行うものとします。調製方法が判らない場合は必ず「8.その他(1)測定代行の相談窓口」にご相談ください。準備ができた試料は、「8.その他(3)試料送付先」に送付してください。

4.利用料金

利用料金は、次の(1)および(2)にビーム使用時間を乗じた金額の和となり、測定代行実施後に徴収されます。ビーム使用時間は下記の申込方法にある手続きにしたがって、担当者との打ち合わせにより確定させます。基本は1時間単位ですが、硬X線光電子分光については4時間からとなります。なお、見積書は発行しておりません。(参考:「SPring-8利用料金について」)

(1)ビーム使用料

利用料金の種類1時間当たり
ビーム使用料+割増料金(50%)90,000円

(2)消耗品実費負担

利用料金の種類1時間当たり
消耗品費実費負担(定額分)1,340円
  • 液体ヘリウムの使用がある場合は、消耗品実費負担(従量分)として、使用量に応じて請求させていただきます。

5.申込方法

(1)申込受付

利用を希望される方は、以下の測定代行ご相談フォームにて技術的可能性およびビームラインの空き状況をご相談ください(Googleフォームを利用できない場合は、Wordファイルに所定の事項を記入の上、「8. その他(2)オンライン課題申請/書類提出に関するお問い合わせ」利用推進部までメールにてお送りください)。送信が正常に完了すると、確認メールが自動送信されます。フォーム送信後、確認メールが届かない場合は、利用推進部までお問い合わせください。

分析技術ご相談フォーム
XAFSXAFS測定代行 ご相談フォーム / Wordファイル
粉末X線回折粉末X線回折 測定代行 ご相談フォーム / Wordファイル
小角X線散乱小角X線散乱 測定代行 ご相談フォーム / Wordファイル
高エネルギーX線CTCT測定代行 ご相談フォーム / Wordファイル
硬X線光電子分光硬X線光電子分光 測定代行 ご相談フォーム / Wordファイル

(2)事前打ち合わせ

ご相談フォームを受け付けた後、各担当者よりご連絡を差し上げますので、実施内容に関して事前打ち合せを行ってください。事前打ち合せ終了後、担当者から申請者に対し『測定代行実施内容等確認書(様式B)』を送付しますので、それに従って課題申請を行ってください。

(3)課題申請(マイページ)

申請には、ユーザーカード番号とパスワードが必要です。ユーザーカード番号を取得していない方は、下記UIサイトにてユーザー登録を行い、マイページにログインしてください。
ログイン後課題申請の画面で、『測定代行課題』を選択してください。『測定代行実施内容等確認書(様式B)』に記載された情報に従い、実施予定日10日前(土日祝を除く)までに、オンラインによる課題申請を完了してください

♦ User Information Webサイト(UIサイト) : http://user.spring8.or.jp/
ログイン>トップページ>課題申請書を作成・編集する>新規作成

課題申請後に、SPring-8測定代行同意書を提出していただく必要があります。当該フォームをダウンロード後、必要事項を記入押印の上、PDF形式にてご提出ください。同意書に記入が必要となる申請番号については、課題登録完了時にお送りする受理通知メールにてお知らせいたします。

提出方法

1. ♦ User Information Web サイト(UIサイト) : マイページログイン>課題申請書を作成・編集する>提出済ページ内、申請課題の「SPring-8測定代行同意書」のボタンをクリックしてください。
2. 同意書をPDF形式にしてアップロードしてください。
(注)アップロードできない場合は、メールにて「8. その他(2)オンライン課題申請/書類提出に関するお問い合わせ」利用推進部までご送付ください。

(4)測定代行実施前に必要なオンライン提出書類

課題の審査が終了しましたら、利用推進部から申請者に審査結果を連絡しますので、下記の2つの提出書類(利用申込書、試料および薬品等持込申請書)をオンライン提出してください。

1)利用申込書
 (ⅰ)立ち会い有りの場合ユーザーカード・線量計受取/返却日時および研究交流施設利用期間を記入してください。
なお、立ち会い者は、来所の10日前までに『放射線作業者登録申請書(様式5-1)』の提出が必要です。
立ち会いを希望される場合は事前に担当者までご相談ください。
 (ⅱ)立ち会いなしの場合来所種別にて“不参加”を選択してください。測定代行者のユーザーカード・線量計受取/返却日時の項目に『測定代行実施内容等確認書(様式B)』に記載されている実施予定日時を記入してください。
2)試料および薬品等持込申請書利用申込書を提出していただくと試料および薬品等持込申請書へのリンクが表示されますので、本申請書をオンライン提出してください。

6.審査について

実験の安全性についてのみ審査を行います。実験内容の技術的な実施可能性、社会性、実施妥当性については、事前打ち合わせの過程において確認済みのため改めて審査は行いません。また科学技術的価値および成果創出への期待度に関する審査は行いません。
なお、郵送等が不適切な試料(法令に定める劇物・毒物等)を測定する場合、ユーザー本人による持込みおよび持ち帰りが課題実施の必須条件になる場合がありますので、予めご承知おきください。

7.実施後の流れ

(1)測定代行の実施後、申請者に対し、測定データと実施報告書を送付します。測定データは、電子媒体に収納し、実施報告書とともにお渡しします。なお、解析はサービスには含まれておりませんのでご注意ください。解析ソフトの紹介、解析方法の説明などのご相談は、「8.その他(1)測定代行の相談窓口」にて承ります。
(2)申請者の方は、測定データと実施報告書の確認後、ビームタイム終了届を提出してください。
(3)試料は測定後に返却いたします。立ち会いがなかった場合、担当者が試料を申請者に返送します(送料は申請者負担となります。返送用の送り状を同梱してください。)。
(4)利用成果(測定データ)は申請者もしくはその所属機関に帰属します。
(5)申請者の登録した請求先に利用料金の請求書を送付しますので、利用料金をお支払いください。

8.その他

(1)測定代行の相談窓口

分析技術E-mail
XAFSdaikou14@spring8.or.jp
粉末X線回折・小角X線散乱daikou19@spring8.or.jp
高エネルギーX線CTdaikou28@spring8.or.jp
硬X線光電子分光daikou46-haxpes@spring8.or.jp

(2)オンライン課題申請/書類提出に関するお問い合わせ

窓口電話番号メールアドレス
高輝度光科学研究センター (JASRI) 利用推進部0791-58-0961sp8jasri@spring8.or.jp

(3)試料送付先
  〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
  公益財団法人 高輝度光科学研究センター 利用推進部気付
   ○○測定代行担当者行(課題番号)(○○に測定手法をご記入ください)
    例:XAFS測定代行担当者行(2022B1234)
   ※宅急便についての詳細はこちらもご確認ください。

【参考】
測定代行の手続きについて(PDF)