2022A 構造生物学分野の課題の運用について
希望審査分野の再編について
2022A期より成果非専有の一般課題および大学院生提案型課題の希望審査分野が再編されました。従来の「生命科学/タンパク質結晶構造解析」分野の課題の運用については、「構造生物学(SB: Structural Biology)」分野を選択した課題に適用されます。希望審査分野の再編等の詳細については、こちらをご確認ください。
クライオ電子顕微鏡における成果公開優先利用課題の募集開始ついて
2021B期から放射光ビームラインの付帯設備として共用を開始したクライオ電子顕微鏡(CryoTEM、EM01CT/EM02CT)ですが、2022A期より成果公開優先利用課題での申請も可能となりました。ただし、放射光ビームラインの同時申請が必須となりますので、課題申請時には該当の放射光ビームラインを選択し、「実験の方法」欄にCryoTEMを利用予定であることを明記してください。
[目次]
1.詳細
1.1運用方法
一般課題(成果専有・非専有)に共通です。大学院生提案型課題は一般課題(成果非専有)に準じます。
- SPring-8利用研究課題審査委員会(PRC)では、課題の採択/不採択と優先順位(非専有の場合)のみを決定します。
- 課題の有効期限を1年間とします。
- 課題申請時にはビームラインの指定はできません(すべてPX-BLとなります)。申請時に既に測定可能な試料が得られている必要はありませんが、得られていない場合には申請書に試料の準備状況(試料の結晶化や精製蛋白質もしくは複合体の取得に向けた取り組み)について記述して下さい。
- ビームタイム配分(シフト数、利用日、利用ビームライン)は、年4〜5回(おおよそ3月、5月、8月、10月(、12月))実験責任者へ希望調査を行い、成果非専有課題については優先順位に基づいて、施設側のビームタイム配分会議で審議のうえ決定します。成果専有課題については、各期の最初に期を通した希望調査も行います(その後の希望調査時においての変更は可能です)。
- ビームタイムの最小配分シフトは、BL26B1/B2では1シフト、BL32XUでは1.5シフト(来所なし自動測定のみ0.25シフト)、BL38B1では3シフト、BL41XUおよびBL45XUでは0.25シフト、EM01CT/EM02CTでは3シフトです。
- EM01CT/EM02CTの利用は放射光ビームラインを利用する研究課題の付帯実験と位置づけます。その運用はビームラインと異なる点がありますので、必ず事前にこちらをご確認ください。
1.2 対象ビームライン
以下の構造生物学ビームライン6本および2台のCryoTEM(以下、まとめて「PX-BL」という)を対象ビームラインとします。
- 【アンジュレータビームライン3本】
- 共用 BL41XU 構造生物学Ⅰ
- 共用 BL45XU 構造生物学Ⅲ
- 理研 BL32XU ターゲットタンパク
- 【偏向電磁石ビームライン3本】
- 理研 BL26B1 構造ゲノムⅠ
- 理研 BL26B2 構造ゲノムⅡ
- 理研 BL38B1 構造生物学I (BioSAXS)
- 【クライオ電子顕微鏡(CryoTEM)2台】
- EM01CT:JEOL CRYO ARM 300 (検出器 GATAN-K3)
- EM02CT:JEOL CRYO ARM 200 (検出器 GATAN-K2)
上記対象ビームライン1本あたりのビームタイムから供出する割合は、「2022A一般課題の募集について」の「3.(2)対象ビームラインおよびビームタイム」でご確認ください。
1.3 利用時期
2022A期より2022B期まで(2022年4月〜2023年2月(予定))の期間にシフトを配分します。下記の希望調査によりシフト配分を行います。
なお、PX-BLにおける成果公開優先利用課題は、通常どおり利用時期を半年とし、今回の募集では、2022A期(2022年4月〜8月(予定))にシフトを配分しますが、下記の希望調査により利用日の決定を行います。長期利用課題も、下記の希望調査を行い、利用日を決定します。PX-BLにおける他分野の課題は通常どおり2022A期にシフトを割り当てます(利用日は利用期開始前に決定)。
1.4 利用日の決定
採択された課題の実験責任者に対し、年4〜5回(おおよそ3月、5月、8月、10月(、12月))に配分シフトおよびビームラインの希望調査をメールで行います。各回の調査対象期間は以下を予定しています。
調査時期(予定) | 3月頃 | 5月頃 | 8月頃 | 10月頃 | (12月頃) |
利用対象期間(予定) | 2022年4月〜5月頃 | 2022年6月〜8月頃 | 2022B期:運転計画未定 |
各調査時期に合わせてJASRIより実験責任者へ希望調査メールを送信しますので、シフト数、ビームライン等をご連絡いただきます。総希望シフト数が利用可能なシフト数を越えた場合は、成果非専有課題の場合は通知書でお知らせした優先順位に従い、また成果専有課題の場合はJASRIによる総合的な判断によりシフト数・実施ビームラインについて調整が行われます。このため、課題によってはシフトを割り当てられない可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
成果専有課題については、ビームラインごとに配分ビームタイムの上限が設けられています。詳細は「SPring-8利用研究課題募集の概要」の「4.配分ビームタイムの上限」でご確認ください。シフト数、ビームラインと利用日が決定しましたら、JASRIよりメールにて通知します。なお、希望調査に基づいてシフト配分を行った後に、未配分のビームタイムがある場合には、追加希望調査を行うことがあります。その場合にはJASRIからメールでお知らせします。
【注意】
BL45XUの自動測定では、測定日を厳密には決定せず、一定の期間に行うことのみ決定しています。詳細はこちらをご覧ください。
1.5 PX-BLにおける各種課題の取り扱い
- ① 一般課題(成果専有/非専有)、大学院生提案型課題
- [SB分野]
構造生物学分野の課題として運用します。詳しくは、本ページをご確認ください。運用について不明な場合は、「6.(1)構造生物学に関する相談窓口」へお問い合わせください。 - [SB分野以外]
本運用の対象外です。
- [SB分野]
- ② 成果公開優先利用課題
- [全分野]
配分シフトおよび利用日は、ビームタイム配分会議で決定されます。- 採否通知の際にお知らせする配分シフト数は、利用できるシフト数の最大値とお考えください。利用期内に良質な試料が作成できなかったため測定ができず、やむを得ずシフトが余った場合は、キャンセル扱いとなり利用料金が減額されます。
※余ったシフトは次利用期に繰り越しできません。
- 採否通知の際にお知らせする配分シフト数は、利用できるシフト数の最大値とお考えください。利用期内に良質な試料が作成できなかったため測定ができず、やむを得ずシフトが余った場合は、キャンセル扱いとなり利用料金が減額されます。
- [全分野]
- ③ 長期利用課題、大学院生提案型課題(長期型)
- [SB分野]
配分シフトおよび利用日は、ビームタイム配分会議で決定されます。- 採択時および採択後の利用期毎にお知らせする配分シフト数は、最大値とお考えください。利用期内に良質な試料が作成できなかったため測定ができず、やむを得ずシフトが余った場合は、キャンセル扱いとなります。
※余ったシフトは次利用期に繰り越しできません。
- 採択時および採択後の利用期毎にお知らせする配分シフト数は、最大値とお考えください。利用期内に良質な試料が作成できなかったため測定ができず、やむを得ずシフトが余った場合は、キャンセル扱いとなります。
- [SB分野以外]
本運用の対象外です。
- [SB分野]
- 新分野開拓利用課題、パートナーユーザー課題
- 本運用の対象外です。
2.申請書作成上の注意
通常の課題申請と同様、Webサイトを利用した電子申請となりますが、申請書作成の際には以下の点にご注意ください。なお、通常の申請方法については、「2022A SPring-8利用研究課題募集要項」の「3.課題申請に必要な手続き」をご一読ください。
《注意1》
課題種を選択後、必ず「構造生物学」にチェックしてください。
◆UIサイト トップページ >マイページにログイン>課題申請書を作成・編集する>新規作成
- “一般課題”または“成果専有一般課題”を選択
- 「構造生物学」にチェック
※学生は“大学院生提案型課題”を選択
《注意2》
構造生物学分野の課題は、他分野とは申請書に記載する内容が異なりますので、申請書下書きファイル「成果非専有利用 一般課題、大学院生提案型課題 共通(構造生物学分野)」もしくは「成果専有利用 一般課題(構造生物学分野)」の記載に沿って申請してください。
[審査希望分野](成果非専有課題のみ)
大分類は[構造生物学]がデフォルトで表示されます。
[希望ビームライン]
「PX-BL」を選択してください。申請時にビームラインの指定はできません。希望ビームライン(CryoTEM含む)の詳細は、「ビームライン選定の理由」に記述して下さい。
[ビームライン選定の理由]
測定を希望するビームライン(複数可)について、希望する理由を記述してください。BL38B1およびCryoTEMを希望される場合は、その旨を明記してください。
[シフト数算出の根拠]
測定を希望するビームライン(複数可)それぞれについて、今期及び来期に必要と思われるシフト数を参考値として記入し、その算出根拠を記述してください。
[包括的申請について]
複数のタンパク質を対象とした課題を申請することは可能ですが、それらは一つの生物学的研究に関わるものに限ります。無関係のタンパク質の構造解析を一つの課題として申請することはできません。
3.審査について
成果非専有課題の審査については通常の一般課題/大学院生提案型課題と同様、科学技術的価値、成果創出への期待度、SPring-8の必要性、実験の実施可能性、実験の安全性および倫理性について総合的かつ専門的に審査し、優先順位を決定します。成果専有課題については実験の実施可能性、実験の安全性および倫理性のみ審査します。ただし、成果専有・非専有課題ともに、申請書の記述内容が著しく不十分な場合、実施可能性や安全性に重篤な問題がある場合、他の採択課題と内容が重複していると判断された場合等を除き、全ての申請課題を仮採択し、上記1.4の方式で配分シフトとビームラインを決定します。
4.審査結果の通知
審査結果は、2022年2月中旬にUIサイトのマイページにてご確認いただけます。成果非専有課題の通知書には、優先順位をお知らせします。配分シフトや決定ビームラインは、「1.4 利用日の決定」にあるとおり、年4〜5回実施するビームタイム配分の希望調査の後、利用日とともに決定・通知します。
5.その他
- 利用に当たっての料金について
通常の一般課題・大学院生提案型課題に準じます。詳しくは、各募集要項をご確認ください。 なお、消耗品費実費負担分をJASRIが支援する課題もありますが、海外機関所属の実験責任者による課題(大学院生提案型課題含む)は、2019B期より支援対象外となりましたので、実験責任者に負担していただきます。詳しくは、各募集要項をご確認ください。 - 成果非専有課題における成果の公開について
通常の一般課題・大学院生提案型課題に準じます。なお、有効期限が1年間であるため各期(2022A期および2022B期)で異なる課題番号が付与されますが、成果の公開については、それら2つの課題番号をグループ化し1つの課題として取り扱います。詳しくは、UIサイトの「成果公表」をご確認ください。 - 成果非専有課題における利用課題実験報告書の提出期限について
通常の一般課題等の場合、課題終了後60日以内にご提出いただいておりますが、構造生物学分野の利用研究課題のみ、その運用特性を考慮し「A期・B期それぞれのユーザータイム終了後60日以内」とします。ただし、各期において課題実施がない場合はこの限りではありません。 - BL45XU、BL32XUにおける自動測定について
理研とJASRIにより開発された自動測定システム(ZOOシステム)をご利用いただけます。ユーザーは試料をSPring-8に送付するだけで、回折像とデータを取得することが可能です(来所および放射線従事者登録不要)。詳細は、「タンパク質結晶構造解析用BLにおける自動測定の運用について」をご確認ください。
6.お問い合わせ
(1)構造生物学に関する相談窓口
窓口 | 電話番号 | メールアドレス |
公益財団法人 高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 構造生物学推進室 | 0791-58-0833 | stbio@spring8.or.jp |
窓口 | 電話番号 | メールアドレス |
高輝度光科学研究センター (JASRI) 利用推進部 | 0791-58-0961 | sp8jasri@spring8.or.jp |